第2回日本医療マネジメント学会愛媛県支部学術集会特別講演要旨
特別講演「医療マネジメントで目指すもの」
札幌社会保険病院院長 秦  温信先生

医療マネジメントで目指すものは、経営における質と医療における質の向上であろう。DPC環境下においてもこれらをいかに安定的に維持して行くかががますます病院に求められてきている。経営における質の向上についてはコスト管理によってその効率性や妥当性が検討され、医療における質の向上については臨床指標や患者満足度によって検討されている。われわれは全社連定点観測システムのデータを用いたベンチマーク分析によりDPCの評価について共同研究を行ってきた。その結果、DPCデータから得られる原価計算や臨床指標のベンチマーク分析によって標準的治療計画すなわち標準的クリテイカルパスの立案が可能と考えられた。この標準的クリテイカルパスはチーム医療によってより有効に具体化されると思われる。また、これらの検討からもたらされるデータの蓄積によってDPCのシステムとしての評価も可能と考えられた。
 平成23年11月6日

第2回日本医療マネジメント学会愛媛県支部学術集会