私のスクラップ帳から

その4


平成10年となりました。新たにスクラップを開始いたします。今回から、掲載順序を今までと逆にいたします。スクラップ帳1、2、3と同じく、印はたばこのプラス面に触れたものです。(平成10年1月12日記)


敷地内を全面禁煙に、大正製薬、客も吸えません

敷地内を全面禁煙に、大正製薬、客も吸えません

 大正製薬は、本社をはじめすべての営業所や工場の敷地内、建物内での喫煙を、来年1月5日の仕事始めから禁止する、と発表した。対象は社員だけでなく、会社を訪れる客も含める。(平成10年12月)−共同通信から

米たばこ訴訟で巨額弁護料、3州で9500億円

たばこによる健康被害が州政府の医療支出を増大させたとしてテキサス、ミシシッピ、フロリダの3州が米大手たばこ会社を相手取って起こしていた損害賠償請求訴訟で、弁護手数料が合計約82億ドル(約9550億円)の巨額になることが明らかになった。(平成10年12月)−共同通信から

毎日たばこ吸う、高3男子の4人に1人、国立公衆衛生院全国調査

 喫煙経験のある中高生は学年が上がるとともに増加、高2男子で過半数を占め、高3男子では4人に1人が毎日たばこを吸っていることが、国立公衆衛生院などが実施した全国12万人の中高生を対象にした喫煙行動調査でわかった。
 たばこの害はほとんどの中高生が知っていたが、既にニコチン依存症の中高生もかなりあった。(平成10年12月)−愛媛新聞から

「たばこ吸わないで」、米たばこ会社がキャンペーン

 米たばこ大手フィリップ・モリスは、創業以来初めて、たばこを吸わないよう呼びかけるテレビキャンペーンを全米で始める。10代の子どもたちに向けて「喫煙はかっこ悪い」と訴える。
 これは、全米46の州当局が起こした医療費の賠償請求訴訟で、たばこ大手各社は11月、総額2060億ドル(約25兆円)を支払うことで和解した。
 その際、未成年が喫煙に走る原因の研究や喫煙を防ぐための活動に17億ドル(約2000億円)をあてることが和解条項に盛り込まれた。今回のテレビ広告はその一環である。(平成10年12月)−−朝日新聞から

JTが米たばこ訴訟の和解に参加、毎年数億円支払い

 日本たばこ産業(JT)は、米国で合意が成立した大手 たばこメーカーと各州の和解契約に参加し、和解金の一部を負担すると発表した。和解に参加しないと、和解金を上回る支払いを各州から要求される見込みとなったためで、負担する金額は、支払い開始の2000年が約1億7000万円、以後もシェア(占有率)に応 じて、毎年数億円の支払いが無期限で続く見通しである。(平成10年12月)−共同通信から  

 JTの担当者は、「米国での和解は、和解しない場合の費用負担を避けるためで、(健康被害の)責任を認めたものではない。国内の訴訟には影響しない」という。 (平成10年12月)−朝日新聞から  

                      


たばこが原因、1億人死亡も、喫煙大国・中国2050年までに

たばこが原因、1億人死亡も、喫煙大国・中国2050年までに

 中国人男性の喫煙率は73%に上り、禁煙を進めなければ、2050年までに、現在30歳未満の3億人のうち1億人がたばこが原因の疾病で死亡する恐れがある、との研究発表があった。
 これは、中国の住民百万人を対象にした英オックスフォード大と中国医学科学院などの共同チームが発表したものである。(平成10年11月)−愛媛新聞から

郵便局内もたばこNO、北陸3県672カ所、簡易局除き管内一斉全国初

 北陸郵政局は管内(富山、石川、福井県)の簡易郵便局を除く普通、特定の計672の全郵便局のロビーと事務所カウンター内を禁煙にした。管内の全郵便局で禁煙の実施は全国で初めてである。(平成10年11月)−愛媛新聞から

たばことの因果関係認めず、喫煙家らの訴えに名古屋地裁

 たばこ依存症になったり、周囲のたばこの煙を吸って健康を害したとして、愛知県内の喫煙者三人と嫌煙家一人が、たばこの製造、販売の禁止と慰謝料計4百万円の支払いなどを日本たばこ産業(JT)に求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は「被告の疾病とたばこの製造販売などとの間に因果関係が認められない」として、原告の請求を棄却した。(平成10年11月)−共同通信から

