私のスクラップ帳から
その20
「NPO法人 禁煙推進の会えひめ」
旧「NPO法人 禁煙推進の会えひめ
罰則設け路上喫煙を防ごう
罰則設け路上喫煙を防ごう
識者の答申を受けて、松山市では歩きたばこ禁止条例制定に向けて動きだしているようだ。「歩きたばこ禁止」とすると、「立ち止まって吸う」向きがいるので、路上喫煙禁止条例へと名称を変更するべきだ。また、過料を徴収することは検討されていないように思われる。呼びかけやマナーに訴えるだけでは、まさに絵に描いたもちであり、実効性はない。先駆的な東京都千代田区ではマナーに訴えていたが、一向にポイ捨てが減らないため、路上喫煙に対し過料を徴収するようになった。全国的にも同様のことが指摘されている。松山市の大街道などで、罰則付き路上喫煙禁止条例制定の署名集めを行ったところ、1500人余りの方から賛同を得た。商店街組合の方々からも少なからず応援をいただいた。過料は1000~2000円とし、警察OBなどが巡回すれば実行可能ではないだろうか。大街道や銀天街から路上喫煙を一掃すれば、松山のイメージがさらによくなると思う。(医師)(平成21年6月)-愛媛新聞から
禁煙外来 積極的に受診して
2005年に発表された日本循環器学会など9学会合同の禁煙ガイドラインによると、「喫煙は、喫煙病(ニコチン依存症と関連疾患)という全身疾患」であり、「喫煙者は積極的禁煙治療を必要とする患者」と定義されている。ニコチンへの依存性は、ヘロインやコカインと同等の強さがあり、ニコチンは使用した後も日常生活の妨げにならず、依存症を意識しにくいため、常習する可能性がヘロインやコカインよりも高いといわれている。喫煙者の6、7割は節煙や禁煙を望んでいるが、禁煙を自分の意思だけで実行できるのは、ほんの一握りである。06年から厚労省も「喫煙は病気」と認識し、禁煙治療が保険診療可能となった。さらに、ガムやパッチだけだった禁煙補助薬に、昨年から飲み薬が発売され、楽に禁煙できるようになり、禁煙率がさらに向上した。自分ではどうしても禁煙できない喫煙者の方は、ぜひとも禁煙外来を受診して、万病のもとである喫煙病をどうか治療していただきたい。(医師)(平成21年6月)-愛媛新聞から
脱「煙の枢軸」
国中にたばこの自動販売機があふれ、たばこ税は国の貴重な財源であることもあって、たばこ規制が進まない。こんな、日本とそっくりのたばこ事情を抱えているのがドイツだ。05年2月に発効した世界保健機構(WHO)のたばこ規制枠組条約作りでは、日米両国とともに規制の骨抜きを図り、3国まとめて「悪の枢軸」と呼ばれた。
そのドイツが様変わりと言う。07年9月、公共的な場所での禁煙を定めた受動喫煙防止の連邦法が発効した。飲食店も含めて禁煙にする州法の整備も進む。
「始まりはたった一人でした」。立役者である連邦議会議員のローター・ビンディングさんが来日して講演した。専門は財政だ。05年に自らの選挙区のハイデルベルクにある国立がん研究所を訪ね、ドイツで毎年3300人以上が受動喫煙で亡くなっており、非喫煙者を守るには法律が必要、という科学者の報告に接したのがきっかけという。
法案をつくり、世論を支えに、少しずつ議会で理解を広げていった。
「たばこの害に関する科学的な事実をメディアに理解してもらい、報道を通じて世論の支持が広がった」と、ともに来日した同研究所のマルチナ・ペチュケ・ランゲル博士は振り返った。国民の健康を守るための、科学と政治の鮮やかなタッグマッチだ。
米国では22日、たばこの広告や成分を規制する連邦法が成立した。最後の枢軸国も変わるときだ。(平成21年6月)-朝日新聞論説から
オバマ大統領 たばこ業界への規制を強化する法案に署名
「マイルド」「ライト」表示禁止 米たばこ規制法案可決
