特別講演

喫煙の健康影響と禁煙の効果

第9回全国禁煙教育研修会(於 広島県医師会館、平成4年8月)

講師

予防がん研究所長−−平山 雄


 去る8月22,23日に広島県医師会館で開かれた第9回全国禁煙教育研修会(愛媛県医師会報平成4年9月号参照)で行われた標記特別講演の内容を、できるだけくわしく報告する。

  1. 医師会が禁煙教育の先頭に立つ
  2. 26万5千人を対象にした「計画調査」
  3. タバコはがん、心臓病、老化のリスクファクターである
  4. タバコを吸うとぼけ易い
  5. 中学から吸い始めると長生きできない
  6. 幼児が狙われている
  7. 副流煙、受動喫煙の恐ろしさ
  8. 喫煙対策とタバコの寄与危険度
  9. タバコは現代の悲劇である
  10. 禁煙は最良の治療法である

1.医師会が禁煙教育の先頭に立つ

 最初に広島県医師会にお礼申しあげる。医師会が先頭に立ってこの研修会を主催することを我々は一番待ち望んでいた。このたびこれが実現したことを大変うれしく思っている。

 毎日喫煙している人と喫煙しない人の肺がんの死亡率をみると、大きな差がある。禁煙すると経過年数にしたがって、肺がんの死亡率は吸わない人の場合に近づく。これほど大きな差があるのに何故吸う人がいるのか。それは知識がないか、ニコチン依存症かによる。
 しかし知識人の中にも人口10万人対107人は宝くじのようなもので、自分は大丈夫と思っている人が多い。
 人口10万対何人というのはリスクとしては低いようであるが、これは1年間の罹患率である。生涯罹患率でみると、これの約百倍になる。1日50本以上の喫煙者では、75歳までに肺がんになる人は10万人につき3万3千510人、ちょうど三分の一が肺がんになる。
 なぜ残りの人が肺がんにならないかというと、肺がんになる前に心臓病などで死ぬからだ。 

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2.26万5千人を対象にした「計画調査」


 これは大集団の健康者のライフスタイルを調べた上で長年月追跡観察した私たちの研究から得られたものだ。
 この研究は、40歳以上の成人26万5千118人(6府県)を対象に、1965年10月から12月にかけて保健婦が家庭訪問し、食習慣、飲酒・喫煙などを調べた。調査率は国勢調査人口に対し95%で、これらの人を17年間観察した。この中から5万5千523人が死亡し、1万4千740人ががんで死亡した。これらの人たちがどんなライフスタイルであったか、健康なときにどんなライフスタイルであったかを調べた。

 肺がんと喫煙の関係は、世界各国の大集団を追ったコホート研究で一日の喫煙本数が多いほど高くなることがはっきりと数字で出ている。イギリスが一番切り立っているが、ノルウェー、スェーデン、アメリカ、日本など殆ど平行している。
 いくらか違いが出ているのは、その喫煙継続期間の長短による。日本とでは50年くらい違う。タバコはイギリスでは今世紀初めから非常に広がったが、日本では1950年代以降である。それを考慮すると殆ど一致する。
 肺がんについてはもう異論はない。しかし、疫学的には認めるとしても病理学的には証明されていないという人が沢山いる。
 それは確実に証明されていることだ。

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3.タバコはがん、心臓病、老化のリスクファクターである


 そのことは厚生省の「たばこ白書」(1987年)−歴史的な出版書である、ぜひ読んで欲しい−に明記されている。タバコの煙に含まれている有害物質は粒子相に33種、気相中に16種という表が出ている。発がん陽性の動物実験が国内で16、国外で24、これも表が出ている。 

 考えてみると、一群が吸い、他群が吸わない27万匹(先の27万人の調査)の動物を17年間観察した私たちの日本での実験成績で喫煙の有害性は確認されている。その動物がマウスやラットなら病理学的証拠として重視するのに、その動物がたまたま人間の場合は疫学的と呼び、軽視または無視するのは全くおかしい。
 「たばこ白書」には、兎、、犬などを用いた動物実験成績が列挙されている。 

 私たちの研究では、タバコが肺がんだけでなく、喉頭がん(特に顕著)、口腔がん、食道がん、肝臓がん、膀胱がん、膵臓がん、胃がんなどの原因になることがわかっている。これは男性の場合であるが、女性も同様で、特に子宮がんとの関係がはっきりと認められている。

 喫煙はがん作り行動である。タバコを吸っている人は自分の体の中にがんを作る努力をしているのだ。早く芽を出せ柿の種、と一生懸命がん作りにいそしんでいる。それをライフワークにしているのが喫煙者である。

 最近の観察によると、発がん物質の大部分は活性酸素を発生する。タバコを吸うと活性酸素が大量に発生し、それがDNAに作用すると考えられている。がんのもとは活性酸素だという見方が強くなってきている。 

