松山の地に女流自由律俳人が誕生した。
近代定型俳句の聖地・松山に忽然と現れた自由律の女流俳人・千尋。
人間情念の底に深い自然の真実がささやかれ、それはそのままかけがえのない、独りの今日を生き、ここに生かされ、呼吸しながらの解放された自由な世界である。
純粋な基盤に自分を位置づけ、素朴な胸を充たすロマンチシズム。
句は生活であり、人格である。自然の季節は、やがて心の季節となり、肉体の季節となる。目醒める大地を育む太陽の光は惜しみなくそれに注ぐであろう。
十六夜柿の会代表 高橋正治
春宵刻をさぐる指先のたくらみ
私は、常にミステリアスな存在でいたい。
謎のベールを被った女ではありますが、ここに、確かに生きております。作句を始めた30歳頃から40歳頃まで作品を中心に、その年代にしかできないであろうロマンチシズムの追求を、自由に生きるひとりのおんなのつぶやきとして、句集にまとめてみました。
謎は謎として受け止めていただければ幸いです。 千 尋 |