法案は上院で11日に賛成79、反対17で通過した。12日には下院で賛成307、反対97の圧倒的多数で可決された。(平成21年6月)-産経ニュース(一部)から
米上院、FDAに「たばこ規制」の権限を強化する法案を可決
米上院は11日、米食品医薬品局(FDA)が持つたばこの販売や広告などの規制権限を強化する法案を賛成79、反対17の圧倒多数で可決した。同法案は12日に下院で審議される。下院も通過する見込みで、法案に賛成のオバマ大統領が署名し、成立する可能性が高い。法案では、FDAがたばこ広告を規制できるほか、違法製品の製造差し止め、たばこパッケージに健康を損ねる内容を写真付きで入れるよう求めることができる。また、たばこパッケージなどに「ライト」や「低タール」といった誤解を招きやすい言葉を禁止することができる。オバマ大統領は法案について、FDAの医師や科学者に対し、たばこの害を減らしたり、たばこ会社が子供たちに宣伝できなくなるよう権限を与えることができる、歴史的な内容だと歓迎している。米疾病対策センター(CDC)の統計によると、たばこに関連した死者数は年間44万3000人で、毎年約860万人がたばこに関連した疾病にかかるという。米国の成人喫煙者数は434万人で、たばこにより960億ドルの医療費がかかっており、生産損失額は970億ドルに上っている。(平成21年6月)CNNニュース(一部)から
禁煙 周囲の喫煙者も応援を
最近、禁煙に挑戦する人が増えている。禁煙外来に訪れる人の目はまじめで、何とかやめたいという気持ちが伝わってくる。ニコチンにはかなり強い依存性があり、それが切れると、どうしてもたばこに手がいくようになる。たばこはニコチン補給器である。健康不安やのど、息の変調、女性では肌の変化を気にして来院する場合が多い。温かいエールを送り、次の来院日を約束してもらい、スケジュールに沿った禁煙指導をする。そのなかで、義憤を覚えることがある。それは、喫煙者が禁煙挑戦の邪魔をすることである。わざとたばこを見せつける、たばこの煙を吹きかける、1本吸わせようとする、といった行為である。その誘惑に負けてつい1本吸ってしまっては、元のもくあみになる。何とも罪なことをするものだ。ニコチンは魔物。そこから離れようと努力している人を助けて、成功するように応援してもらいたい。それが本当の友達だ。(医師)(平成21年6月)-愛媛新聞から
タクシー運転手も禁煙して
昨年8月5日の「タクシーの日」から、県内でもタクシー内が禁煙になり、私も、私の周囲の人も喜んでいる。車内には禁煙シールが張られ、アピールもしっかりとされている。心配された乗客とのトラブルも大きな問題になっていない。ところが、客待ち中に運転手さんが外で喫煙しているのは気になってしかたない。運転手さんが吐き出す肺からの残留煙は狭い車内空間を汚染する。そのときに客が乗ると、タクシー内が禁煙になったとはいえ、においが気になって不快な思いをするだろう。まさに受動喫煙の被害を受けるのである。喫煙する運転手さんの車は、吐く息で常に汚染され、エアコンや内装に付着した揮発性物質で、車内のにおいは消えることはない。これを解決するには、運転手さんの禁煙しかない。運転手さん自身の健康のためにも、ぜひ禁煙していただきたい。(会社員)(平成21年6月)-愛媛新聞から
たばこ健康警告表示大きく
たばこ健康警告表示大きく