 どのように作用するかというと、がん遺伝子、特にがん抑制遺伝子、その中のP53に変異を惹き起こす。猟犬が獲物をどこまでも追うように、タバコの煙の物質ががん抑制遺伝子に襲いかかり、歯止めを外すということがわかってきた。 

 肺がんとライフスタイルとの関係をみると、タバコがトップで横綱、酒は大関で2番目である。タバコは他のライフスタイルと比べて抜きん出ているのが特徴である。 

 世界各国のコホート研究はタバコだけを調べているが、他のものと比べているのは私たちだけである。その内、喉頭がんはもっとはっきりしている。
 膀胱がん、膵臓がん、肝臓がん、胃がん、子宮頚がんなど全部のがん、どれをとってもタバコが横綱である。ことは肺がんだけでなく、どの部位のがんでもタバコのリスクは高い、頭抜けて高い。

 ところが、がん以外の病気でもタバコが大きなリスクファクターである。石原裕二郎のかかった動脈瘤もタバコが断然トップである。他のファクターの影響は少ない。クモ膜下出血、虚血性心臓病、高血圧性心臓病など循環器疾患は言うに及ばず、気管支喘息、肺気腫など呼吸器疾患、消化性潰瘍など消化器疾患など、どの病気の場合も高いリスクを喫煙者は示している。まさにタバコは筆頭リスクファクターである。 

 女性の場合は、本人ががんや他の病気になるだけでなく、胎児に対する影響がある。
おなかの中では胎児は逃げられない。私は密室殺人と言っているが、まさに密室である。多くの胎児は殺され、生き残っても発育障害があったり、低体重の子どもが生まれる。

 さらに精子、卵子に対する影響、生殖細胞に対する影響もタバコは強いので次代の子どもたちへの影響が大である。 

 年齢累積死亡率を疾患別にみると、虚血性心臓病はどの年齢でみてもタバコを吸わない人に比べ毎日吸う人は2倍くらいリスクが高い。女性の場合も同じである。これを5歳平行移動するとぴったり重なる。つまり、タバコを吸っていると、5歳上のタバコを吸わない人と同じリスクになる。したがって同年齢で比較すると軒並みリスクが高いのは当たり前のことになる。 

 膵臓がん、胃がんでも同じである。タバコを吸うと早く歳をとるのだということがわかってきた。
 全部位のがんでみても、同年齢の非喫煙者の年齢別死亡率から計算した期待数と比べるとずっと高いが、5歳上の人と比べると殆ど同じ期待数となる。 

 女性の場合も同じである。

 結論的に言うと、がん、心臓病、老化のリスクを大幅に高めるのがタバコである。これらには色々な因子が関与するが、共通の因子は活性酸素である。リスクを大幅に低めるのが緑黄野菜、その中のスカベンジャーとしてβカロチンとかビタミンCなどが活性酸素の力を弱めるように働く。
 がん、心臓病、老化とも、どれもタバコでリスクが高くなる。緑黄野菜で低くなる。話はすっきりしてきた。

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4.タバコを吸うとぼけ易い

 タバコを吸うとぼけ易い。
 私たちの研究はぼけない内に調べておいて、ぼけを待つ、ぼけ待ち研究でこれは世界で唯一の研究である。タバコを吸えば吸う程ぼけることがはっきりと出ている。ぼけた人に今までどれだけ吸っていたか聞く、そんな研究は当てにならない。世界にはそういう文献が多い。私たちのぼけの研究結果がもうすぐ世界中に出まわる雑誌に載る。

 喫煙している人でも長生きしている。何故か?こんなことを言う人がいる。原爆の爆心地近くにいた人でも生きている人がいる。だから原爆は怖くない、とは誰も言えない。疾病別に感受性の違いはあってもタバコの煙の中の毒性物質のすべてに感受性がなく、どの病気にもかかりにくいという人はあり得ない。仮に長生きしてもぼける。

 タバコはがんの素ではなく、老い薬である。タバコはがん作りの素である以上に老い薬である。タバコ自動販売機は、がん作りの素、老い薬の自動販売機である。 
 子どもの話にはいる。  

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5.中学から吸い始めると長生きできない


 中学のときから、15歳までにタバコを吸い始めた人の年齢累積死亡率をみると、タバコを吸わない人に比べ、15年早く老いる、つまり、がん年齢が15年早く来ることになる。中学のときから吸い始めると、いかに人生を駄目にするか、駄目男、駄目女にするかはっきりしている。体を張ってでも中学生にはタバコを吸わせない、もちろん高校生でも吸わせるべきではないが、特に中学生にはタバコを吸わせないことが大切である。 

