産業的精神工学

精神工学は、ハーバード大学の心理学教授,H.Munsterberg(1914年)によって唱導された。
彼によれば、、、
「産業的精神工学」は作業と精神とを適合せしめて、労働における不満と憂鬱と失望を払いのけ、人間の社会に
溢れるばかりの悦びと完全な調和とをもたらそうとするものである。」という。

心理学を実際の生活に応用する科学であり、下記の6分野からなる。
(1)社会的精神工学(人間に関する知見,人間の配置,社会的結合,交通,社会共同体の能率など)
(2)医学的精神工学(健康の維持増進を目的とする.優生学,診断,理学療法,心理療法など)
(3)経済的または産業的精神工学(人と作業条件との関係の整備改善,養成,産業福利など)
(4)法律的精神工学
(5)教育的精神工学
(6)芸術と科学の精神工学
.....以上です。

精神工学は、ドイツで盛んに研究された。

F.Gieseによれば、経済的精神工学は経済と労働を対象とするものであって、
次の2つに分類されるという。
(1)主観的精神工学 .....(イ)職業相談.(ロ)職業選択と配置.(ハ)養成.(ニ)人間の扱い方
(2)客観的精神工学 
.....(イ)作業研究.(ロ)作業上の合理化.(ハ)エネルギ経済.(ニ)宣伝.広告等

W.Moedeは、採用.昇進.転任.退職.養成.監督.統率などの、人事管理の問題を研究した。

次回は、「産業合理化」にふれて見たいと思います。


戻る