米の喫煙被害訴訟、25億円で和解

 喫煙の健康被害をめぐる損害賠償訴訟で、米国のカリフォルニア、ニューヨークなど8州は、フィリップ・モリスなど大手たばこメーカー各社が2025年までに全米各州に総額2060億ドル(約25兆円)を支払うことを軸とする和解案で基本合意したと発表した。
 和解案は、メーカー各社は和解金支払いのほか、公共交通機関での広告や未成年者向けの宣伝の禁止、たばこの害を知らせる財団の設立などを受け入れる。(平成10年11月)−読売新聞から

煙タイ警告ー「吸いすぎは性的不能に」ー今月初めから印刷、バンコク

 「たばこの吸いすぎは性的不能になります」−こんな刺激的な警告が今月初めから、タイで販売される国産、輸入たばこに印刷される。警告文はほかに「喫煙は老化を早める」「脳内出血の原因になる」など全部で10通りあり、たばこ会社はいずれかの警告文を付けることが義務付けられる。(平成10年11月)−愛媛新聞から


たばこ1箱20円上げ、JTとレイノルズ「特別税」導入でー12月から

たばこ1箱20円上げ、JTとレイノルズ「特別税」導入でー12月から

 JTは、旧国鉄長期債務処理法の一環としてたばこ特別税が創設されたことに伴い、12月1日から原則的にたばこ1本当たり1円値上げする価格改定を大蔵省に申請した。
 マイルドセブンなどは1箱230円から250円になる。レイノルズも値上げ申請したが、フィリップ・モリスは大半の銘柄を据え置く。

健康人には保険料割引、非喫煙者向けも人気

 健康状態が良い人や、たばこを吸わない人の保険料を割り引く生命保険が人気を集めている。リスク細分型の生命保険は、1970年代に米国で非喫煙者向けに安い保険料の商品を売り出したのが始まりで、販売実績が好調なことから導入する生保が相次ぎ、現在は加入者の健康状態を複数に区分し、よりきめ細かい保険料を設定している会社もある。(平成10年10月)−共同通信から 

「喫煙と健康問題実態調査」来年1月実施へ

 厚生省が来年1月に実施を予定している「喫煙習慣等に関する調査」および「喫煙・受動喫煙実態調査」の調査内容を検討する「喫煙と健康問題に関する実態調査検討会」の初会合が開催された。
 この調査は、喫煙率や受動喫煙に関する基礎資料を得るために実施するもので、1月に調査を実施し、3月末までに調査結果の速報値が公表される。(平成10年10月)−日本医事新報から

たばこ1本1円値上げ、特別税導入で平成10年12月1日から

 約28兆円の旧国鉄債務処理法案が衆院を通過し、利払い財源の一つとして、たばこ特別税が12月1日から導入されることになった。これを受けて日本たばこ産業などは、たばこ1本当たり平均1円程度値上げ申請するとみられる。(平成10年10月)-毎日新聞から

たばこ対策が焦点に、「肺がん時代」の幕開け

 1950年にはがん死者全体の1.7%だった肺がんが、昨年は17.8%まで急増した。2020年には肺がん患者が年間10万人を超えるという試算もある。最大の要因は、長年の喫煙の影響が表れる高齢者と、女性喫煙者の増加とされ、大阪府立成人病センターの大島明調査部長は「対策は喫煙防止しかない」と指摘している。
 世界保健機関(WHO)によると、94年に世界でがんで死亡した約630万人中、肺がんが約99万人で最多で、先進国に多く、その地域の喫煙率のピークから30年遅れて肺がんなど関連死が最大になることから、日本の患者は今後も増え続ける、と予測されている。(平成10年10月)−共同通信から

非喫煙で割引率アップ、大同生命の健康体割引

 大同生命保険は、健康状態が良好でたばこを吸わない契約者の場合、保険料が最大で約34%安くなる「健康体割引」保険を10月から発売すると発表した。健康体割引と非喫煙者割引の組み合わせは業界初めての商品である。
 従来より厳しい血圧、体格、尿検査で一定基準を満たし、健康体と認定されれば、健康体割引契約を結べる。過去1年間喫煙経験がなければ一段の割引が可能となる。(平成10年10月)−共同通信から


