昭和51年(1976)、朝茅陽子が主演し、好評を博したNHK「雲のじゅうたん」のモデルは愛媛県出身だった。
大正8年(1919)、四国の片田舎(愛媛県広見町)から上京した兵頭精(ひょうどうただし)は、
国産の飛行機が飛んでから十年も経たない頃、 さまざまな苦難を乗り越え、日本初の女性飛行家となった。墜落などの事故と隣り合わせの時代、精は飛行機の操縦に果敢に挑戦した。
しかし、精の名はスキャンダルにまみれ、忽然と航空界から消えていく。
精に何があったのか、その後の精の人生はどのようなものだったのか。そこには、もうひとつの「雲のじゅうたん」の物語があった。
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