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「第28回音萌の会演奏会を振り返って」あるいは「音萌の会の未来について」

59年卒 尾崎 光芳

 皆さん、今年も演奏会お疲れ様でした。皆さんのご協力をもちまして、ここ数年では稀有の盛況ぶりで、今後の活動についても一筋の光明が見えてきたかなと感じております。
 とりわけ、8名の賛助出演の方の御尽力と、今回初めての試みとなった2名の現役高校生の音萌ステージ(第3部のみ)への出演は演奏会の成功に不可欠なものとして認識しております。
 松山本部の若き役員も獅子奮迅の活躍ぶりでしたし、前会長井手さんには印刷所(?)、作業場(?)の提供をはじめ、過分なる御志(会費の前払いじゃなく!)を頂戴したこと、この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。あ、集客効果抜群のらくさぶろう氏の司会にも多謝。
 さて、しかしながら、今年もやっぱり昨年や一昨年同様、練習への集まり具合については大きな課題を残したと言わねばなりません。表1及びそれをグラフ化した図1に見られるとおり、演奏会4日前まではわずか10名そこそこの練習参加者しかおらず、とてもじゃないけれど合奏で演奏を形づくっていくのとは程遠い状況です。


 また、ここ数年は賛助出演を依頼しなければ、最低人数すら揃わないパートもあるほどで、いっそのことそうまでして演奏会せんでもえーやないか、という声もあるのです。
 前述のとおり今年は8名の方々の賛助出演を頂きましたが(表2)、トロンボーンは賛助の方無しではパートを形成することすら出来ず、テューバもやっと前日になって3名の音萌会員の出演が確定しましたが、それまでは誰一人として出演できる見込みがなかったため、急遽賛助の方をお願いしたくらいです。

 表3のとおり、結果的に音萌会員だけで演奏会をすることも可能なくらいの人数が揃っておりますが(トロンボーンを除く)、それはあくまで結果であり、演奏会のわずか4日前の8月10日には、平日とはいえ、4パート12名しか会員はおりません(賛助の方3名と現役高校生2名がこれに加わります)。

 勿論、パーカッションのように、楽器設置の都合で練習初期には集まりようが無いにもかかわらず、驚異的な連帯による綿密な打ち合わせと集中的な練習で短い合奏でもきっちりこなすパートもありますし、コントラバスのように事前に個人で完璧に(ですよね?)さらってきて頂いているパートもありますので、一概に集まり具合と関連付けることは出来ません。
 なんといっても、図1で一目瞭然だとは思いますが、学生の占める割合が極端に少なくなっているのですから、無理からぬ状況ともいえるのです。
 この状況を打破するには学生の参加者を増やすしか手はありません。今年は平成11年卒(高校卒業後3年目)が4人、平成13年卒(同1年目)3名の計7名の学生の参加者がありました。この数年で最大の人数だと思います。彼らは打ち上げにも参加し、とっても楽しかったと言う感想をもってくれたようです。
 学生の参加者を増やすには、高校生の頃から「音萌で演奏したい!」と思ってもらうしか道は無いと考えます。少なくとも私が学生の頃は回りのほとんどがそう思ってました(よね?)し、最近でも熱心に参加している年代の人達はそう思っていたそうです。
 では、どうやって「音萌で演奏したい!」と高校生達に思わせたらよいでしょう。私見では、OBの存在があたりまえになるようにすること、OBは頼りになる、少々年は食ってるけどねと思わせなければならないと考えます。また、あの人と演奏できたらいいなと。
 若い学生の音萌諸君、君達は今年のコンクール前に現役たちの元へ行って激励したかい?コンクール当日応援に行ったかい?遠方へ行っている諸君は帰省時に学校に顔を出しているかい?
 音萌の会は会員相互の親睦とともに、現役への援助を活動の中心に置いているのです。そういった地道な行動が音萌の会を発展させる礎になるんだし、事実、これまではそうして続いてきたのです。
 音萌の会は、高校生活のごく一部を、時代こそ違え共有する者たちが、それを拠りどころにつながりを深めていく組織です。このささやかな接点はきっと人生の中でかえがえの無いものになり得ます。
 私は、年1度の演奏会こそが、その拠りどころとなりうる唯一無二の行事だと考えています。無論飲み会や各種レクリエーションも結構。大いにやりましょう。しかし、音楽を通じて知り合った仲間が音楽の活動により世代を超えてコラボレートする、これって、最も自然な成り行きだと思います。
 昨年は45年卒の菅野さん(Fl)が14年ぶり、今年は同じく45年卒の渡辺さん(Cla)が、20年ぶりに演奏会に出演されました。このウン十年ぶりって、ものすごいことだと思います。家事や子育てや仕事がほっとひと段落して、ふと思い立ってきてみたら、やっぱり若かりしあの頃のように居心地がいい。こう云う場ってなかなかあるもんじゃぁ、ありませんよ。
 今年は私と同期の「奥様」に久々に出演してもらい、また、演奏会には出られないけれど打ち上げの場では懐かしい顔に(といっても私の結婚式以来だからたいしたこたぁないか)たくさん出会いました。わざわざ連絡をとって同窓会を企画しないでも、松山本部が企画する同窓会が年に1〜2回(夏の演奏会と冬の総会)可能なのですよ。しかも年に数度の気の利いた(?)会報もついてきて、これで学生3000円(1日あたり8.2円)、社会人5000円(同13.7円)はある意味安いくらいかなと、今、思いました。無論「高い!」と言う意見も踏まえた上で。
 せっかく28年も積み重ねてきたかけがえの無い人の繋がり、みすみす無駄にする手はありません。その礎をなお一層強固なものにし、高齢化の進む音萌の会に新しい血を注ぐ為にも、皆さん、うるさがられるくらい高校生と触れ合いましょう(物理的にじゃ無くてね)。学校へ行きましょう。若手の育成は音萌の会の最重要課題です。これなくして音萌の会に未来はありません。
 若手諸君、音萌の会は我々ひとり一人の力で成り立っている、あくまでも自主的な組織です。じっとしているばかりじゃ、音萌はニキビよりも簡単につぶれてしまいます。さあ、今、自分に出来ることは何か考えよう!・・・わかんない人は松山本部に問い合わせよう!待ってるよ!!