[宇和島をゆく]

新字和島文化紀行
宇和島をゆく
中村 英利子
A5判・176P
¥1500+税

文化とは、その土地で生まれた文学や芸術だけではない。
人々の心に残る歴史の記憶であり、脈々と流れる熱き思いでもある。
日々の営みから生まれた食文化や風土、民俗、個性豊かな気風。
それが特異(ユニーク)だから、宇和島は面白い。
 
 宇和島市は、文化的に見ても、歴史や民俗の面から見ても、実に面白い町で、愛媛県内でも他のまちとは異なる雰囲気がある。
 近代以降、経済人のみならず、芸術や文学関係、ジャーナリスト、学者なども多く輩出し、近年では「世界の中心で、愛を叫ぶ」の片山恭一も全国区の宇和島人として有名になった。
 本書の目玉は、新たに発見された「ペリー来航関係資料」。ヘルリという名で描かれた絵は、はたしてペリーなのかどうか……。

●宇和島の歴史(カラーグラビア)
宇和島は伊達十万石の城下町である
伊達家伝来の宝物の数々
幕末、外様中藩の宇和島藩に何があったのか
宇和島藩士が、浦賀で見たもの
築城の名手・藤堂高虎と宇和島城
六年の歳月をかけて築いた、五角形の海城 土井中照

宇和島に開明君主あり
興味深いペリー来航関係資料 愛媛大学法文学部教授 内田九州男
懐かしの宇和島
 古写真に見る明治・大正・昭和期
寺まち界隈の散策
宇和島近代史「宇和島駅は、なぜ終着点になったのか」
●宇和島人
土居通夫・末広鉄腸・山下亀三郎・畦地梅太郎・児島維謙・穂積陳重・大宮庫吉・油屋熊八・大和田建樹・伊藤大輔・松根東洋城・高畠華宵・井関邦三郎・簡野道明
●宇和島と文学
・司馬遼太郎が愛した宇和島・獅子文六が描いた南予の桃源郷・詩的可能性の限界を追求した富沢赤黄男
・宇和島出身の作家と、宇和島を舞台にした文学「文学王国宇和島」宇神幸男
 エッセイ 片山恭一
  「駄菓子屋でおやつを買っていたころ」
 随想 奥島孝康「ふるさと南予の思い出」
●宇和島の暮らし
 段畑とイワシ漁の暮らし
ネズミと闘った日々
●宇和島の産業史
 ミカン栽培 ミカン王国発祥の地
 真珠養殖 海の宝石を育んできた宇和海
 魚類養殖 日本最大の「つくり育てる漁業」の基地
●ふだん着の宇和島(カラー)
 宇和島名物・じゃこ天
 郷土料理 丸寿司・ほうたれの刺身・太刀巻き・フカの湯ざらし
 盛運汽船「ぐるり宇和海」体験記
●宇和島の祭り
 和霊大祭と牛鬼まつり
●伝統工芸 港町宇和島に息ずく大漁旗・幟の染織技術
●宇和島の方言
●宇和島歴史文化年表

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