航空機内の禁煙に関するインターネット世論調査

航空機内の禁煙に関するインターネット世論調査

 JIJI NEWS Watchでは、航空機内の禁煙についてアンケートを実施中です。「国内/国際線とも禁煙にすべきである」と回答した人は、平成10年9月26日現在、69%です。(平成10年9月)

(追記)9月29日締切、最終的に71%となりました。

禁煙推進運動は、まず医師会から

 わが国では、欧米に比べて、医師の喫煙率が高いためか、医師会による禁煙運動は十分行われていない現状である。昨年9月実施の47都道府県医師会対象のアンケートの結果、喫煙対策に取り組んでいる医師会は8医師会に過ぎなかった。医師会や医学団体が組織的に禁煙運動に取り組むことを期待する。(平成10年9月)-毎日新聞から

胃がん抑える毎日のコーヒー、ただし、たばこを吸えば帳消し

 コーヒーを毎日飲む人は、飲まない人に比べて胃がんにかかる率が3分の2程度と低く、特に日に3杯以上飲む人では約半分になっていることが、愛知県がんセンターから報告される。
 これは、2万人を対象に11年間追跡調査した結果わかったものである。ただし、たばこを吸うと効果はなくなるという。(平成10年9月)-毎日新聞から

遅すぎるぐらい

 たばこの被害を訴え肺がん患者らが起こした損害賠償請求訴訟の弁護団長、伊佐山芳郎さんは、全席禁煙は時代の要請に沿ったもので、むしろ遅きに失したとも言える。
 長時間の禁煙は喫煙者に気の毒との意見もあるが、煙を吸わされる側にすれば健康や命にかかわる問題だ。喫煙の健康被害についてあらためて考えるよい機会だ。(平成10年9月)-共同通信から     

全席禁煙はファシズム、「あまりに行き過ぎ」- JTがコメント、愛煙家に同情する

1. 愛煙家の漫画家黒鉄ヒロシさんは、たばこの害は医学的にはまだはっきりしないはずだ。吸ってがんになる人はなるし、ならない人はならない。個体差の問題ではないか。全席禁煙というのはファシズムだ。はた迷惑ということで言えば、騒ぐ子どもや酔っぱらいだって同じ。たばこを吸うのも文化だ。小説や映画から喫煙の場面がなくなったら味気ない。喫煙席を残す努力をしてもらいたかった。個室の喫煙室を設けることなども可能なはずだ。こうなったら自由に喫煙できる航空機も飛ばしてほしい。                              

2. 日本たばこ産業(JT)は、日本航空と全日本空輸が全国際線を来年春から全面禁煙にすると発表したことについて「国際線フライトを利用する愛煙家に長時間の禁煙を強いるという一方的な我慢の押し付けで、あまりに行き過ぎたものだ。従来通り喫煙席を確保してもらえるようお願いしていきたい」とのコメントを発表した。

3. 評論家大宅映子さんは、私自身はたばこが大嫌いだが、愛煙家に吸うなという権利はないと思っている。どうしても吸わずにはいられない人もいるだろう。全席禁煙となると、愛煙家はすごい強迫観念を感じるのではないか。国内線なら2時間ほど我慢すればいいが、国際線は10時間以上かかる便もある。禁煙は世界的な流れとはいえ、愛煙家には同情する。喫煙席を大きなフードで覆って煙を外部に逃がすなどの工夫はできないのだろうか。                    

(平成10年9月)-共同通信から

国際線も全面禁煙へ-日航と全日空、来春から
 日本航空と全日空は、来春からすべての国際線を全席禁煙にすると発表した。すでに欧米を中心に日本乗り入れの外国航空会社22社が全席禁煙にしており、日航と全日空の実施で、日本から出発する国際線総座席数の8割以上が禁煙となる。
 国内線は、日航と日本エアシステム(JAS)、エアーニッポンが全席禁煙。全日空も10月1日から始めるため、ほとんどの路線でたばこが吸えない。さらに国際線が加わることで、世界的な禁煙の流れが空の旅にも波及してきた。
 国際線の全面禁煙は、日航が来年4月1日から92路線で、全日空は同3月28日日から47路線で開始する。飛行時間が13時間を超える東京―ニューヨークなどの長距離路線もたばこは一切駄目。愛煙家のパイロットもいるが、操縦室内も禁煙にする。 

