[走れ! 坊っちゃん列車]

日本初の軽便鉄道ものがたり
走れ! 坊っちゃん列車
中村 英利子
四六判/142ページ/並製本
¥1200+税

松山の坊っちゃん列車、
乗ってから読むか、
読んでから乗るか、
それが問題だ。

 「坊っちゃん列車」は日本初の軽便鉄道で、夏目漱石の小説「坊っちゃん」に登場したことから、全国にその存在を知られ、ニックネームもつけられたわけですが、誕生の経緯や敷設当時の話、あるいは終戦後、老朽機関車ながら、燃えてしまった電車に代わって市民の足になったことなど、こまかな歴史についてはあまり知られていませんでした。
 『走れ、坊っちゃん列車』は、そうした歴史についてふれたもので、「坊っちゃん列車」が誕生した明治時代から、廃止になる昭和29年までの時代背景や社会状況のほか、平成の世によみがえった経緯についても書かれています。
 また、松山近辺では、鉄道会社の統廃合がひんぱんに行われたため、廃軌道が多いことでは全国的にも珍しい土地柄といわれ、「廃線跡ウォッチング」を掲載して、街なかを路上観察する楽しさも紹介しています。

漱石先生、坊っちゃん列車ぞなもし。

明治21年、蒸気機関車を見たことがなかった人々は、その姿を見て米をまき、かしわ手を打って拝んだ。
しかし、漱石は小さな客車を見て「マッチ箱のようだ」と小説に書いた。
電車の登場で、軽便鉄道の蒸気機関車は片隅に追いやられてしまったが、昭和20年の空襲で電車の大半が燃えてしまい、明治生まれの老朽車は再びお客さんを乗せて走ることになった。
 人々に愛され、親しまれてきた坊っちゃん列車の心温まる話が、いっぱい。

まえがき

機関車、鉄道路線図/市駅付近図/弟子入り/おやまの干物/日本酒/通票/焼き芋 /赤犬
流産/五右衛門風呂

チャンバラ/機関方/運転競技/乗りおくれ/通過/重役様/飛び込み/家出/小便/優勝
フンドシ/炎天下/やまねこ/豆しぼり/脱線/片腕/城下祭/一人運転/賽銭箱/借金取り
賞与/火事/ねずみ/煙突/緋鯉/金一封/力持ち/武士心

あとがき
著者横顔

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