磁鉄鉱

  

 

 キースラガー鉱床によく見られる磁鉄鉱の普通標本。やや赤っぽいザクロ石の中に小さく結晶状に晶出している。含銅硫化鉄鉱床に伴って塊状、層状に分布するものもあれば、鉱体周辺の母岩および鉱染状鉱中に晶出するものもあり、これは後者に属する。ズリ場でも充分採集可能である。佐々連鉱山には、よいズリ場が残っているのでぜひチャレンジしていただきたいと思う。

 磁鉄鉱は、磁石を強力に吸着はするが、それ自身は針やクリップを吸い付けるほどの磁力はない。しかし、ズリ場の磁鉄鉱に、たまたま落雷などがあると磁性方向の統一がなされて「自然磁石」が生じることがある。これは、あるようでなかなか見られないものである。山口県萩市高山にみられるものは「天然記念物」の指定を受けているほどである。この標本もひょっとして・・・と糸につるしたクリップを近づけてみたが・・・う〜ん、わずかな磁性のみ・・・残念!

 採集時には、転がるあまたの磁鉄鉱にクリップをくっつけてみて、ぜひ、「自然磁石」を発見してくださいネ!