財務政策の科学的手法

財務政策には、シュミレーションを活用すべきことが大切だと言われます。
そこで、シュミレーションとは何か?
何故、シュミレーションが必要とされるのか?
...を述べた後、(a)個別財務政策,(b)総合財務政策,に触れてみたいと
思います。

(1)シュミレーションの意義
シュミレーションとは、政策または仮説をモデルにし、それに含まれている条件や
変数をいろいろと操作して、特定の目的に最も適した変数(政策変数)を決定する
為の実験方法をいいます。

(2)シュミレーションの必要理由
財務政策の適否が判明するには、かなりの時間がかかってしまい、結果が判明した
ときは、既に政策を変更するチャンスを逸している危険がある。
それ故に、財務政策の当該代案が、企業の目的実現にどの程度貢献しうるか否かを
事前に検討することが必要である。
このため、シュミレーションを行って事前評価を行うことが大切である。

(3)個別財務政策のシュミレーション
投資政策や調達政策のシュミレーションは、その典型的なものである。
投資政策のシュミレーションでは、所要の資金を確保出来るという前提のもとに、
各種の投資代案の経済性を評価するのに利用される。
特に複雑な投資案を決定するには、確率を伴った多数の変数が必要とされるので、
これらのあらゆる組み合わせを調べ期待値を導くには大変な労力と時間がかかる。
しかし、これらは、コンピュータを利用することによって解決される。

(4)総合財務政策のシュミレーション
各種の投資代案や調達代案が、利益、資本の構成割合、各種の経営比率の及ぼす
効果を評価するために使用される。

個別財務政策シュミレーションで決められた代替え案の諸変数をインプットし、
これから総合見積損益計算書,見積貸借対照表,資金計画表、経営指標,を
アウトプットする。
そして、全体として最適の政策を選択する。


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