愛媛新聞の月刊誌「アクリート」に投稿された読者の川柳に、八木健氏が絵と解説を加えたのが「川柳アート」。パソコンに付いているペイントのソフトを使い、自己流で描いたものだが、確かに自己流らしく、うまい絵とは言い難い。それなのに、これがなんともいえず可笑しいのは、川柳に込められた辛口のユーモアが的確に表現されているからだろう。
本書は、アクリートに掲載された第1回から110回までの9年分を集大成したものである。川柳は風俗川柳と時事川柳に大別されるが、アクリートは他の柳壇と比べて時事川柳が多いのが特徴で、見ていると「この年には、こんな事件があったな」「あんな出来事が話題になったな」と懐かしく思い出される。 |