 実際に中学から吸い始めると、総死亡率も高い、がん死亡率も高くなる。特に虚血性心臓病は最も高くなる。どの年齢で吸い始めても、吸わない人に比べると死亡率は高いが、特に著しく高いのは中学から吸い始めた人で、次がハイティーンで吸い始めた人である。 
 中学から吸い始めると、59歳までに死亡する確率(年齢累積死亡率)は、総死亡が2倍、がん死亡が4倍、虚血性心臓病死が実に11倍である。早く死ぬのは当たり前である。
 さらに怖いのは、中学から吸い始めると強いニコチン依存症になることである。高度喫煙者(一日に25本以上喫煙者)の割合が20歳から吸い始めた場合より倍も高い。

 タバコドミノ、肺がんは最後のドミノが起こすのではなく、最初のドミノが起こす。だから中学のときからタバコを吸い始めることが肺がんの運命づけをする。ドミノ理論はこの場合非常に大事である。何のために禁煙教育が必要か、このドミノがあるからである。 

 たばこ産業KKが発表したデータから計算すると、未成年者の喫煙(喫煙本数から計算)がぐんぐん増えている。このままで良いのか。殆どが中学から吸い始めると、早く歳をとるのだから将来大変なことになる。まさに国難である。国難意識を持たなければならない。 

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6.幼児が狙われている


 ここで強調したいのは、幼児が狙われていることである。アメリカではミッキーマウスよりラクダのジョウーの方が有名である。3ー6歳の幼児はラクダのジョウーをよく知っている。キャメルのタバコの裏にラクダのジョウーが印刷されている。4歳の子どもをスーパーに連れて行くとキャメル(タバコ)を買いたがるという。タバコに対する親密感を植えつける大作戦である。この幼児作戦がアメリカで大成功しており、おそらく日本にも近い将来やってくるであろう。これに対し備えなければならない。 

 未成年者の喫煙率を下げる一つの方法はタバコの値段を上げる、タバコの税金を上げることである。1%の値上げで1.2%未成年者の喫煙率が下がる。
 余計に入ってくる税金をタバコ対策に使えばもっと良い。これは既にアメリカやオーストラリアなどで実施されている。

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7.副流煙、受動喫煙の恐ろしさ


 次に副流煙(受動喫煙)について述べる。 
 副流煙の方が主流煙より毒性ははるかに強い。タール、ニコチンが数倍、ベンツピレンが3.7倍、強力な発がん物質であるニトロサミンが52倍、アンモニアが46倍、COが4.7倍、窒素酸化物3.6倍であり、副流煙は毒ガスである。

 タバコを吸っている人を見たら、沖縄の「はぶ」だと思って逃げることが必要だ。どうして俺がへびか。へび−スモーカーじゃないか、ということだ。 

 ところが逃げられない人がいる。ヘビースモーカーを夫にもつ妻である。夫がへびだと言っていつも逃げているわけにはいかない。夫が閻魔大王だと妻の座は地獄の座となる。

 私は1981年1月、British Medical Journal に高度喫煙者を夫に持つタバコを吸わない妻は高い肺がんのリスクを持つ、という論文を出した。夫がタバコを吸えば吸う程妻の肺がんの危険性は高くなると発表した。

 10年後、25の研究が各国から発表されたが、その内20は同方向の成績を示した。関係が出なかったものは、乳がん発症を比較調査したためである。 
 私たちの研究では、乳がんも例外ではないという成績が得られている。
 どっちの夫を選ぶか、選ぶのはあなた!

 心臓病も同じことが言える。 
 したがって、能動喫煙は緩慢なる自殺(アメリカの厚生大臣が言った言葉)である。日本の厚生大臣は今日も元気だ、タバコはうまいなどと言っているが、私は受動喫煙は緩慢なる他殺である、他殺を生きがいとしている人はタバコを吸ってくれ、と言っている。 

 タバコを心の健康に役立つと言う人がいるが、ヘロインはヘロイン中毒者の心をほっとさせる。それと同じように喫煙の心理的な効果はニコチン中毒の症状にほかならない。周囲の人に単に迷惑であるばかりでなく、その健康を損ない、命を奪う可能性あることを知りながら、なおも吸いつづける喫煙者に心の健康を望むべくもない。待っているのは地獄だけ。 

 実際、ニコチン中毒とヘロイン中毒、一部にアルコール中毒もメカニズムに共通するものがあると考えられている。 

 一番問題なのは朝起きるとすぐ吸うwakeup smoker(30分以内に吸う)で、これは全く見込みはない。自分の努力で禁煙できる割合は9%しかない。91%は何かの助けがいる。30分以上経って吸う人の97%は自分の努力で禁煙できるという。wakeup smokerには心理学者や精神医学者の介入が必要かも知れない。こういう残留喫煙者、高度喫煙者の割合が段々増えてきている。

