市之川鉱山精錬所(北浜)
市之川鉱山の絵葉書は、小生が確認する範囲では極めて少ない。
鉱山全景や選鉱所など市之川地区に関するものは皆無である。
今残る「株式会社市之川鉱業所ノ現在及未来」の写真も写真集であって絵葉書ではない。
この写真も、西条市の名所絵葉書にたまたま写っていたものである。
本陣川の河口左岸に大煙突2本があり、かすかな黒煙が上がっているので、稼行中であることがわかる。
鉱山自体は、何度か栄枯盛衰を繰り返したが、北浜の精錬所は、明治26年頃建設され、
明治、大正期を通じて使用された。精錬技術は良好で、反射炉7基、精製炉4基、溶鉱炉2基があった。
この写真も大正年間撮影と思われるが、そうすると市之川鉱山が、大正3年に再開して
大正7年にふたたび休山していることから、その間の様子を伝えるものと推測できる。
絵葉書の発行所は、「西条町 金川書店」となっている。