薄墨桜「俳句ポスト」95
(平成七年度分)

 四月五日
 名にしおふ 薄墨桜は まだ蕾

 立町たかし
 四月八日
 梵鐘の ひびきに桜 日和かな

 富久 博美
 四月十日
(薄墨桜開花)
 四月十一日
 薄墨や 春さす紅の きめかねて

 森田 陽子
 四月十三日
 忙しき 農事一日を 花人に

 薄墨 美沙

 鶯の 出迎えありし 句座の寺

 薄墨 快風

 桜守り 名花の由来 流暢

 宇和川喬子 

 観桜や 老いを恥じらう 母を連れ 

 松岡 臥龍
 四月十五日
 薄墨の 由来読みを 花の下

 山本 義久

 蕾から 待ち待ち今日は 花満ちる

 好武
 四月十六日
 春がきた お寺の桜 きれいかな

 和田 佑一

 平安の 時を偲ばす 桜かな

 神野 典子

 十六弁 知りし名花の 桜かな

 志摩  渚

 乳母車より 手を伸ばす 桜かな

 林  一乗
 四月十七日 
(薄墨桜満開)
 四月十八日
 薄墨の 花散り敷くを 浄土とも

 重見チエ子

 懐かしき 人と会いたる 花の下

 大野  南
 四月二十日
 願わくば 薄墨の 花見る頃 逝きたし 

 門田 澄江
 四月二十一日 
 掃くあとへ 新しく散る 朝桜

 薄墨 美沙

 散る桜 諸行無常の 悟りあり

 薄墨 快風
※ 平成七年の薄墨桜は四月十二日から二十二日まで、近年にない花期の長い年でした。