|
TEN ANSWERS FROM |
1993/SEP |
。 | ||
|
||
|
||
スコットサマーズという選手が、まだ日本国内のオフ誌ではほとんど無名に近かった頃、XR600を所有していた 僕にとって、海外誌で知る彼の活躍は驚嘆の連続であると同時に、実に不可解な出来事でもあった。
何故なら、彼が駆るレースマシンは過酷なウッズライディングを強いられるGNCC(グランドナショナルクロスカントリー) のなかでは唯一の、重くて大柄な、同じXR600だったからである。彼を迎え撃つフレッドアンドリュースや、ランディー
ホーキンスをはじめとする、その他強豪達のマシンはどれも、軽量・パワフルな2ストロークマシンだ。 それに比べ このモデルは、オフ車の性能を語る上でひとつの要でもある車重の点だけでも約30KG近くもヘビーであり、 絶対的なパワーの部分でもかなりの開きがあった。ましてやGNCCという極めて特殊なレースフィールドを 考慮すれば、XR600は明らかに場違いの代物と言ってもよく、勝算は何処にもないと考えるのが順当だ。 だから当時の僕には、彼の選択と挑戦が無謀なものとしか思えなかったのである。ただ、前例がないだけにその分 新鮮で強い興味を抱いてはいた。が、正直言って変わりもんがいるもんだ、という印象はどうしてもぬぐえなかった。 それは本場アメリカでも同様で、彼のこの果敢なチャレンジは、当初、好奇の目と冷笑をもって迎えられていたようだ。 ところが、2年目のシーズンが中盤に入った頃からサマーズは、大方の予想に反して、次第にポディウム(表彰台)の 中央に上がり始め、結局、最終戦で遂に初のタイトルを獲得してしまった。 それもGNCC史上初の、4ストロークマシンによる制覇である。 それまで頑なに2ストロークが圧倒的に有利という、 一種の「天動説」を信じていた人々の目からまさに、ウロコが落ちた。そして、この僕も。 どんなジャンルにおいても、才気溢れるだけに留まらず、型破りで、それ故に独特の光彩を放つ者がいる。 そして、彼もこの種の、ひときわ強い求心力を備えた、「異形の存在」と形容できる人物の一人である。 しかしそれにしても・・・このスコットサマーズという男は一体、何者なのか? どうして「XR600」でなければいけないのか? ある日、USAの 「DIRT BIKE」誌をめくっていて、サマーズの特集記事を見つけ、僕の目は思わず釘付けになった。 どうやらそこには、彼がその輝かしい戦績をもって実証した、重大な「ナゾ解き」の手掛かりとなりそうなことが 詳しく書かれてあるようだ。これは見過ごすわけにはいかない。 そして数あるオフロードバイクのなかで、僕と同じようにあえてXR600を選んだ見知らぬ我が同胞達(?)に これを伝えずに何としよう!稚訳拙文を衆目にさらすことも顧ず、とにかく書いてみることにした。 |
||
YOICHI MARUKAWA |
||
|
||
スコットサマーからの10の回答 [
DIRT RIDER:USA 1993]
Q1:4サイクルマシンに乗る最大の利点はどこにあるのか? Q2:4ストロークで戦うことに決めた最大の理由は何か?
Q3:君は2サイクルで速く走ることはできないのか? Q4:ハンドルをかなりカットしているみたいだが?
Q5:エンジンは本当にノーマルなのか?
Q6:どうやってエンジンを素早く始動させているのか?
Q7:転倒でオーバーフローした場合は、再スタートをどうやっているのか?
Q8:車重があるのは不利じゃないだろうか?
Q9:STDのタンクでどのくらい走れるのか?
Q10:どんなサスペンションのセットアップが好みなのか?
|
||
|
||
スコットサマーズ経歴 氏名 :Scott Summers 生年月日 :1967年3月25日 住所 :Kentucky Petersburg 身長 :185cm(6'1") 体重 :79Kg(175lb.) 学歴 :北ケンタッキー大学に2年間 レース歴 :7才から(5才で乗り始め) 趣味 :ジェットスキー、水上スキー、テニス トレーニング方法:ランニング、スキンダイビング、自転車、モーターサイクル 主なレース成績:1988 Baja1000 総合3位(チームXR's Only) 1989 AMAライダーオブザイヤー、ISDE ゴールドメダル 1990 AMA スポーツマンオブザイヤー、 AMA ナショナルへアースクランブル & GNCC チャンピョン 1991 AMA ナショナルへアースクランブル & GNCC チャンピョン 1992 AMA チャンピョン |
||
|