適正マージン

経営の「適正マージン」について考えてみます。

マージンに近い用語といえば、売上総利益がこれにあたるが、売上総利益が多額でも
営業費が浪費されてしまっては意味がないから、真のマージンは純利益で把握すべき
である。

さらに資本主義の世界では、使用資本が問題となるから、一定の資本がどれだけ
純利益を稼いだかが最後の判定基準となる。
よって、マージンには、売上高対売上総利益率を意味する総マージンと、売上高対
税引き後純利益を表す純マージンと、総資本対税引後純利益率を指す資本マージンの
3種類が存在する。
マージンが、真に適正マージンと称されるためには、これら3つのマージンが
ともに適正でなければならない。

総マージンが高いと、販売価格が割高となり、物価上昇の原因となるので、
消費者側からは、総マージンは極力抑えることが必要である。
総マージンを極力抑え、なおかつ高い純マージンが得られていることは、営業費や
税金がことさら切り詰められていることを意味する。
そのため福利厚生が犠牲を受けたり、公害防止や環境保全がおろそかになるなどの
危険が生ずる。

農業.農村を取り巻く状況は大きく変化している。
即ち
(1)兼業化の進展
(2)農業生産力の低下
(3)食料自給率の低下
(4)農産物の内外価格差の拡大
(5)中山間地における著しい過疎化高齢化の進行
この様な状況の中で、健全な農業経営を行うことは極めて難くなってきている。

若者が、希望と目標を持って農業に取り組むには、食料.農業.農村の役割や
位置づけについて、国民的な合意形成が必要である。

農業経営が、企業と同等に適正マージンの議論に参加出来る環境を、早く作りたい
ものである。


戻る