手足口病情報

 乳幼児の間で主に夏に流行する「手足口病」に伴う脳炎などで死亡するケースを防ぐため、厚生省は28日、監視体制を大幅に強化することを決め、都道府県などに通知した。手足口病には有効な治療法がなく、国内で昨年夏に3人が死亡している。同省では全国のすべての医療機関に対し、手足口病の重症患者を診察した際には保健所に通報するよう指示、感染の拡大防止に素早い対応が可能な体制を整えることにした。
手足口病は、1960年代後半から国内でも患者が目立つようになり、3、4年ごとに流行を引き起こしている。95年には患者は10数万人に上る大流行となり、今年もこれに匹敵する勢いで患者が増えている。
 通常は1週間ほどで回復するが、中には脳炎や急性まひ、呼吸不全などに陥る重症例があり、国内では93年に富山県で1人、昨年夏に大阪府内で3人の死亡が報告された。
 さらに、マレーシアで昨年、34人が死亡し、台湾でも今年4月以降、確認されただけで55人が死亡している。

(平成10年7月29日)−読売新聞から

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