市之川鉱山精錬所(北浜)
市之川鉱山には、明治から大正にかけて二つの精錬所が設けられていた。
一つは本陣川河口にあった北浜(川口)精錬所、いまひとつは古川の土場にあったものである。
古川の土場は早くに廃止されたが、北浜精錬所は大正時代になっても盛んであった。
大正6年刊の「株式会社市之川鉱山ノ現在及将来」にも黒煙を上げる精錬所の写真が載っている。
美しい石鎚を背景に、河口に聳える大煙突は、海上からの良いランドマークタワーとなっていた。
写真右側の煙突2基がそれで、海上から写されたものは極めて珍しいと思われる。
ちなみに人力車は、汽船からの艀代わりに利用され、遠浅の西条では風物詩のひとつであったという。
裏面のスタンプには、大正8年7月21日の消印が押されている。