5月31日は世界保健機関(WHO)が定めた世界禁煙デー。今年のテーマは「たばこの健康警告」だ。日本ではたばこの箱に「肺がんの危険のひとつ」などの警告が小さな文字で掲載されるようになった。しかし、たばこは「肺がんはもちろん、全身のがんや脳血管病をはじめ全身の数多くの病気の最大の危険因子」というのが真実だ。たばこ対策先進各国では、カラー写真入りで大きな文字を使った警告をパッケージ50%以上のスペースを使ってわかりやすく示している。アジアでもタイやシンガポールなどでは、病気の生々しい写真を掲載して「たばこの不都合な真実」を伝えている。日本も批准している「たばこ規制枠組み条約」は、このような警告の実施を求めている。正しい情報を伝えることにより、喫煙による災禍から国民を守れる国に一日も早くなってほしい。(医師)平成21年5月)-愛媛新聞から
公共の場から灰皿撤去望む
県内だけかどうかは知らないが、田舎へ行けば行くほど「たばこは地元で買いましょう。○○町」という立て看板や、交差点に設置している灰皿が目立つ。たばこの害が認識されていなかった前世紀の遺物だ。昔はポイ捨てで美観を損ねることと火の不始末しか認識されていなかった。たばこにかかる税金が地元に還元されるので、立て看板と灰皿があればよかった。今は、たばこは健康に非常に有害ということが分かり、たばこ規制枠組み条約では、公共機関はたばこ産業を利する行為やたばこ産業からいかなる寄付も受けないようにとされている。条約は法律、条例より上位の法であり、憲法の下に位置する。公共団体や公務員は憲法、条約、法律を順守する義務があり、個人の好みを優先してはならない。看板や公共の場(歩道・交差点など)の灰皿の撤去を強く求めたい。首長の強いリーダーシップを望む。あわせて官公庁内のたばこ自動販売機の撤去も求めたい。(医師)(平成21年5月)ー愛媛新聞から
「世界禁煙デーinえひめ2009」ータバコから赤ちゃんや子どもを守ろう! 開催
5月24日に「愛媛禁煙推進の会えひめ」と「日本禁煙推進医師歯科医師連盟愛媛支部」主催の標記イベントが開催された。当日の写真集は下記の通り。(「禁煙推進の会えひめ」情報から)(平成21年5月)
http://www.geocities.jp/uen2003ehime/page159.html
たばこの害悪もっと啓発を
たばこの害悪もっと啓発を
8日付のヤング落書き帳で、両親が喫煙者のため健康が心配、という投稿に対して、21日付で換気扇を回して吸ってもらえれば、という投稿が載った。この意見には喫煙の害について間違った認識がうかがわれる。カレーや焼肉料理のときに換気扇を回しても、部屋に入ればその日の料理が分かるように、においさえも換気扇では除去できない。そのにおいの出ていく先への配慮もない。いま世界的には公共の場での全面禁煙は当たり前。副流煙からの受動喫煙はもちろん、喫煙者の呼気や毛髪、服に付着した煙の吸入が三次喫煙として問題になっている。賛否両論ある場合、マスコミは両論併記が多いが、もう喫煙の害は完全に判明している。子供の前での喫煙は児童虐待にほかならない。マスコミ、保健所などは啓発していただきたい。喫煙は本人にとっての緩慢な自殺行為であり、他者への傷害行為であることを認識してほしい。(医師)(平成21年4月)-愛媛新聞から
職場の受動喫煙対策を切望
職場での受動喫煙で化学物質過敏症になったとして、北海道砂川市の35歳の男性が、建築資材製造会社に慰謝料など約2千3百万円の賠償を求めた訴訟は、会社側が男性に7百万円を支払うことで和解していたことが分かった。受動喫煙をめぐる訴訟で会社が支払う金額としては全国で過去最高という。男性は2007年1月に入社したが、職場では従業員の半数以上が自席で喫煙しており、頭痛などに悩まされた。分煙対策を要望したが、会社側は応じず、同年11月に男性は解雇された。男性は不当解雇だとして08年1月に提訴し「会社は受動喫煙防止を義務付けた健康増進法に違反」と主張していた。今年2月、裁判官が和解勧告した。健康増進法は03年5月に施行されたが、罰則規定がなく努力義務であるため、なかなか受動喫煙防止対策が進まないのが現状だ。この事例を契機に職場のたばこ対策が進み、不幸な受動喫煙病がなくなることを切望する。(医師)(平成21年4月)ー愛媛新聞から
