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現役生のことば

 私たちは今、コンクールに向けて自由曲(通称)ダフクロ、もとい「ダフニスとクロエ」という大曲に挑んでいます。六年前にも我が団体で演奏されたこの名曲は、管弦楽の魔術師モーリス・ラヴェルにより作曲されたバレエ曲です。
 まず木管楽器によって繰り返される繊細な十二連符(木管群はこの楽譜いっぱいに埋め尽くされた恐怖の十二連符たちに日々悩まされている。)と低音楽器による三連符の波、そしてクラリネット、笛の小鳥たちはさえずり始め、「夜明け」を迎えます。そうして高らかな八分音符の合図とともに、執拗に繰り返される三連符のリズムをともなう、四分の五拍子というそれだけで譜読みを投げ出したくなるような譜面の「全員の踊り」。(すでに指揮者が演奏中に気が狂って跳び跳ねる始末。)今年は一年生を交えた55人で、そんな難曲&名曲である自由曲「ダフニスとクロエ」そして課題曲X「南風のマーチ」を演奏します。
 どちらの曲も一筋縄ではいかず、三年生は受験、一年生は慣れない学校生活、二年生は中だるみ(←オイ)と戦いながらコンクールに向けて日々練習に励んでいます。私たちの目標はもちろん全国大会のステージ。しかし、それを超えた、聴いてくださる人々の心を揺さぶるような、そしてお世話になっている方々への恩返しになるような、そんな演奏をするのが一番の目標です。
 また、今年は音萌の会の一員でもある東高国語担当教員のマエストロAKUこと阿久津知先生に指揮をしていただいています。阿久津先生をはじめ、たくさんのOBの方や講師の先生方に指導していただき、共に音楽ができることは、わたしたち現役生にとって何よりも大きな喜びです。

 ところで、昨年度のアンサンブルコンテストではさまざまな方のご指導、ご支援のもと、木管三重奏が全国大会に出場することができました。また、その際に集めてくださった支援金は今後の活動で大切に使わせていただきます。本当にありがとうございました。(すでに、空き缶を支えにせざるを得ないコントラバスや、蛍雪時代<進路のためのとんでもなく分厚い冊子>を下に敷いて高さを調節せざるを得ないバスクラリネットというとんでもない楽器を救うべく修理費に使わせていただいたり、ホール練習のために使わせていただいています。)

 勉強に、行事に、恋に、そして音楽。

 そんな青春を謳歌できるのはこの東高だからこそであり、そんな風に過ごせるのは音萌の会の方々をはじめとする多くの人の支えのおかげに他なりません。これからも、音楽ができる幸福をかみしめ、よりよい演奏をめざしていきます。




 

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