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科学者をめざす女性に

 このほど、イギリスで初めてノーベル賞を受けた女性科学者(生化学者、化学者、結晶学者)、ドロシー・ホジキンの生涯を描いた伝記『ドロシー・ホジキン 女性ノーベル賞科学者の人生』の翻訳が出ました。
 ドロシーは1910年生まれで1994年まで生きた人ですから、はるか昔の人、というわけではないのですが、英国内ですらその名を知っている人がそう多くなかったのは、彼女自身が自己宣伝をしたがらない性格で、自分の人生がさらけ出されることを好まなかったためのようです。
 この本の原著は、彼女が亡くなった4年後、科学ジャーナリスト、ジョージナ・フェリーが遺族の協力を得、残されていた手紙など多くの資料をもとに書いたものです。
そして、日本で初めて彼女を知ることができるこの本は、「特に、科学者をめざす女性にぜひ読んでほしい」という二人の訳者の熱意によって完成しました。愛媛大学で生物工学の研究者だった田村実氏と、同大学の国際連携推進機構教授だったルース・バージン氏です。
 戦争、病、気候変動、飢餓など、いま世界で起きているさまざまな出来事に、科学者はどう向き合うべきなのか、彼女の生涯を知るにつけ、深く考えずにはいられません。

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