2009年世界禁煙デーのチラシ
「愛媛禁煙推進の会えひめ」作成の2009年世界禁煙デーのチラシができました。下記URLをご覧ください。
(平成21年4月)-「禁煙推進の会えひめ」情報から
http://www.geocities.jp/uen2003ehime/page155.html
老人施設たばこ規制しっかり
10人も死亡した群馬県の老人施設「たまゆら」の火災で、施設内は禁煙との取り決めがあったにもかかわらず、職員が入所者の依頼でたばこを買い、喫煙を黙認していたことが判明した。出火原因はたばこの不始末の可能性が高い。職員は喫煙を注意せず「一、二箱だけね。徐々に減らしていってね」とたばこを渡し、入所者の間では「自分で後始末をすれば、たばこを吸っても大丈夫」との考えが広まっていたという。長崎県のグループホームの火災の原因もたばこであった。たばこは火災の大きな原因の一つである。防火設備を充実するのも大切だが、まず火災の原因であるたばこをきちんと規制することが、今後の惨事を防ぐ最も有効な手段である。たばこは嗜好品ではなく、喫煙はニコチン依存症という病気であることを認識し、たばこに対してきちんとした対処をすることが行政には求められる。(医師)(平成21年4月)-愛媛新聞から
神奈川、受動喫煙防止条例が成立 宿泊施設など民間も対象
神奈川、受動喫煙防止条例が成立 宿泊施設など民間も対象
屋内での喫煙を制限する全国初の「受動喫煙防止条例」が24日、神奈川県議会本会議で賛成多数により可決、成立した。学校、病院など公共施設のほか、飲食店や宿泊施設など民間施設も規制の対象で、従わない施設に2万円、喫煙者に2000円の過料を課すなど罰則を設けた。2010年4月に施行する。
条例は受動喫煙防止対策を努力義務とした健康増進法より踏み込んだ内容だが、関連業界などの反発を受け、民間施設も含めて全面禁煙するとした当初案と比べ後退。大型飲食店などへの罰則適用を1年猶予して11年4月からとした。小規模飲食店や風営法対象のパチンコ店などの禁煙や分煙は努力義務にとどめ、事実上規制から外した。
条例成立を受け松沢成文知事は「最初の目的からみると、少しやわらかい規制になったが(条例が)できあがったことに大きな意義がある」と強調した。(平成21年3月)-日経ネットから
受動喫煙防止 原則全面禁煙へ
他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」は、心筋こうそくや肺がんを引き起こしたり、子どもの呼吸機能の発達に悪影響を及ぼしたりすることなどが、これまでの研究で知られています。こうした被害を防ぐため、健康増進法では、不特定多数の人が利用する公共の場所については喫煙コーナーを設けて「分煙」に努めることなどを自治体や施設の運営者に義務づけています。しかし、喫煙コーナーから煙が漏れるなど対策が不十分なことが新たな研究で明らかになり、厚生労働省は、指定した公共の場所については、原則として全面禁煙にする方針を固めました。具体的には、子どもや妊婦が利用する、病院や交通機関、学校、それに、官公庁などが対象になります。一方、飲食店や旅館では、経営が成り立たなくなるおそれもあることから、当面は例外的に「分煙」を認める方針です。厚生労働省は、来月にも都道府県に通知し、全面禁煙にする施設を指定するなどの対策を求めていくことにしています。受動喫煙の被害に詳しい産業医科大学の大和浩教授は「全面禁煙に踏み出した点で評価できるが、被害を完全に防ぐためには努力義務としている今の法律を改正しなければならない」と話していす。(平成21年3月)-NHKニュースから
