現代短歌の部屋

初出荷  キャベツ持つ手に  力がこもる 朝陽を浴びし  畑に立ちて
古森(平成17年1月3日)
初出荷  箱に詰めけり  キャベツ玉  個性がありて  収まりきれず
古森(平成17年1月3日)
初出荷  軽四トラック  どっさりと  キャベツ満載  タイヤも凹む
古森(平成17年1月3日)
残雪に  生まれしばかりの  陽があたり  キラキラ光る  分校の跡
古森(平成17年2月6日)
古本の  匂いを嗅いで  探しけり   遠い青春  引き戻すため
古森(平成17年2月6日)
五年前  半分書きし  小説の  続きを書けば  雪解けの音
古森(平成17年2月6日)
グングンと  長いトンネル  抜け切って  伊予路の春を  探しゆく我
古森(平成17年4月4日)
春が来て  青く広がる  大空に  心の隙間  癒し繕う
古森(平成17年4月4日)
春へんろ  無人の駅に  降り立って  これから先は  歩く旅人
古森(平成17年4月4日)
風薫る  焦る事など なかりけり  今日が終われば  明日があるけり
古森(平成17年5月21日)
「葉たばこ」の  芽カギをすれば  風薫る  身軽るくなりて  ほどよく揺れる
古森(平成17年5月21日)
同窓会  名簿を見れば  亡くなりし  二人の友の  想いで辿る
古森(平成17年5月21日)
「葉たばこ」の  収穫休み  久々に  今朝はゆっくり  新聞を読む
古森(平成17年6月18日)
ストレスを  溜めちゃダメだと  思いつつ  タバコ燻らす  朝のひととき
古森(平成17年6月18日)
農に生き  農に遊びて  草むしる  野鳥の声も  澄んで聞こえし
古森(平成17年6月18日)

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