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編集記
                              H28卒 森 美菜子 ( Per )


「いっぱいに入っているんだけど、いっぱいじゃないって感じたことない?」
夏休み最終日、しっとりと濡れた道後の一角で行われた東高俳句部元部長と私の二人だけの句会。その際に投げかけられた問いが、いつまでも私の頭に残っています。彼女は私の不思議そうな顔を見てから「たとえば、学校のプール」と続けました。たった17音しかない俳句は言葉で表現することのできないそんな世界の隅まで見るのか。静かに、世界の色が変わった夏の終わりでした。
 いっぱいだけどいっぱいじゃないって、何でしょう。その中にどこか虚無を感じるということでしょうか。そもそも何が足りないんでしょう。あれから幾月も経ちましたが、私はまだこれといった確実な答えにたどり着けません。彼女はそれ以上何も言わず、私をじっと待っています。

 さて。平日はバイト五連勤、土日は吹奏楽練習に勤しみながら、私は週に一度 俳句研究会の隅に居座っています(4時間睡眠が続いているのでそろそろ多忙死するかもしれません)。そして普段から「ウケる」「つよい」「ジワる」「ヤバい」という若者言葉を使うばかりで語彙力の欠片も見られない、そもそも俳句部なのかどうかも疑わしい背格好の先輩が真剣に句を詠み上げていく姿を毎週楽しんでおります。先輩方との楽しい会話に夢中になり、気付けば一句もできていない日々にはもう慣れました(?)ちなみに、一時間後の句会に持参する句を全く作ってません。おおっと、即吟か?無理無理!控えめに言って「ヤバい」です!
 17音ですら上手く表現できない若造の私に音萌会報の全編集を任すなんて、会長も何を血迷ったか。来年は可愛い後輩にすべてを投げ捨て...いや、託して!隠居しますので探さないでいただきたく思います。冗談です。この度は同級生の中から木管1人金管2人に代表してコメントをいただきました、ご協力ありがとうございます。今年は何度も君達同級生と会えて嬉しかったです、また来年もよろしく。井手会長には私が無能すぎるあまりご迷惑をおかけするばかりで、お手伝いと呼べるようなことは殆どできてないように思います。申し訳ありません、この度はたくさんの御指南をありがとうございました。
 この温かな会が、何年も何十年も続きますように。良いお年をお迎えください。








 

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