吹寄せ第2弾!「吹寄せ1」より少し小振りであるが、黄銅鉱の結晶が大きく、濃い黄金色に光り輝き、とても見栄えがしている。ルーペを用いると四面体を主体として、八面体や十二面体に属するような複雑な構造の片鱗を垣間見ることができる。岩崎重三博士も、その著「銅」の中で、「・・黄銅鉱は結晶せずして塊状をなすを通則とす。然れども其結晶するや其複雑の形態を現はし鉱物学者なる頭脳を悩ましむること多し・・」と述べている。正に変幻自在、森羅万象の自然界の神秘である。最近は「群論」を用いて統一的な記述が進んでいるが、私は昔、タバコを吸っていた影響か?空間構築がとても苦手である。晶系の説明の項になると、いつも頭痛がして飛ばしてしまうか眠ってしまうかしてしまう。やはり「愛石趣味」に止まらざるを得ない悲しみを感じている今日この頃である。
「吹寄せ」は黄銅鉱の結晶であるから銅含有量は40%近くに達し、輝銅鉱や斑銅鉱についで高品位な最優良鉱である。浮遊選鉱にかける必要もなく、そのまま溶鉱炉直行が約束されているが、稀少品でもあり、溶かしてしまうのは本当に惜しい自然の芸術品である。閉山後は絶産となり、最近は鉱物専門店でもお目にかかれることは少ないが、新居浜近辺では、マイントピア別子(観光坑道内)、別子銅山記念館、東平記念館、西条市郷土博物館などに展示されているので、ぜひご上覧あれ!