血栓性外痔核
ある日突然または知らず知らず、肛門の痛みや痒みをもった腫れやしこりが生じます。ひどい場合は痛みで座るにも支障が生じます。比較的多い疾患で当院では月に30〜40人程みえます。2回、3回と出来るケースは珍しくありません。4〜5回という人もまれにいます。
血栓性外痔核の発生
1、便秘や長い座位や咳・飲酒・妊娠・仕事等いろいろな原因でうっ血する。(川がせき止められると水が上流にたまるのと同じ)
2、外痔核がふくらむ。
3、圧の関係で血液中の水分が血管から外ににじみ出る。
4、血液の濃縮がおきる。
5、拡張した血管の中で血液が固まり血栓(血まめ)が生じる。
6、血液の流れがとだえる。
7、さらにふくらみ血栓が大きくなる。
8、痛みで肛門に力が入る。
9、静脈の流れが余計に悪くなりうっ血がさらに強くなる。
治療:小さい場合は保存的に。やや大きくなると血栓摘除を行いうっ血を解除し、はれた部分を除きます。
嵌頓痔核
脱出性の痔核がある大きさになって、肛門括約筋で締め付けられると、急激な静脈のうっ血が生じ、激しい痛みを伴う脱出した痔核になります。痛みで座るのも困難ですし、痛みで眠れないことが多いようです。部分的であったり全周性であったりしますが、なかなか中に入りません。排便時の脱出痔核のある人になる傾向です。ネクタイで首を締めあげた状態を想像してください。顔が腫れあがります。がまんすればある程度はよくなりますが、肛門の不快感は残ります。根治手術してきれいに治す事が賢明でしょう。
直腸脱
肛門周囲のさまざまな支持組織(肛門挙筋・括約筋・結合組織)がゆるんで肛門がかなり大きく開き、赤い直腸がその穴から脱出して垂れ下がる病気です。最初は脱肛の様ですが次第に大きくなり、脱出も長くなり手の平で押し込んで元に入れるしぐさをするようになります。ほとんどは高齢者でかつ女性に多い傾向です。便秘・排便困難でトイレの時間が非常に長い人も予備軍にはいります。まれに小児・児童にもみられます。
治療は簡単な手術で済みます。子供は手術しないで排便調整や肛門括約筋訓練して治します。