小雨の降る中、水稲の「悉皆(しっかい)評価」を行いました。
「悉皆評価」というのは、「水稲共済」の損害評価の基礎となる調査です。
後日、「組合評価(抜取調査)」と「連合会評価」があり、簡単いうと一番下の
段階の評価作業です。
3つの部落(自治会)からそれぞれ評価員が1名ずつでて、1つの班を作り
農家から提出のあった「損害評価野帳」に必要事項を記入します。
風水害、干害、雹害、冷害、雨害湿潤害、鳥獣害、病虫害等は「共済事故」の
対象となりますが、「防除用薬剤による被害」や「肥培管理の粗放等による被害」
は対象となりません。
我々が担当してる3部落(自治会)は「農友地区」の中にあり、非常に農業に
対して熱心な地域で「野村町(愛媛県)」の「農業のメッカ」といわれている
地域です。
さすが「肥培管理の粗放」は1件のみでした。
また、台風による倒伏は4件、病虫害(いもち病)は1件という結果でした。
被害件数の少ないもう一つの原因は、「酪農」と「葉たばこ」の土地利用型
農業が盛んで42%以上が転作をして稲作は少ないということです。
心配なのは、この「酪農」と「葉たばこ」がいつまで続くかということです。
「酪農」は輸入依存から脱する展望がひらけず、「葉たばこ」は健康問題.
増税問題で消費が著しく低下しております。
現在新しい作物の導入も行われておりますが、「酪農」と「葉たばこ」を超え
る作物は出現しておりません。
小手先を変えるとそれにともなう投資も増え、農業経営を大きく圧迫してまいり
ます。
「貿易の自由化」「生産と消費」のギャップの中で苦しみながらも「酪農」と
「葉たばこ」で、野村町の「農業のメッカ」を守っていかなければなりません。
そんな事を話しながら、、、3人の「現地評価委員」は作業を終え、分かれて
いったのでありました。