[松山城の秘密 新訂版]

城と藩主と城下の基礎知識
松山城の秘密 新訂版
土井中 照
新書判・144P
¥952+税

 2002年、松山城築城400年目の年に発刊された『松山城の秘密』は、おかげさまで予想を超える反響があり品切れとなりましたので、今回、大幅に加筆修正の上、装いも新たにアトラス地域文化新書シリーズの一冊として出版することといたしましたが、今回は、それが売り切れたため、再度の刊行としました。
 加藤嘉明、蒲生忠知、久松松平家と続く松山の藩政を年代順に記すことで、難しくなりがちな城の知識や藩主たちの生涯、藩政時代の人々が織りなす歴史をイラストや図版を多用して、わかりやすく解説しました。
 主な内容は以下の通りです。
 「第1章 お城の秘密」は、松山城築城の歴史を中心に、本丸、二之丸、城下町、それぞれの役割りや建物の機能について説明しました。
 「第2章 加藤嘉明の秘密」は、嘉明の人となりや出世街道への道のり、転封の経緯など、さまざまなエピソードを交えて紹介しています。
 「第3章 蒲生忠知の秘密」は、30歳で死去した忠知の出自や、お家断絶にまつわる伝説などを取り上げました。
 「第4章 久松松平家の秘密」は、15代にわたって松山を統治した久松松平家の歴代藩主の業績や藩の出来事などを掲載しています。
 「第5章 藩政時代が松山に与えた影響」は、250年以上にわたる松山藩政が、今に至る松山人の性格にどのような影響を与えたかを、独断を加えながらさまざまな例を引き合いに実証しています。
 この本が、松山城の価値や松山藩の歴史を知る入門書として、読書のお役に立てれば筆者望外の喜びです。

松山城の章
1●松山という地名の由来
2●策略をはかった松山城の場所選び
3●松山城の陰陽道伝説
4●松山城の人柱伝説
5●松山城の別名は何?
6●普請奉行・足立重信
7●松山城にはリサイクルも行われた
8●城山のみどりの秘密
9●日本三大平山城・松山城
10●平山城ってなあに?
11●天守閣の秘密
12●石垣の秘密
13●壁や櫓の秘密
14●七曲がりの秘密
15●おたたさんの秘密
16●お殿さまはどこに住んでいるの?
17●松山の城下町づくり

加藤嘉明の章
18●加藤嘉明以前の松山支配
19●馬喰からお殿さまへ
20●馬喰時代のエピソード
21●秀吉との関係
22●賤ヶ岳七本槍
23●水軍の将・嘉明
24●関ヶ原の戦いでの加藤嘉明
25●裏関ヶ原・刈屋口の合戦
26●加藤嘉明・藤堂高虎の伊予統治
27●大坂の陣での嘉明
28●仲が悪かった嘉明と藤堂高虎
29●嘉明の会津転封・裏話
30●不肖の息子・加藤明成
31●家臣・佃十成
32●家臣・塙団右衛門
33●嘉明エピソード・負けず嫌い
34●嘉明エピソード・家来
35●嘉明の人となり

蒲生忠知の章
36●蒲生忠知の生い立ち
37●蒲生忠知の先祖
38●緋の蕪と蒲生忠知
39●お家断絶
40●伝説での暴君ぶり

久松松平家の章
41●蒲生家断絶から久松松平家入封までの統治
42●伊予八藩の松山
43●久松松平家の先祖
44●徳川家康との関係
45●初代藩主・松平定行
46●手始めは道後温泉の整備
47●島原の乱への出兵
48●天守閣の改修
49●長崎探題とタルト
50●桑名から伝わった五色素麺
51●二代藩主・松平定頼
52●三代藩主・松平定長
53●流鏑馬のお礼で建てられた伊佐爾波神社
54●四代藩主・松平定直
55●藩財政を潤した波止浜塩田
56●定直の藩財政改革
57●赤穂浪士と松山の関係
58●五代藩主・松平定英
59●六代藩主・松平定喬
60●亨保の飢饉と義農作兵衛
61●久万山騒動と狸
62●七代藩主・松平定功
63●八代藩主・松平定静
64●九代藩主・松平定国
65●小林一茶の松山来訪
66●松山城本丸焼失
67●十代藩主・松平定則
68●十一代藩主・松平定通
69●菊屋新助と鍵谷カナ
70●定通の藩政改革
71●藩校・明教館
72●日本初の物理書
73●藩主が愛した能を伝える東雲神社
74●十二代藩主・松平勝善
75●天守閣復興
76●十三代・松平勝成/一四代・松平定昭
77●足利尊氏の首を抜いた男
78●松山への黒船来襲
79●「ええじゃないか」と松山
80●長州征伐での松山藩
81●たったひと月の老中職
82●竜馬を斬ったといわれた男
83●大政奉還から版籍奉還までの松山

藩政時代と松山
84●徳川御三家と松山の類似
85●官僚体質の松山人
86●松山弁に見る藩政時代
87●お米文化の松山
88●今に続く藩政時代の文化

アトラス出版 〒790-0023 愛媛県松山市末広町18-8
TEL 089-932-8131 FAX 089-932-8131