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8.喫煙対策とタバコの寄与危険度

 タバコを止めるとどうなるか。肺がんは止めてからの年数が経つと危険性は下がる。これは全部位のがんでも言える。虚血性心臓病でも言える。肺がんの方がより顕著であるが−。 

 つまり、禁煙は肺がんにとどまらず、どのがんにも、どの病気にも効果があることが観察されている。 がん予防、心臓病予防、老化予防としての喫煙対策を次のようにまとめることができる。

@防煙−早く吸い始める程リスクは大きい
A禁煙−次第に非喫煙レベルに近付く 
B分煙−受動喫煙による発がん、心臓病、老化を防げる 

 次にタバコの寄与危険度について述べる。 

 寄与危険度は、全体の死亡率から非喫煙者の死亡率を引き、全体の死亡率で割って出す。つまり、寄与危険度は喫煙者がいるために余計に死亡した増し分(超過死亡)をみるものである。

 私たちの研究の後半、73年から82年のところをみると、総死亡率が10万対1749、非喫煙者の死亡率が1356、これから計算するとタバコの寄与危険度は22.3%になる。これを要するに5人に1人の死亡がタバコが原因であるということになる。これはアメリカでもどこでも観察されている。 

 最近のWHOの発表によると、タバコによる超過死亡は先進国(12億人)だけでも2億5千万人、途上国を含めると現存の5億人がタバコで死ぬ。
 タバコ問題はエイズ、地球環境問題と並ぶ三大問題と言ってよい。

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9.タバコは現代の悲劇である

 タバコは現代の悲劇である エイズは次の時代の悲劇である。現代の悲劇を傍観するとか、悲劇の増進に努める人はエイズの問題、地球環境問題に発言する資格はないと思う。その危険性に盲目どころか、その増進を国策とするのは日本だけであり、本当に悲しいことである。
 タバコ産業の健全な発展は国の責務だと考えているのが日本である。暗雲漂う日本の将来、その証拠は「たばこ事業法」である。 

 悲劇の歴史を簡単に眺めてみたい。 
 どうして人類の悲劇が生まれたか。二十世紀最大の悲劇が生まれたのか。それは1884年にボンサックが、紙巻きタバコを機関銃のように多量に生産できる器械を発明したことから始まる。オートメーション、大量生産が始まった。
 1940年代までは、タバコ産業は人々に幸せを与える産業と理解されていた。だからタバコ産業にも優秀な人が働いていた。
 1950年代から多くの研究により、タバコ産業は病死増産産業であることが判明した。それにもかかわらず新たにタバコ産業に参加する人が沢山いる。それ以降に参加したタバコ産業のスタッフや関係者はそれを十分承知の上である。だから対話や説得は絶望的である。水戸黄門の悪代官のようなもので話しても無駄である。もちろん例外はあるが。

 1970年代後半からタバコ産業が第1級環境汚染源と判明、最初は子どもの健康、それから肺がんや心臓病の原因となることが私たちの研究からはっきりしてきた。 

 遂に膨大な収益を一方で挙げながら現存世界人口中の5億人殺人産業に成長した。これはWHOが発表した数字であるが、この5億人殺人産業の象徴が日本である。何故なら、少なくともアメリカは煙のない社会(smoke free society)作りをアメリカの国策としている。1989年の喫煙率25%を2000年までに15%に下げるアシスト計画を年間50億円の予算で実施している。
 1991年から特に17州の学校、職場、地域社会、保健施設を標的に必要な情報提供、援助サービス、法規やマスメディアの活用などを総合的に実施している。カリフォルニアでは計画を上回る成果を挙げている。

 このようにアメリカは目覚めている。アメリカはアメリカ人にはタバコを吸わせるな、日本人に吸わせろと、日本にどんどんと輸出してきた。これをほいほいと引き受け、アメリカタバコを日本人に吸わせている当局の人たちは、国民を売っているような行動じゃないかと思っている。

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10.禁煙は最良の治療法である


 最後に禁煙の効果について述べる。 禁煙は最良の治療法である。これはアメリカの厚生省レポートであるが、病気が起きてからでも禁煙は効果的だ。冠動脈心臓病発作の再発と死亡を50%以上防ぐ。閉塞性血管炎の進行を止めて機能回復に役立ち、切断手術のチャンスを低める。胃潰瘍の治癒率が高まる。診断時に禁煙すれば、がんまでも、肺の小細胞がんの生存率が高まる。
第2原発性がんを防ぐ。肺炎合併症を減らす。したがって病人に対しても禁煙は極めて有効に作用する。つまり、禁煙の効果は健康な人はもちろん、患者に対しても大変有効である。禁煙は治療法としても位置づけられなければならない。   
 

(文責 真鍋 豊彦)


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