(平成10年9月)-共同通信から

平成11年度厚生省予算-総合的たばこ対策の推進

1.たばこ情報提供体制の整備(新規、1,700万円)
2.喫煙問題実態調査の実施(3,400万円→1,700万円)
3.たばこの成分分析(新規、2,200万円)
(平成10年9月)-日本医事新報から)

たばこ対策検討会が両論併記の報告書提出-たばこ対策反対派のあくなき抵抗

 厚生省の「21世紀のたばこ対策検討会」は8月31日、たばこ対策推進派と反対派の意見を併記した報告書をまとめ、伊藤保健医療局長に提出した。この検討会は、今後のたばこ対策のための具体的方策について提言することを目的に設置されたが、少数派である日本たばこ産業の関係者ら対策反対派に配慮して多数決を採用しなかったため、検討会としての提言をまとめるには至らなかった。
 報告書は、(1)全般的な問題、(2)防煙、(3)分煙、(4)情報の提供、(5)今後の課題―の各章に、委員の意見を整理する形式となった。
 報告書に盛り込まれた目新しい意見として、@.たばこ販売における対面販売と年齢確認の徹底、自販機による販売の禁止や設置場所の制限の強化、販売自粛時間の拡大、A.喫煙による超過医療費の負担低減や分煙環境の整備に充当するためのたばこ税の引上げ、B.たばこ製品に含まれる添加物のリストの作成と公開、C.たばこの危険性に関する情報収集・提供体制の整備、D.健康問題の観点からのたばこ行政のあり方や公衆衛生上の法整備の検討―などである。(平成10年9月)-日本医事新報から

煙の中の有害物質を測定、たばこ対策の客観指標に 

 世界的に分煙が進む中、厚生省は、たばこの煙の中に含まれる発がん物質などの量の測定、分析に乗り出す方針を決め、来年度予算の概算要求に約2500万円を盛り込んだ。
 今回は、受動喫煙に配慮し、たばこを吸わない人にとって大きな問題となっている副流煙(たばこから漂う煙)や主流煙(直接吸い込む煙)に含まれるその他の有害物質などの研究データを集め、分煙対策などの効果を客観的に評価できる基準づくりに役立てるのが狙いである。
 煙の有害成分を調べるのは厚生省として初めての試みで、厚生省によると、たばこの煙の組成は非常に複雑で、有害物質について現時点での代表的な研究データは約二十年前の米国のものという。(平成10年9月)-共同通信から

毎日の喫煙が大うつ病リスクを増大

 毎日喫煙する人では大うつ病のリスクが増大し、また、逆に、大うつ病患者が、たまの喫煙から毎日の喫煙に移行する可能性も高い。(平成10年9月)-Med Tribuneから


母親が妊娠時喫煙-新生児尿から発がん物質

母親が妊娠時喫煙-新生児尿から発がん物質 

 米ミネソタ大学がんセンターの研究グループは、喫煙する妊娠女性の体内を通じて胎児に発がん物質が伝えられることを初めて確認した。これらの物質が実際に小児のがんを引き起こすかどうかの研究は今後の課題だが、発がん物質確認は大きな成果としている。この物質は、ニコチンから派生する化学物質NNKで、たばこの煙にだけ含まれる肺がんの発がん物質である。(平成10年8月)-共同通信から

小渕新内閣、喫煙率19%

 今回の小渕新内閣のスモーカーは、たった4人でした。中川昭一、与謝野馨、西田司、太田誠一の4氏です。これは歴代内閣の中で、最も低い喫煙率です。橋本内閣との違いをはっきりさせるため、ぜひ閣議は禁煙にされるよう強く要望します。(平成10年8月)-たばこ問題情報センターから

「たばこ規制は越権」-米連邦高裁が逆転判決

 たばこが習慣性のある薬物かどうかをめぐって争われていた訴訟の控訴審で、米連邦高裁は、食品医薬品局(FDA)にたばこ規制を認めた地裁判決を覆し、子供へのたばこ販売や店頭展示を規制したFDA規則は越権とする判決を下した。この判決に対し、米国司法省は、同高裁に再審理を求めることを決めた。(平成10年8月)-愛媛新聞から

