プロローグ 大空への讃歌
第1章 黎明期のイカロスたち
ライト兄弟/ライト兄弟、世界初の有人動力飛行に成功。この瞬間から、空を飛ぶ歴史が始まった
徳川好敏 日野熊蔵/「ヨーロッパに操縦技術を学べ」−明治四十三年、買い入れた外国機が日本の空を初めて飛んだ。
奈良原三次/国産飛行機第毒を製作した奈良原三次。彼の元から多くのイカロスたちが巣立った。
近藤元久 武石浩玻/米国、カーチス飛行学校に学んだ近藤元久、武石浩破飛行機事故で、日本人初の犠牲者に。
滋野清武/フランスの空を駆け、レジオン・ドヌール勲章を受けた名パイロット、バロン滋野
伊藤音次郎/独学と職人技で数々の名機を創り、多くの飛行家と設計者を育てた伊藤音次郎
音次郎の門下生・1 山縣豊太郎/二十三歳で、若い命を散らした天才飛行士、山縣豊太郎
音次郎の門下生・2 安岡駒好/波乱万丈、剛胆な飛行家人生を歩んだ高知県人、安岡駒好
音次郎の門下生・3兵頭精/父の遺志を継いだ、女性飛行家第一号、兵頭精
さいはての空に生きた北海道のイカロス・上出松太郎/上出松太郎、リンドバーグ夫妻を空で出迎え
二宮忠八/飛行原理を発見しながらも、空飛ぶ夢がかなわなかった先覚者、二宮忠八
アート・スミス/空を飛ぶスリルと爽快さで日本人を熱狂させた、青い日の曲芸飛行家たち。
第2章 日本の航空事情
日本と世界の航空の歩み(年表)
飛行学校/各地に登場した飛行学校。教官の死や事故を乗り越え、多くの生徒たちが巣立っていった。
飛行免状/万国飛行免状を取るには洋行しかなかった初期。
日本で飛行家になるにも莫大な費用がかかった。
懸賞飛行大会 話題づくりに一役買った懸賞飛行大会、高額の賞金で民間の飛行家たちを支援した。
有料飛行大会/全国各地で行われた有料飛行大会、移動の際は、飛行機を分解し、列車で輸送した。
郷土訪問飛行/飛行家は、ふるさとが誇る英雄だ! 文字どおり、故郷に錦を飾った「郷土新開飛行」。
飛行場/初の民間飛行場・稲毛、よくしまった砂浜が離着陸に最適の場となった。
定期航空路/大正十一年十一月十二日、定期航路開設。飛行機実用化時代に向けて、動き始めた。
エッセイ 音次郎のバックアップを得て、日本に初めてエアラインを開いた井上長一。愉快な逸話がもたらした幸運。エアライン有償旅客第一号は森永製菓社長夫妻だった。作家内田百けんが進めた学生訪欧飛行、遭難しながらも、訪間者地で歓迎された「青年日本」号。「ミス・ヴィードル」号、太平洋無着陸横断初飛行を陰で支えた日本人。
飛行機の役割と使途の変化/第一次大戦後、飛躍的に実用化が進んだ飛行機。日本の手作り飛行機生産も次第に工業化した。
第3章 私のヒコーキ人生(平木國夫エッセイ集)
飛行機少年から民間航空に材をとる作家ヘー ある飛行家と膨大な日記との出会い
懐かしき「ブー・ガチャン時代」を語る
木村秀政工学博士、伊藤音次郎、平木國夫
空翔けよ!平和の翼 古在由重(哲学者)対談平木國夫
タルホと「ヒコーキ野郎たち」 稲垣足穂との交流
悲喜こもごも取材楽屋話・足田輝一氏追悼 足田氏に託した「空気の階段を登れ」の出版
悲喜こもごも取材楽屋話・追悼佐貫亦男先生 たちどころに書かれた文庫の解説文
写真一枚…古写真が物語る航空史の新事実
かつての上司、フェリーパイロット、清水千波
あとがき |