[大洲歴史探訪]

歴史をたどって大洲の魅力を再発見
大洲歴史探訪
(『大洲歴史探検』改題・増補版)
土井中 照
B6判・160P
¥1200+税

古代から現代までの
大洲の歴史をたどるとともに
復元された大洲城の知識を集大成。
大洲再発見のための完全ガイド!!

●合併後の大洲市域の情報を網羅(前長浜町・前肱川村・前河辺村)
●大洲市を身近に感じるエピソードが88も!! 前書から16ページも増えました
●大洲古城跡地図、加藤家系図、大洲城縄張図、大洲市マップも掲載

大洲への誇りづくりのために

 『大洲歴史探検』は、大洲の歴史や人物など、地域に関心を持ってもらいたいという思いから、「えひめ町並博2004」のイベントに合わせて大洲市町並博実行委員会によって発刊されました。おかげさまで予想を超える反響をいただき品切れとなりましたので、今回、大幅に加筆修正を施し、装いも新たに『大洲歴史探訪』と改題し、前著の増補版の形で出版することといたしました。
 今回の改題・増補版には、平成17年(2005)1月11日に長浜町、肱川町、河辺村という肱川流域の三つの自治体と合併して誕生した新しい大洲市の内容を補追しております。
 大洲の歴史を時系列にたどる構成にしようと、史料や人、インターネット、映画などにあたって情報を集めた『大洲歴史探訪』は、大洲で一時期を過ごした中江藤樹にちなみ、知識と行動の伴うことが肝心という意味の「知行合一」を念頭において執筆しました。本書で、新たな大洲市民が[新しいまちの歴史]を学び合うことで、その魅力をさらに高めるムーブメントが起こればいいなと思っています。
 初版の『大洲歴史探検』と間違えてお求めになった方もいらっしゃると存じますが、本書を改めてお読みいただくと、エリアの拡がりによる新しい題材の追加や、文章の全面改稿により、必ずや満足いただけるものと確信いたしております。まずは新しいページを開いてみてください。
 大洲歴史研究の入門編として、わかりやすく解説したつもりです。ここを入り口に興味ある分野をさらに掘り下げ、あなた自身の大洲史を創りあげていただければ、筆者望外の喜びです。

第1章 幼少期の子規
 【子規の誕生】松山ご城下にまんまる顔の男の子が誕生した
 【正岡家の系譜】祖父の佐伯家・大原家は学者を多く輩出した家系
第1章 大洲の歴史
【古代】
 1●大洲の旧石器時代・縄文時代を探る/旧石器時代・縄文時代●
 2●大洲の弥生時代を探る/弥生時代●
 3●大洲に残る古墳時代のしるし/古墳時代●
 4●大洲地方に残る出雲の神の伝説/少彦名命●
 5●東洋一といわれる高山のメンヒル/巨石文化●
 6●律令時代の大洲地方/律令時代●
 7●柿本人麻呂の神社と墓がある大洲/万葉集●
 8●大洲に残る弘法大師伝説/弘法大師●
 9●猟師が見つけた仏像と金山の関係/金山出石寺●
 10●大洲で生まれたとされる海賊大将軍/藤原純友●
 11●大洲で繰りひろげられた源平の戦い/河野家●

【中世】
 12●地蔵ヶ獄城を居城にした守護職/宇都宮氏●
 13●宇都宮家家老・大野直之の下克上/大野直之●
 14●大洲の中世を伝える古城伝説/中世の古城●
   ●大洲古城跡一覧表●
   ●大洲古城跡地図●
 15●治安につとめた小早川隆景の伊予国統治/小早川隆景●
 16●暴君・戸田勝隆の大洲支配/戸田勝隆●
 17●池田秀氏の大洲支配は本当?/池田秀氏●
 18●築城の名手・藤堂高虎の大洲移封/藤堂高虎●
 19●高虎の大洲治世を補佐した男たち/藤堂高吉・渡辺勘兵衛●
 20●朝鮮の高名な儒学者が捕虜になった/姜はん●

