[アクション! 地域を変える8人との対話]

アクション!
地域を変える8人との対話

杉田このみ
A5判・232P
¥1300+税

 愛媛県松山市出身の、若い女性映画監督(映像作家)・杉田このみが、対談集『アクション! 地域を変える8人との対話』を出版しました。
 この本は二部構成になっていて、第一部では、彼女のふるさとである愛媛を舞台にした映画づくりを振り返り、その楽しさや苦労したことなどを綴っています。
 彼女は、松山東高校から武蔵野美術大学映像学科に進み、2000年から故郷や地域をテーマに土地の人たちを巻き込みながら映画づくりを続けてきました。なかでも、親戚の住む睦月島(忽那諸島)は印象的なロケ地で、「こぎいでな」という作品では過疎化と高齢化に悩む島の現実を若者らしい目線でとらえ、大きな感動を呼びました。
 第二部は、映画制作で関わった人たちとの対談集です。
 対談相手は武蔵美時代の恩師で、テレビマンユニオンの取締役でもあるテレビディレクターの今野勉氏をはじめとする、多様な分野の第一線で活躍する8人。太宰治賞を受賞した小説家の志賀泉さん、艦船研究家の奥本剛さん、コスモスナビゲーターの高橋真理子さん、アートNPO主宰者の徳永高志さん、舞踊家の木室陽一さん、コスプレーヤーを援護する園田明日香さん、映像人類学の川瀬慈さんらと、彼らがアクションを起こすまでの経緯をていねいにたどり、きっかけとなったことや、行動を起こしてから直面したことを丹念に聞き取っています。また、映像の可能性や、「映画をつくる」という切り口から見えてくる「故郷」や「地域」とはどのようなものかについても語り合い、未来への展望を探っています。
 タイトルは、映画を撮るときのかけ声「はーい、アクション!」から取ったもの。カメラをひっさげ、果敢にいろいろなところへ飛び込んでいく彼女に、思わずエールを送りたくなる1冊です。

第一部  よーい、アクション! 映画をつくる話
愛媛の映画をつくる 
映画をつくる過程 
一作ごとの発見 
映画制作を地域と教育に生かす取り組み 

第二部  地域を変える8人との対話
今野勉さん[演出家・脚本家]
 テレビディレクターという一生の仕事  夕張で過ごした少年の日々 
志賀泉さん[小説家]
 小説が生まれるとき 見落とされた人々の心を掬い取り、言葉にしていく
奥本剛さん[希少資料艦船研究家]
 戦後七〇年 戦争の歴史と向き合う  史料から見えてくる故郷のかたち
高橋真理子さん[星空工房アルリシャ代表]
 星と人のおもいをつなぐ宙空案内人[コスモスナビゲーター] 
徳永高志さん[アートNPOカコア理事長]
 芸術で人と社会の関係性を変えていく 
木室陽一さん[舞踊家]
 中島に移住し、土とともに生まれる舞踊を創作 
園田明日香さん[NPO法人コス援護会理事長]
 コスプレで社会貢献!? 家庭にも地域にも居場所をなくしたひとりの若者のために
川瀬慈さん[映像人類学研究者]
 カメラを持って世界と向き合う 映像人類学の新地平

杉田このみプロフィール

2013年に制作したドキュメンタリー映画『原発被災地になった故郷への 旅 福島県南相馬市』が映文連アワード2014で部門優秀賞受賞。また、千葉商科大学政策情報学部助教として映像表現についての教育と研究を行う。2007年武蔵野美術大学大学院博士課程単位取得退学。一橋大学情報基盤センター助手を経て、2014年9月より現職。日本映像学会員、環境芸術学会員、情報コミュニケーション学会理事。ビデオジャーナルライター

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