[所在地]愛媛県西条市〜面河村
[登山日]1998.4.25
[参加数]4人+1匹
[概要]西の川登山口から”つなの平”を経て土小屋までのピストンコ−ス。雨のうえに終着点が土小屋で、そこの食堂でカレ−ライスを食べて帰ってきただけ、というなんとも締まりのないコ−ス設定であったが、この日を、とても楽しい登山に変えてくれたのはロ−プウェイ駐車場、京屋の飼い犬(かな?)のシロ(勝手につけた名前です)がずっと土小屋まで案内してくれたことだ。途中、「お鍋の岩屋」といわれる転石の洞窟がある。つなの平からは水平道が延々と続きうんざりする頃、国民宿舎「石鎚」付近の駐車場の一角に飛び出す。
[コ−スタイム]
西の川登山口(8:00) ― お鍋の岩屋(8:45) ― 岩原(9:30) ―
― 土小屋(12:30) …昼食… 発(14:15) ― 西の川(16:40)
[登山手記]天気がすぐれないままの見切り発車。ロ−プウェイ利用の登山客は多いですが、西の川に進んでゆくのは私達だけのようでした。ところが、ふと見ると一匹の名犬が、しっぽを振りながらさきさきに案内してくれるではないですか。廃屋の目立つ西の川部落を過ぎ、発電所の鉄橋を渡って、もう引き返すだろうとタカをくくっていたのですが、なんの、なんの。愛嬌を振りまきながらまとわりついて離れません。「お鍋の岩屋」は登山道から分かれて5,6分歩いた御塔谷の川岸にあります。大きな転石が、ちょうど洞窟のようになって、なかはまっくらです。足下には水が流れています。奥には「石鎚山三十六童子」の祠が祀られ、きれいに掃除がなされています。ここは、積善菩薩が修行しながら鍋で自炊していた所と伝え、石鎚山の聖地の一つになっています。ちょっと休んで再び出発。岩原までは、しばらく喘ぎながらの登りが続きます。展望もなく、暗いうっとうしい植林地帯ですが、シロがいるので安心です。岩原にも大きな転石がゴロゴロしていて、東屋風の休憩所を形ずくっています。分岐には指導標があり、土小屋と夜明峠と書かれています。土小屋方面に歩を取ると、しばらくは植林地帯のジグザグの登りです。途中のお墓のようなお地蔵さんに、シロがはげしく吠えたてたのには、さすがに不気味な感じがして足早に登ってゆきました。登り切ると、そこは自然林と植林の交錯する「つなの平」の始まりです。御塔谷に流れ込む沢の源流がそこここに見られ、霧に閉ざされた木々の影は神秘的です。シロが先に偵察しては、また戻ってくる、といった繰り返しです。天気がよければ右手に石鎚山の勇姿がそびえ立っているはずなのにとても残念でした。道は一部、ササがはびこり初めていますが、ほとんどしっかりしていて全く問題ありませんでした。そして正午過ぎに土小屋付近の車道に飛び出しました。濃霧で視界0。食堂で昼食して、出てみるとシロの姿がありません。口笛を吹けども呼べども、応答はありませんでした。しばらくコ−ヒ−を飲みながら駐車場で待ちましたが、姿はなく雨が激しくなってきたので、元来た道をとって返しました。京屋に先に戻っていることを期待していましたが、そこにも姿がなく「うちの亭主はどうしたんですか?」と目で訴えているメス犬の視線に耐えかねて、逃げるようにそこを立ち去りました。シロは無事、戻って来たのでしょうか?