雪融け

伊予路に降った雪は、長持ちはしない。

一日、太陽が顔を覗かせると、殆どの雪は融けてしまう。
野山に緑が戻り、畑からは野菜や雑草が逞しく自己主張を
始める。

雪融けの水は、あちこちの小川や水路から集まって、大川へ
ドドッと流れ込む。

小鳥達も小枝で、囀りを始める。

家の中で休養していた農夫は、飛び出して野菜の収穫を始める。

総てのものが、眠りから覚めた様に活動を始める。

雪融けは、地球にみずみずしい生命力を与え、春の訪れを
告げる。


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