四国に残る「へんろ道」の総距離は1200kmとも1600kmともいわれている。一度に歩くのはやはり「時間」と「体力」、「費用」が必要だ。
しかし、少しでも歩いてみたいという人にお勧めするのが、この本で取り上げた7コース。
四国遍路は1000年以上の昔から、さまざまな人々を受け入れてきた。
古くは修行者たち、そして庶民。
ある人は信仰・修行を目的に、
ある人は人々の願いと望みを一身に背負って、
また、ある人は病気平癒を願って
そして、ある人は虐げられて歩かざるを得なかった。
四国にはそれらの人々が歩いた道が残っている。
「へんろ道」と呼ばれるその道の傍らには
先人たちのさまざまな思いが蓄積している。
この本ではへんろ道を少しでも歩いてほしいという思いを込めて、
現代においても味わいの残ると思われる7つのコースを設定した。
いつかは通しで歩いてみたいと思う方の入門に。
全行程は無理だけど、一部でも歩いてみたいという方に。
すでに歩いた人ももう一度。
季節によって「へんろ道」は装いを変える。
まずは歩いてみよう「へんろ道」。
その一歩から何かが変わるかもしれない。 |