受動喫煙の完全防止を急げ
今、テレビをつければ地デジ移行のCMが流れていない日はない。しかし、この地デジ移行日より以前に、世界的に順守しないといけないことについてのCMや啓発番組はない。たばこ規制枠組み条約(FCTC)のことである。日本政府もその条約を批准し、その条約を推進する会議では、日本も含め全会一致で決まっている。2007年6月の国際会議では、10年2月までに屋内の職場、公共交通機関、屋内の公共の場所で、完全な受動喫煙防止が図られるよう法律を施行しないといけない。また、受動喫煙が有害であることが科学的証拠によって明白であることを認識することである。神奈川県の禁煙条例も、当初は飲食店も含め全面禁煙の方針だったのに一部に分煙を認めるなど骨抜きの状態である。これらの経緯をみると日本はお金が一番大事であり、健康や安全などどうでもいいような国というのがうかがえる。県、市町レベルで完全受動喫煙防止条例を施行するよう努力してもらいたい。(医師)(平成21年3月)-愛媛新聞から
松山も路上喫煙禁止条例を
千葉県のJR船橋駅構内で1994年、歩行喫煙していた男性のたばこの火が幼女のまぶたに当たり、救急搬送されるという事件があった。過失傷害罪が成立するが、当該行為者を特定できず、検挙にいたらなかった。千代田区は、喫煙者のマナーやモラルに訴えてポイ捨てたばこを減らそうとしたが無理だったため、2002年に路上喫煙における過料を適用した条例を初めて制定した。静岡市は2006年、男子中学生からの陳情で歩きたばこ禁止条例を施行した。現在は、名古屋市、大阪市、広島市など多くの市がいわゆる路上喫煙禁止条例を制定して、違反者には千円から2千円の罰金を徴収している。たばこは嗜好品ではなく、喫煙はニコチン依存症という病気のため、ニコチンが切れると喫煙者は補給するために所をわきまえず喫煙してしまう。受動喫煙を防ぐためには路上喫煙禁止条例が必要であり、ぜひとも松山市も制定していただきたい。(医師)(平成21年3月)-愛媛新聞から
第6回禁煙推進の会えひめ研修会
産科女医の喫煙影響自覚を
産科女医の喫煙影響自覚を
産婦人科の女性医師の喫煙率がこの8年間で3倍超に増えたと「日本医師会員喫煙意識調査」で明らかにされた。2000年から4年に一度行われ、今回が3回目で男性医師の喫煙率は27.1%から15%、女性医師は6.8%から4.6%と低下しているが、産婦人科の女性医師は3.8%から12.5%と著しく増加した。また、診療科で見ると、男性医師では非喫煙者でなければならない呼吸器科が3.6%と最も低く、精神科が23.1%と最も高かった。喫煙する医師は、院内禁煙対策や喫煙歴の聴取に消極的であるという結果も同時に報告された。妊婦の喫煙は赤ちゃんに悪影響を及ぼすことは明白であり、産婦人科の女医の喫煙率が著増すれば、妊婦の禁煙指導にも支障をきたす。喫煙はニコチン依存症という病気であることを医師は肝に銘じ、自分の病気を治さないものは他人の病気を治せるはずはないと自覚してほしい。米国医師の喫煙率はわずか2%なのである。(医師)平成21年2月(愛媛新聞から)
受動喫煙防止条例:説明集会、修正に賛否両論 知事「まず作ること」
受動喫煙防止条例:説明集会、修正に賛否両論 知事「まず作ること」
◇2月議会で成立目指す
