日本と同様「市場原理」を導入し、規模拡大及び施設の近代化の推進を
してきたが、総体的な農業不況の中で大規模経営農家であるほど、経営
収支が悪化しており、反省の声が高まっています。
また、財政緊縮によって農業予算も縮小され農政基調は、いわゆる環境
を重視する国内資源活用型農業の育成に移ってきています。
そして、環境親和型農業が農政方向に適した農業形態でであり、政策の
重みが一層ましているといいます。
しかし、これにも批判的な見解が少なくない様です。
それは、主として技術的な側面からの憂慮であり、ことに有機.自然農業
の技術体系が確立されていないことから、大規模農業経営にまで育成する
には無理があり限界があります。
これも日本と同じであります。
そこで、環境農業を効果的に定着さすためには、段階的な政策の推進が
必要であります。
韓国の主要政策の内容は次の様なものがあります。
(1)主要農業地帯の土壌汚染及び水質汚染の実態調査を行う。
(2)環境要因を考慮した最適施肥法に転換し、ことに作物養分総合管理
システムを構築する。
(3)病害虫総合防除システムの構築によって化学的な精密予知および
経済的予防を図る。
(4)低毒性の微生物農業を開発する。
(5)畜産.糞尿処理ために糞尿資源化の適正モデルを設定する。
(6)ケイ酸質肥料の無償供給などの土壌改良事業を拡大し、農業用資源
の維持及び改良に努める。
(7)99年から導入される環境農業直接支払い制の実施要領を完了する。
(8)有機農産物の流通体制を整備し、都市側の物流機能を強化する。
以上、主要政策の内容ですが、農業と環境の調和を図ることは世界的な
傾向であり、環境保全型農業の更なる発展を期待したいものです。