[味噌一代記]

義農味噌株式会社
創立50周年記念誌
味噌一代記
田中 義一
四六判/132ページ//並製本
¥952+税

企画/セーラー広告株式会社
発行/義農味噌株式会社

旨い味噌造りに半生を懸けた男がいた

四国愛媛の「麦味噌」は、麹の量が多いため出来高が少ない。
そのため、県外から大手が進出せず、地元の企業とノウハウが守られた。

愛媛で造られる味噌は、裸麦を原料とする麦味噌が主である。
日本全体で見ると、シェアの大半を占める米味噌に対し、麦味噌はわずか10パーセントだが、この味噌は愛媛の風土から生まれた、愛媛ならではの味噌である。
本書は、その麦味噌造りに半生を懸けた男、義農味噌の創業者・田中義一の物語である。
義一は戦後まもない頃、北海道へ貨車でみかんを送り、それでデンプンを買い付けようとした。
しかし、みかんは黒い斑点が出て売り物にならず、若くして多額の借金を背負い込むことになった義一は、長く置いても腐らず、旨くなるものは何かと考え、味噌と出合った。
製法をマスターするための全国行脚、オート三輪に味噌桶を積んでの小売店販売、密封されたパッケージの中で暴れる麹菌との闘い、愛媛で最初に導入した自動製麹システムも米用で、麦用として使いこなすのは至難の業だった。
それ以上に困難だったのは販路開拓。麹の量が多い麦味噌は、旨いけれども、日本一甘い。味噌に対する嗜好の違いで、いつも進出を阻まれた。目に見えない麹菌を相手に道を切り拓いた、義農味噌50年の軌跡。

はじめに 「創業五十周年に際して」
商売をする小学生
失敗した紀伊國屋文左衛門
味噌との出合い
味噌を訪ねて全国行脚
独立、そして結婚
義農味噌への改称と自社工場建設
愛媛初の自動製麹システムで大量生産へ
スーパーの指定業者になり、大きく飛躍
これさえできればなんでもできる、マネキン販売
辛党の高知攻略
のるかそるか、香川・大阪への進出
破裂した味噌のパッケージ
巨大スーパー・ダイエーから得たもの
機械でつくる手造りの味
蔵癖と清掃活動
PB戦略とこんにゃく市場への参入
研究センターと新製品開発
次代へ—— 
会社は、人
いよいよ義農味噌を全国に発信
受賞歴
年表
義農味噌CMの歴史
あとがき

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