喫煙経験者は肺癌リスクがいつまでも高い、50歳までに禁煙すればリスク低下の希望も

 米国肺胸部学会の集会で、ソルフォード王立病院(英)から、次のように報告された。
 喫煙経験者は、禁煙してから何年経過していても喫煙未経験者に比べ、肺癌にかかるリスクがはるかに高い。しかし、喫煙者は50歳までに禁煙すれば肺癌の発症リスクを 5 分の1にまで減らすことができる。禁煙すれば、たばこが悪影響をもたらすすべての臓器が守られ多大の恩恵が得られるが、臓器によって、たばこによる有害作用からの回復程度が異なる。
 例えば、現在喫煙している人は、急性心筋梗塞のリスクが著しく増加しているが、禁煙すればそのリスクは 1 年以内に50%減少し、5 〜10年以内に喫煙をしたことのない人のレベルにまで下がる。しかし、喫煙者の癌のリスクは一度増加すると、減少するのに時間がかかり、おそらくは喫煙経験のない人のレベルには達しない。(平成10年8月)-Med.Tribuneから

規制強化ならず寂しい結果(たばこ検討会報告書について)

 禁煙ジャーナルの渡辺文学編集長は、標記検討会結果について次のように述べた。
 そもそも厚生省の会議に、大蔵省の推薦でたばこ会社の重役が入って「たばこの害」を「たばこの影響」にしろなどというのが間違い。公衆衛生の会合で、たばこの害を前提にしないで、会議を開くなんてあり得ないことだ。規制を強化することが検討会の役割のはずなのに寂しい結果。7割以上の人がやめられるものならやめたいと思って吸っているのだから、もう一歩踏み込んで、禁煙希望者へのサポートも、しっかり盛り込んでほしかった。(平成10年8月)-共同通信から       

禁煙派、禁煙派が対立、具体的提言打ち出せず(たばこ検討会が報告書)

 厚生省の「21世紀のたばこ対策検討会」は8月7日、分煙や未成年者の喫煙の問題を取り上げた報告書をまとめた。しかし検討会では、禁煙派委員と喫煙派委員が最後まで激しく対立し、未成年者の喫煙防止の必要性については全員が一致したが、その取り組み方などをめぐって意見一致できないまま、報告書は両論併記の形となり、具体的な対策や提言を打ち出せなかった。
 検討課題として合意が得られたのは、@分煙、A喫煙経験のない未成年者の喫煙開始をいかに防ぐか(防煙)、B喫煙の健康への影響についての情報提供の在り方の三点であった。
 しかし、報告書をまとめる段階になっても、具体的な取り組み方についての意見は一致せず、結局、島尾座長が主要な論点を整理する形式となった。(平成10年8月)-共同通信から

ダイオキシンの人体汚染を考える
ストックホルム大グループが1992年に報告している実験結果によると「たばこ20本当り主流煙,副流煙はそれぞれ18.39ピコグラムを含んでいた」とある。体重50キロの人なら先の「暴露状況の推定」表から、大都市の大気から吸う量が「0.18×50」で9ピコグラム。たばこ20本の主流煙たけで、2倍相当なのだ。さらに副流煙として同じだけ周囲に垂れ流していることになる。この先、一日耐容摂取量が1ピコグラム/キロ/日にでも決まれば、50キロの人の1日量は50ピコグラムしかなくなる。18.39ピコグラムは決して軽い数字ではない。(平成10年8月)-団藤保晴の「インターネットで読み解く!」から


歩きたばこ

歩きたばこ

 出勤の途中、たばこを吸いながら歩いているOLや女子大生によく出会う。乗り換え電車を待つ駅のプラットホームでも、プカプカと男性顔負けに紫煙をくゆらせている女性が最近、ぐっと増えたような気がする。茶髪、底の高いサンダルシューズ、それにたばこの三点セットがさしずめ若い女性の今風のファッションなのだろう−−(略)。アジア諸国は概して欧米先進国に比べ、たばこに寛容だ。だがシンガポールでは、たばこのポイ捨てでも150シンガポールドル(約1万2千8百円)の罰金が科せられ、再犯だと矯正労働に処せられる。シンガポール並みにしろとは言わないが、なにか厳しい処置も必要ではないか。(平成10年7月)−共同通信から 

