句集「うすずみ」七号
 
 薄墨桜観桜記念俳句ポストへご投句いただき、ありがとうございました。
今年は、句集「うすずみ」発刊以来七年目に
当たりますので、七号としました。
 花を愛でる人々が、年と共に増えて来ました。豊かな心が、人生を社会をますます楽しいものへと発展することを願っております。この句集は選句集ではなく、投句された全てを日記風に編集いたしました。
  松山地方の桜の開花情報が発表されるや否や、「薄墨桜はどうか、何時頃咲くか」と、問い合わせの電話があります。最近は、インターネットに西法寺のホームページを開設し、最新の桜の情報など発信していますので、遠地の方も見頃に合わせて観桜されるようになりました。
 
 平成十二年四月吉日  薄墨桜の西法寺 住職 薄墨 賢衞(快風)
 今年は、二月三月の気温が低く昨年より開花が少し遅くなり、俳句ポストの投句も四月四日よりぽつりぽつり始まりました。

4月4日(火)
西法寺境内の開花状況
 

   「陽光」・・・・・・・・満開となる
   「そめいよしの桜」・・・五分咲き
   「西法寺桜」・・・・・・二分咲き
   「おおしま桜」・・・・・一分咲き
   「薄墨桜」・・・・・・・つぼみ

4月4日(火)
花冷え
 

 今年また逢えて嬉しき初桜     桜 華
 
 花冷えの山より子らの走り出づ   快 風

4月5日(水)
花曇 

 みちたりて桜の門を出でにけり   宝来 汐路
 
 夜べのなごりいまだ残れり朝桜   宝来 汐路
 
 明日は咲く薄墨さくら紅のせて   山口 文子

 大寺の礎石は遺物春しぐれ     山口 文子     


4月6日(木)
晴れ 観桜者多し
 

 山王社斜めに降りるしゃがの道   室  展子 
                       
 薄墨桜かたきつぼみや花の園    鈴木 房子 
                       
 うぐいすの鳴く声やさし西法寺   京都市 窪田千代子 
                     
 一山を染めし桜の西法寺      永野 紀子
 
4月7日(金)
薄墨桜開花 大島桜満開
 

 鶯の二山かけてラブソング     快 風
 
4月8日(土)
晴れ 観桜者多し
花まつり(甘茶の接待あり)
 
 薄墨の一輪咲いて春を呼ぶ     高川 秀子
 
 薄墨の色と見まごう想いかな    池内真希子

 薄墨の桜が咲けば父命日      重松美智子
 
4月9日(日)  晴れ 薄墨桜まつり
 演歌歌手の石上久美子さんが、薄墨桜まつりに特別参加し、演歌「薄墨桜」を披露し参加者を楽しませた。  
 
 老いの身もうすずみ桜たのしみて   坂井 春香
 
 うすずみを栞に君へ春便り      松田 眞造
 
 薄墨は君のえくぼの噂かな      松田 眞造
 
 老僧も浮かれて一ト日花浄土     快 風
 

   薄墨桜観桜の感想

 薄墨桜花のように心しずかに、
 静かに暮らしたい           日下 許子

 薄墨桜を一目見て伊台の人の
 ようすがよくわかり          日下 龍二
 
4月10日(月)
花の雨
 天台宗ご詠歌の研修会場となる
 
 ご詠歌のまろやかなりて花の寺      快 風
                   
 やわらかい春雨に打たれ花開く      中学生 松浦 晴彦
                    
 水まとい日を受け光る八重の花      松浦 晴彦

4月11日(火)
晴れ 観桜者多し
 
 碧空の薄墨桜寺に参り来ぬ        川口 恒善
 
 鮮やかに山を彩る花の雲         松浦 晴彦
 
 また一つ風情加える青葉かな       松浦 晴彦

4月12日(水)
晴れ テレビ朝日が取材
  放映は四月十三日の予定
       伊予十二薬師の縁日なので参拝者があった。
 
 桜見のこころさわやか・・・・・      中村 晃
 
 強弱の風にひたる飛花落花         畑山 英司

 飛花落花蝶の乱舞に見まごうや       畑山 英司


4月13日(木)
晴れ 観桜者多し
   テレビ朝日放映

 薄墨の桜自慢や伊予訛           八塚 葵外
 
 伊予路来て桜名所の西法寺         八塚 葵外


4月14日(金)
晴れ 薄墨桜満開
NHK放映(ビデオ提供は菊池ちえ子氏)
                 
 薄墨の匂いただよう西法寺         岡本 大三
 
 散り際に間に合い薄墨桜かな        氏兼 泰子
 
 鶯の声につつまれ西法寺          八塚 葵外
 
 競い咲く大島・薄墨桜かな         大塚 泰子
 
 新任地薄墨桜と人情と           小野 千秋
 
4月15日(土)
花嵐
 

 やっとあえた薄墨桜またきます       村上 帛子
 
 夕桜一ひら火袋明るくす          島川 允子
 
 夕桜乾けばたたむ膝の上          島川 允子
 
 夜の桜女に生まれて来しよろこび      島川 允子
 
 花吹雪ポケットにない服の不安       島川 允子
 
 落花舞ひつむじとなりて宙にあり      快 風
 
 
4月16日(日)
快晴 観桜者最も多し
 

 うすずみのいろあせてなおうつくしき   只信
 
 遅咲きの薄墨桜背に祈る         向井
 
 風に揺る薄墨桜空にとけ         山口 文子
 
 夕光に薄墨ざくら葉の光         山口 文子
 
 浄水のくむ所なし花いかだ        加地 勝山
 
 春風の菩薩の頭に桜の葉         鎌田 靖幸
 
 我が娘薄墨桜の花の様          鎌田 靖幸
 
 うす墨の花うららかに里のはる      平松 義晴
 
 古き佳し桜に託す恋心          平松 義樹
 
 花吹雪いにしえ思ゆ夢追い人       平松 義樹
 
 
 
  特別投句  薄墨俳句会
 
  地元の伊台地区には明治の昔より薄墨俳句会が結成されて今日まで続いております。今回は、「うすずみ句集」 に特別投句いただきました。


 歌手も来て沸き起つ寺の花まつり   松本 八起

 花の城明治衣装で案内され      野本 綾子

 忘れ傘枝に掛かりて花月夜      名本 敦子

 花万朶来世のあるを信じたし     松本多津子

 落花舞ふ校門閉ぢしその当たり    景浦 高塔

 眠たげに水車廻りて桜散る      是沢 賢二

 花見頃人こみ合へる弁当屋      宮崎スマ子

 小康の身をささえつつ花句会     築山 英子

 花の山うごく物なし晴れ渡る     薄墨 快風
 

 【編集後記】
 吟行とか観光などの俳句作りは、その場で、しかも限られた時間内であります。投句後に推敲して、いい句になることもあるでしょう。
 しかし、その場で観たり、聴いたり感動したことを新鮮な感覚で五・七・五の言葉で作る句には、それなりに味わいがあります。この句集は『とれたて』の句集です。
 西法寺は四季通じて静かな環境ですから、いつでもお気軽にお立ち寄りください。
 
   季が来て時の花咲く寺の春  快 風
 
                               平成十二年四月二十二日