プラハの石畳 海野 航 四六上製判・168P ¥1300+税
異国の地で心を見つめる短編集
さっきから、ここが日本から遠く離れた異国の地であるという気がしなくなっている。私は二十歳の時から歩き始めた。五十三歳の自分が今ここにいる。一瞬、その間の年月が消え、二つの時がつながっているように感じる(「プラハの石畳」より)。人生の途上で出合う様々な出来事に、自らの思いに、その男は何を考え、どう折り合いを付けようとするのか。外側からは見えない主人公の内面に焦点を当てた九つの連作短篇集。
海野 航 1948年、愛媛県生まれ。1972年、京都府立大学卒業。1975年より2008年まで愛媛県立高等学校英語科教諭。現在、文芸誌「文脈」同人(編集担当)。2009年8月より愛媛文芸誌協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)