JASが17日から全席禁煙

 日本エアシステム(JAS)は7月17日、同社が運航する国内線の全便で全席禁煙に踏み切った。国内航空会社の全便禁煙は4月にエアーニッポンが実施しているが、大手3社では初めて。日本航空は9月、全日空が10月から、系列会社を含め国内線全便で喫煙席廃止を決めており、欧米などに比べ遅れていたとされる旅客機内の禁煙化が大幅に進む。(平成10年7月)−共同通信から

禁断症状で生活に支障?禁煙デーは事故やや多発

 喫煙者が禁煙すると日常生活に支障をきたし、職場の事故がやや増えるとの分析結果が発表された。英国では1984年から、3月の第2水曜日が禁煙デーとなり、約200万人が禁煙や節煙を試みているとみられる。禁煙すると数時間で禁断症状が出ることが知られており、禁煙に伴うマイナス面もあり、禁煙の方法に工夫が必要としている。(平成10年7月)−共同通信から

職場の禁煙に関するアンケート調査

 ニコチンガム製剤を販売しているファルマシア・アップジョン社は、日本企業の健康管理室や診療室に勤務する産業医など146人の医療関係者を対象に、標記アンケートを実施した。
 会社全体として禁煙を推進している企業は30%であった。全面禁煙の企業はなく、完全分煙28%、一部分煙67%であった。禁煙指導については、何らかの形で実施している企業が6割を超えた。禁煙を進める上での障害については、約半数が経営者や管理職など上司の理解不足と答えた。(平成10年7月)−ASAHI Medicalから


喫煙はアルツハイマー病を倍加させる

喫煙はアルツハイマー病を倍加させる

 オランダのロッテルダム郊外に住む55歳以上の男女6,850人を対象にした前方視的な調査によると、喫煙者は非喫煙者に比べ、痴呆症(アルツハイマー病を含む)になる確率が約2倍高いことがわかった。
 従来、喫煙はアルツハイマー病のリスクファクターであるとする説と、予防的に働くとする説の両論があったが、今回の調査でリスクファクターであることが判明した。(平成10年6月)−the Japan Times から

たばこ嫌いの遺伝子変異、禁煙薬開発に希望

 ニコチン分解酵素の遺伝子に変異がある人は、ニコチン依存症になりにくいとの調査結果が発表された。この酵素の作用を抑える薬を作れば、禁煙の特効薬になるかもしれないという。同酵素の遺伝子は変異を起こしやすく、変異がある人はニコチンを完全には分解できない。遺伝子変異のある人は、ニコチンを十分に分解できないため、血液中のニコチン濃度が長く保たれるのが原因らしい。(平成10年6月)−共同通信から

わが国のがん予防対策は今こそ転換を−喫煙対策の重要性

 米国国立がん研究所は1996年11月、「1990年代に入って初めてがん死亡率が下降した」と発表した。米国におけるがん罹患・死亡率の減少に対して最も大きな貢献をしたのは喫煙対策である。
 1964年以来各種の喫煙対策に取組み、国民のたばこ離れに伴って肺がん死亡率が減少し、結果として全がん死亡率の低下となった。
 一方わが国の喫煙対策は諸外国に比べ立ち遅れており、男性喫煙率は60%弱と異常な高さにとどまり、さらに最近では、20歳、30歳代の女性の喫煙率は上昇し、このため肺がん死亡率は急増を続けている。今こそ、たばこ対策を重視したがん予防策を積極的に展開するよう政策転換を図るべきである。(平成10年6月)−Med.Tribuneから

最高裁、職場禁煙認めず−岩国市元職員「健康権」敗訴が確定

 職場での間接喫煙は、憲法が保障するする「人格権」「健康権」の侵害に当るとして、岩国市元職員が、岩国市を相手に市庁舎事務室の全面禁煙などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は、請求を退けた1審、2審の判決を支持し、上告を棄却した。裁判の主な争点は、間接喫煙の有害性とその受忍限度であった。(平成10年6月)−四国新聞から

