哲学の入り口に立つことのできる一冊
本書のタイトルである「Que sais je?」とは、「我、何をか知る(私は何を知っているか?)」という意味のフランス語です。
京都大学で哲学を学んだ著者による論文「『何を知るか』―観念の産出をめぐって―」および、添付論文として著者の恩師・山下正男氏の「西洋論理学史上における『ポール・ロワイヤル論理学』の意味―」をご本人の許諾を得て掲載しています。
巻末の「自然科学史ノート」は、総合的な学術研究という存在であった哲学の原点でもある自然科学の発見の歴史について取りまとめた、京大哲学ゼミの発表内容を掲載しています。
ある程度、哲学の基礎知識をお持ちの方を対象に書かれていますので、一般の読者には難解ではあるのですが、本書を読み進めるためにヒントとなるキーワードは沢山散りばめられており、知的好奇心の旺盛な方にとっては、ある種の「本書を手引きに哲学の入り口に立つ」一冊として活用していただけるのではないかと思います。 |