ESSAY
 


  ツバメ

今年もツバメが巣を作りました。子育ても、もうそろそろ終わりです。今年は三羽のヒナが巣立そうです。。最初は四羽いたのですが、巣から落ちてなくなってしまいました。自然といえ、生存競争を勝ち抜くのは大変なことです。

 三羽のヒナたちが親ツバメの運ぶえさを求め黄色いくちばしをいっぱいに広げて鳴く様子が見られます。にぎやかな、なき声に子供た軒下の巣を眺めながら、親ツバメがヒナにえさをやる様子を興味深かけ゛に眺めています。そして、どの子も、「お母さんがごはんをやった。」「お母さんがエサを口に入れた。」とその様子を私に伝えにきます。

 ツバメは、本能で子育てを行っているだけかもしれません。しかし、それを見る子供たちが、自分と母親の関係としてそれを擬人化してとらえること、それが子供たちの心の中に人間としての温かさや思いやりの心が育っているのではないでしょうか。うれしくなります。

 ところで、幼児が物や動物を擬人化することができるようになるのは何歳ごろからだろうか。擬人化する以前に、母親あるいは父親と子である自分を認識することができるようになるのが前提であろう。しかし、それよりも、親や家族等、幼児に影響を与えるものが、それを認識できるよう、声かけや実際に自分で触るとを体験させる事が大きな部分を占めるのではないだろうか。「人は、人の中でしか人にはなれない。」ごく当たり前のことだけその通りだと思う。いかに環境が大切か。

 数日後、ヒナが巣立ち始めました。ある朝、登園して巣をみるとヒナは二羽になっています。一羽は確かに巣立ったのでしょう。その後も見ていると巣のヘリに逆向きに立ち、羽を巣の外へ向け羽ばたかせているのです。まだ羽は完全にはえそろってはいないようです。飛ぶ動作を繰り返してはまた巣に戻っています。思わず頑張れよと声をかけてしまいました。   
 


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