神奈川県が公共的施設受動喫煙防止条例(仮称)の素案を説明する県民集会が18日、横浜市内で開かれた。素案は13日、飲食店の約7割を規制対象外とするなど修正されたが、参加者からは修正への賛否や、より規制緩和を求める声が出た。20日には県議会の連合調査会があり、県は2月定例県議会で成立を目指すが、なお曲折も予想される。会場は2000人以上収容可能だったが、参加者は1016人。禁煙マークが描かれたうちわを持った人や、規制対象となる飲食店などの事業者など、県外からの参加者も多く、禁煙推進・反対派を中心に関心の高さがうかがえた。松沢成文知事は、制定目的について「たばこを吸う人を追い出そうという条例ではない」と説明。国立がんセンター研究所の望月友美子さんは「たばこを吸わない潜在的な利用者があることを知ってほしい」と事業者に理解を求めた。これに対し飲食店約8万店を抱える県喫茶飲食生活衛生同業組合の八亀忠勝理事長は「営業を止めろと言われているようだ。禁煙にして繁盛する店はまれ」と条例そのものに反対し、松沢知事に対し「華々しい実績を持って国(政)に帰るためのパフォーマンス」と皮肉を込めた。
一方、小児科医の藤原芳人さんは「規制がゆるくなった。対象外の施設も子どもの入室を禁じることが必要」と、受動喫煙の子どもへの影響を憂う立場から、修正案の見直しを求めた。一般参加者10人による質疑応答でも、路上喫煙の禁止や、飲食店の全面禁煙など規制強化を求める声の一方、小規模飲食店の経営者が施行3年後の条例見直しに向け「禁煙も分煙も無理。喫煙(の容認)も残してほしい」と訴えるなど、賛否は分かれた。
松沢知事は終了後、制定に理解を得られたと手応えを強調し、「何年議論しても意見が出る。最初から厳しい規制は難しい。まず作り上げることが重要」と制定にこぎ着けたい考えを改めて示した。(平成21年1月)ー毎日新聞から
神奈川県禁煙条例:パチンコ店や小規模店は規制対象外
全国で初めて民間施設も規制対象とすることを目指してきた神奈川県の公共的施設受動喫煙防止条例(仮称)について、松沢成文知事は13日、パチンコ店などは規制対象外とする条例素案の修正案を発表した。関係業者の猛反発に譲歩した形で、当初方針の全面禁煙化から大きく後退した。修正案によると、規制対象のレストランなどは、禁煙か分煙かを選ばなければならない。だが、パチンコ店のほか▽県内飲食店の約7割を占める面積100平方メートル以下の小規模店▽マージャン店▽キャバレー--などは対象外とし、受動喫煙対策は「努力義務」にとどめる。喫煙者の割合が特に高いこれらの店舗を外したことで、条例は事実上「骨抜き」になった。修正理由について松沢知事は、急速な景気悪化を挙げ「中小事業者を守らなければならない」と説明。分煙対策などで施設改修する場合には風営法により一時休業せざるを得ないことにも配慮したと述べた。施行3年後の条例見直しの際、規制対象にするか検討するという。松沢知事は昨年4月、不特定多数が出入りする民間屋内施設の全面禁煙化をする条例の制定方針を掲げた。だが、業界団体や県議会から批判が相次ぎ、同9月の骨子案では分煙を容認。さらに同12月に示した条例素案では小規模飲食店の規制を3年間猶予すると、譲歩を重ねていた。(平成21年1月)ー毎日新聞から
喫煙者で長寿 一握り
昨年も多くの著名人が天国へと旅立った。喫煙者を挙げてみると、市川 崑氏、水野晴郎氏、筑紫哲也氏、赤塚不二夫氏、緒方 拳氏、峰岸 徹氏、鈴木ヒロミツ氏、ウガンダ・トラ氏・・。2007年の日本男性平均寿命は79歳であるが、平均寿命以上生きられた方は市川 崑氏(享年92歳)だけで、ほとんどが残念ながら早死にである。喫煙者は「たばこを吸っても長生きした人を知っている」と言うが、平均寿命以上に生きられるのは統計的に見ればほんの一握りなのだ。たばこがどうしてもやめられなかった私の知人も、高校生の子どもたちを残して50歳代で他界した。「自分の人生、たばこぐらい吸わせろ!」と言っていたが、ニコチン依存症から抜け出せず早死にすれば、残った家族はどんなに悲しむか考えてほしかった。自分自身だけでなく、家族への”禁煙は愛”なのである。(医師)(平成21年1月)-愛媛新聞から