第2回日本医療マネジメント学会愛媛県支部学術集会ランチョンセミナー要旨
演題名「電子カルテの利点を上手く利用していますか?」
広島市立安佐市民病院 外科主任部長 平林直樹(ひらばやしなおき)先生

電子カルテの導入は避けて通れない課題であり、今回の震災を例に見ても紙カルテでは災害の際に医療情報が上手く活用されなくなる可能性が高い。内閣府では医療とITの中で患者基本情報、投薬内容、情報提供書等について電子化を行う方向で事業が展開され始めている。電子カルテの利点は瞬時にデータを共有できることであり、欠点としてカルテを俯瞰することが出来ず、データ検索が困難である(当院では記述記載は検索不能)点がある。また、データの共有化が直接医療安全に繋がる訳ではなくいくつかの仕組みが必要であり、得られた臨床データを蓄積するためには集めたいデータの整理が必要である(コンピュータを使う事とデータが集まる事は異なる)。CPについてもデータの解析なしに医療の質向上にはつながらない。当院での6年間の電子カルテ利用から見えてきた問題点と改善点を紹介し電子カルテの上手な利用法を探っていきたい。
平成23年11月6日

第2回日本医療マネジメント学会愛媛県支部学術集会