句集「うすずみ」八号
 
 薄墨桜観桜記念に感想や俳句をご協力下さりありがとうございました。
 今年は観桜者が例年より多かったようですがそれだけに人々の動きも早く、
ゆっくり休んだ
り、うすずみ桜を見ての感動を、五・七・五の俳句に
まとめるゆとりがとれなかったのではな
いかと思われました。
 この句集は、特定の人の選句されたものでなく、投句そのままを日記風に
編集しました。
 中には感動のあまり感想のことばそのままを投句された方もありました。
小さいお子さんか
ら、お年寄りの方までご協力いただきましたので、
内容の豊かな句集となりました。
 
 平成十二年四月吉日
   薄墨桜の西法寺住職 薄墨賢衛(快風)


 芸予大地震が三月二十四日に起こり、松山地方は震度5強の激震に襲われました。下伊台町は多くの被害が出ましたが、当西法寺では軽少ですみました。大地震の恐怖もまだ消えないが、境内には桜のつぼみが膨らんできました。
 

四月四日(水) 晴 薄墨桜 二分咲き
 薄墨の桜を訪ね二人ずれ      松山 石丸 認
            
 さくらはね心を写すいいお花   松山 吉本 彩花
 
 いにしえの薄墨桜を今日に見ゆ     匿 名
 
 甘茶椀に薄墨桜散り受くる    松山 渡辺 浜枝
 
 恋人に会ふごと桜慕ひ来て    松山 宝来 汐路
 
 今年また薄墨桜まみえたり    松山 宝来 汐路
 
 みちたりて桜寺園を出でにけり  松山 宝来八重子
四月五日(木)晴 観桜者多し

 よこのやまさくらがさいてるまんかいだ 
                 松山 古川 美佐
                  
 西ほう寺薄墨ざくら花ひらかん  松山 古川宗太郎

四月六日(金)晴

 薄墨の桜に祈る事多し      松山 岡本 恵女
 
 満開の日を又訪ねんと佇つ桜   松山 岡本 恵女
 
 師の句碑を拝し薄墨桜に佇ち   松山 野間須幾久枝
 
 三分てふ薄墨桜に佇ってをり   松山 野間須幾久枝
 
 貴婦人を思わせるような薄桜   松山 熊井鹿太郎
 
 水音して瑠璃光如来花の中    松山 松浦 虎雄
 
 千年の桜見て来し礎石かな    松山 松浦 虎雄
四月七日(土) 晴 薄墨桜 八分咲き
 
 さくらさくさくらがちってひなまつり
                 松山 大野 志穂
 白重ね大島桜香りけり      松山 快 風
 

四月八日 晴 釈迦誕生日 甘茶の日
 
薄墨桜満開となる
 そめいよしの桜散り始める 

 うすずみのひかりかがやくみんなのめ
                 松山 船田キヌ子
 尋ねゆく寺薄墨の桜かな     松山 仙波 淑子
 
 訪ふ寺や薄墨桜紅ほのか     松山 仙波 淑子

四月九日(月)雨

 薄墨の寺にうすずみさくら咲く  松山 大越いつ子
 
 本尊は瑠璃光如来さくら散る   松山 大越いつ子
 
 鐘の音やうすずみざくらを真うしろに  大越いつ子
 
 薄墨のさくら花散る如来堂    松山 大越いつ子
 
 たそがれて落花のひらひら又一つ 松山 快 風
 
 落花受く礎石匂ふや千古の景   松山 快 風
四月十日 (火)晴

 よく廻る水子地蔵の風車     松山 新家 豊子
 
 一杓にががよひ給い甘茶仏    松山 新家 豊子
 野仏の上に花散る風の中     松山 大塚 康子
 
 散る花の中の昂りおさえつつ   松山 大塚 康子
 
 薄墨の手洗いに浮く花筏     松山 大塚 康子
 
 青空のもと薄墨の花盛り     松山 大塚 康子

四月十二日(木)晴 NHKニュースに薄墨桜が放映された
  (ビデオ撮影者 松山の菊池チエ子氏)

四月十三日(金)晴 昨日のニュースを見た人々が一日中三三・五五と
訪れる今年最後の名残りとして観桜する

 これがまあ終の桜か花吹雪       石崎 清
 
 うすずみの花の香嬉し友と来て 松前町 田中美和子
 
 師にまみゆ如く尋ねて余花の句碑 北条 児玉 千鶴

四月十五日(日)晴   薄墨桜まつり
葉桜の下で花筵を拡げ約二百人が宴会に参加しま
した。今年の花が早すぎたのと、公民館の行事の
都合で異例の残花のお花見となりました。・・
この日は松山等各方面から、一目でも残る花を
見たいものと三三・五五と観桜者がありました。

四月十六日 (月) 快晴

 雀らと花しべ舞ひて屋根の上   松山 源 和子
 
 西法寺うすずみ桜しかと見る   松山 森田 ひ
 
 薄墨の若葉にはえる残り花    松山 楢井 晶子

四月十七日(火)曇後晴 付属中学校三年生が遠足で薄墨桜を観桜する

 長き道歩いて出会う薄墨桜  附属中三年 永井 遼斗
 
 葉桜の薫り沁みたり櫛の色    仝   兵頭照多郎
 
 うすずみの古き轍や春の空    仝   兵頭照多郎
 
 長い道つけばそこには残花あり  仝   合田 恵祐
 
 春先の思いで残りし遅桜     仝   長谷 武志
 
 薄墨の命つなげし残花哉     仝   附中 伸
 
 千年の命抱いて残る花      仝   附中 伸
 
 残り花散りゆく桜あわれかな   仝   濱田 成規
 
 史を聞いて歴史をたどる残る花   仝    神田 和郎
 
 薄墨の散りし残花に思いはせ   仝   辻本 祐典
 
 残り花味わい深き鳥の声     仝   上田 紘嵩
 
 花散りてほのかににおう桜の香  仝   村上 和正
 
 ふりむけば残花さみしき薄墨の花 仝   松岡 祐樹
 
 薄墨の桜散る時道染まる     仝   片岡 崇志
 
 桜舞い新ため顔と残花たち    仝   津島 真吾
 
 西法寺すぐ目につく薄墨桜    仝   菊池 臣起
 
 春終わり花無き桜わびしさや   仝   勝野 洋平
 
 昼下がりかすかに匂う残り花   仝   田頭 亮臣
  
 遠足の疲れを癒す残る花     松山  越智 誠二
 
 薄墨の水面に映る残花かな    松山  十三 不塔
 
 薄墨の残花美くし桜かな     仝   十三 不塔
 
 西法寺散りゆく桜恋の色     松山  東西南北


編集後記  平成十三年四月十七日
 観桜俳句ポストを今日で締切りました。それは
 遠足に来ていた附属中学生が帰った直後のこと
 でした。
  俳句ポストには十九人の投句がありました。
 中学生の感受性の豊かさと表現力のすばらしい
 ことに感心しました。わずかの時間での句作と
 投句のご協力に感謝します。   山主合掌