【近世】
 21●関ヶ原で東軍に転じた賤ヶ岳七本槍/脇坂安治●
 22●加藤家の先祖と初代藩主・貞泰/加藤貞泰●
 23●大洲藩代々の殿様たち/加藤家●
    ●加藤家系図●
 24●大洲藩が得をした松山藩との替地/松山在番時代●
 25●いざこざもあった新谷藩の誕生/新谷藩●
 26●新谷藩代々の殿様たち/新谷藩加藤家●
 27●大洲で過ごした日本陽明学の祖/中江藤樹●
 28●殿様が招いた名僧/盤珪●
 29●大洲藩の絵師たち/絵師●
 30●大洲藩主の好みの味を探る/お菓子・料理●
 31●大洲藩の文芸/和歌・俳諧●
 32●大洲藩がすすめた武術/槍術・剣術・泳法●
 33●大洲藩で起こった災害/水害・火事・旱魃・地震●
 34●大洲藩の財政建て直し策/財政再建・殖産政策●
 35●大洲藩が推奨した大洲和紙/大洲半紙●
 36●大洲藩の特産品・砥部焼/陶芸●
 37●大洲藩の主力産業だった内子の蝋燭/木蝋●
 38●新谷藩で流行った和算/算額●
 39●大洲藩に多かった農民の暴動/農民一揆●
 40●伊予ではじめての藩校が大洲に誕生/明倫堂●
 41●伊予最古の図書館/古学堂●
 42●伊能忠敬が大洲を測量/大洲測量●
 43●大洲とシーボルトとの関係/蘭学●
 44●日本初の「陰狐疝」手術を行った蘭学医/鎌田正澄●
 45●藩政時代からはじまった舟運/肱川舟運●
 46●民家から見つかった歌磨の版木/喜多川歌麿●

【幕末】
 47●坂本龍馬と大洲との関係1/龍馬脱藩●
 48●坂本龍馬と大洲との関係2/いろは丸●
 49●船にツキのなかった大洲藩/洪福丸●
 50●大洲藩長浜沖に現れた黒船/黒船来襲●
 51●日本ではじめての電信実験成功/三瀬諸淵●
 52●全国に知られた国学者・矢野玄道/矢野玄道●
 53●大洲藩が勤王派となった理由/幕末の藩動向●
 54●新しい時代を迎える大洲藩の行動/幕末の大洲藩●
 55●幕末の憂国歌人・巣内式部/巣内式部●
 56●函館五稜郭を設計した男/武田成章●

【近代】
 57●参事の自決で鎮まった大洲騒動/山本尚徳●
 58●明治憲法の草稿を手伝った賢人/香渡晋●
 59●西洋文化を積極的に取り入れた大洲/大洲英学校●
 60●大洲と西南戦争の関係/西南騒擾事件●
 61●大洲に残る明治の栄華/おおず赤煉瓦館●
 62●臥龍山荘をつくった男と大洲の経済人/河内寅次郎・高山長幸・井上要●
 63●全国を震撼させた大泥棒/強盗亀●
 64●大洲の風景をうたった文部省唱歌/堀澤周安●
 65●シャム国王から勲章をもらった日本人/政尾藤吉●
 66●大洲にもある「マディソン郡の橋」/屋根付き橋●
 67●木造三階建ての温泉施設/小薮温泉●
 68●国鉄より早く開通した大洲~長浜間の鉄道/愛媛鉄道●
 69●日本最古の現役道路可動橋/長浜大橋●

【現代】
 70●徳島がくやしがった「おはなはん」/おはなはん通り●
 71●水俣病を発見した大洲出身者/細川一●
 72●大ヒット曲をつくった大洲出身者/武政英策・中野忠晴●
 73●大洲と鉄道の関係/野口五郎・松本零士●
 74●世界の建築家に選ばれた設計士/松村正恒 ●
 75●鵜飼いと肱川観光/鵜飼い●
 76●スクリーンに登場した大洲/映画●
 77●長浜にあった愛媛唯一の水族館/長浜水族館●

第2章 大洲城の知識
 78●大洲の地名、お城の呼び名/名前の由来●
 79●大洲城はいつの時代に築かれたか?/築城時期●
 80●大洲の町はいつできたか?/町割り●
 81●防御に優れた大洲城/縄張●
 82●四層の天守の秘密/天守1●
   ●元禄大洲城縄張図●
 83●天守のデザイン/天守2●
 84●大洲城の櫓について/櫓●
 85●大洲城改修はいつ行われたか?/改修の歴史●
 86●天守はいつなくなったのか?/天守の撤去時期●
 87●天守復興への道/天守復元の歩み●
 88●復元天守の秘密/天守復元●

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