[所在地]愛媛県小松町〜西条市
[登山日]1997.10.4〜10.5
[参加数]10人
[概要]高瀑から西冠岳付近の稜線に直登するコ−ス。高瀑までは林道と遊歩道が整備されているが、滝の高捲部分は崩壊箇所が多く苦労する。あとは赤テ−プに導かれて稜線までほとんど直登の連続でうんざりする。2万5千分図では、沢に沿って西冠岳西側のコルに至る道が記されているが、これとは異なり実際は支尾根を伝って二ノ森直下に飛び出すので、滝から550mの標高差がある。結構、急斜面であるので雨や視界不良時は注意が必要である。この時期、北斜面を埋め尽くす燃える様な紅葉はこの世のものとも思えない美しさである。稜線からは、二ノ森にゆくもよし、石鎚に歩を進めてもよし、西冠岳に登ってみるのもまた一興である。
[コ−スタイム]
10/4 土居(諏訪神社付近デポ)(7:00)―大成(8:30)―高瀑(12:15)―
…昼食… 発(14:00)―稜線(17:00)…泊
10/5 起床(6:00)…発(7:30)―二ノ森(8:00)―西冠岳(10:20)―
―彌山(12:00)―天狗岳(12:30)…昼食… 発(13:30)―
―成就社(15:35)―下谷(16:30)…入浴… ―土居(18:00)
[登山手記]10月4日、高瀑までは、以前にも登山経験ありそんなにも疲れはありませんでしたが、高瀑の左岸を巻くように急斜面を登り、岩登りに近い所もザックを吊してもらって登るところもあり、大変な悪路でした。樹木が繁っていなければ、恐れをなしそうなところですが、時々、二筋に分かれた高瀑上部が見え隠れして元気が出てきます。しかし、滝の真上に出ることもなく、斜面の急登の連続で次第に疲れてきました。でも、ダケカンバの黄色い林を透かしてみえる、紅葉に囲まれ何ともいえない雄大な美しさの西の冠岳を見ることができ、疲れも吹っ飛んだ感じがしました。とにかく、西の冠岳から五代の別れにかけての北斜面の紅葉は、言葉もないほど美しい。この景色は、このコ−スをゆく者だけのための神様からの贈り物だと思います。夕闇迫る5時、やっとのことで稜線にでました。夜は、よせばよいのに怪談話で悲鳴を上げ、テントの外では風雨が強まって、恐怖心を一段と盛り上げました。「恐いよ〜。」と泣いている人や隣の人にしがみついているチ−フリ−ダ−など、どうしようもない状態でした。翌10月5日は、奇跡的に天候が回復し、まず二ノ森に登ってみましたが、2週間前の“愛媛労災病院山の会”のプレートが残っていて感無量でした。あとは、石鎚山まで縦走し、日帰り組と3の鎖のところで合流し天狗岳まで登りました。ふたたびガスが湧いてきて、天狗岳からの展望はまったくありませんでしたが、とても満ち足りた気分で山を下りました。