軽い運動は非喫煙高齢者の死亡率を低下させる

 61歳から81歳までの非喫煙男性707例を対象にした調査の結果、1日の歩行距離が1マイル(約1.6km)以下の群は、2マイル以上の群に比べ死亡率が2倍であった。また、歩行距離が長い被験者ほど寿命が長かった。(平成10年6月)−Med.Tribuneから

米のたばこ規制法案、廃案に

 米上院本会議は、たばこ規制法案の審議を打ち切り、採決に持ち込む動議を否決した。問題の法案は、昨年6月、たばこメーカーと全米40州の州政府などが合意した和解案の立法化を目指すもので、たばこ1箱の値段を1ドル10セント値上げし、メーカー側が喫煙健康被害の医療費などとして、今後25年間で総額5060億ドル (約70兆円)を政府に納めることを軸としていた。
 同法案は上院商務委員会で採択され、本会議に送付されたが、メーカー側は当初の和解案より厳しい内容になったことに反発し、共和党議員からも「増税と歳出増加をもたらす法案で、大きな政府をつくってしまう」との批判が出ていた。(平成10年6月)−読売新聞から

酒、たばこは大麻より危険、仏研究所が調査報告

 フランスの国立保健医療研究所は、アルコールやたばこは、@身体的依存性、A精神的依存性、B神経への毒性、C社会的危険性、などの各項目において、大麻より危険であると報告した。
 そのうち、アルコールはいずれの項目でも危険度が高く、ヘロインやコカインと並ぶ最も危険な薬物と位置付けられた。たばこは鎮静剤や幻覚剤などと並んで、2番目に危険度の高いグループに、大麻は依存性や毒性が低く、最も危険度の小さい3番目のグループに入った。(平成10年6月)−共同通信から

たばこ気にせずおいしい食事−禁煙・分煙の飲食店紹介−沖縄、山口

 「福岡たばこ問題ネットワーク」は、たばこに弱い人、煙に悩まされずに食事をしたい人のために、沖縄と山口県で禁煙・分煙をしている飲食店を紹介したパンフレット「空気の美味しいレストラン」を発行した。(平成10年6月)−愛媛新聞から

簡易保険は当面見送り、非喫煙者向け保障サービス

 簡易保険の新サービスについて検討している郵政省簡易保険局長の私的研究会が、報告書をまとめた。焦点の非喫煙者向けの保障サービスは「導入に向けた取り組みを推進していく意義は大きい」としたものの、データの蓄積や制度面での検討が今後の課題として、当面は導入見送りを提言している。(平成10年月)−共同通信から

危険母乳:喫煙母親から有害物質が赤ちゃんへ

 たばこを吸う母親の母乳で育てられる赤ちゃんは人工栄養の赤ちゃんに比べ、尿中のニコチン関連物質の量が10倍多いことが分かった。たばこの有害物質が、母乳を通じて赤ちゃんの体に蓄積することを、母親はもっとよく知るべきだと研究者は警告している。また、人工ミルクの赤ちゃんだけを比べると、母親がたばこを吸っている方が非喫煙の母親より、赤ちゃんのコチニン量は8倍高く、赤ちゃんが母親のたばこの煙を吸い込む受動喫煙にさらされていることが確認された。父親など、母親以外の喫煙でも赤ちゃんのコチニン量に影響を与えることも判明した。(平成10年6月)−毎日新聞から

JTが喫煙マナー向上を呼び掛け

 スモーキンクリーンキャンペーンの一環として、日本たばこ産業(JT)の高松支店長ら6人が松山市役所を訪れ、たばこの投げ捨て防止など喫煙マナー向上を呼びかけた。(平成10年6月)−愛媛新聞から

健康にリスクのある「もの」からとればいい

 医療保険のカネの出所は保険料か税金か患者負担しかないが、保険の原理からはリスクの高い人、つまり高齢者からカネをとるという話になる。
 しかし、社会保障的な面からは老人の負担をどんどん高めるわけにはいかない。そこで、リスクのある人からとれないなら、健康にリスクのある「もの」からとればいい。「もの」の第1はタバコである。タバコ1本1円の値上げで2千6百億円になる。1本5円上げれば1兆3千億円だ。年間の医療費の増加分をゆうに賄える。(平成10年6月)−社会保険旬報から

生活習慣と医療費との関係について−大崎国保コホート研究から

 喫煙習慣・飲酒習慣・肥満度・運動習慣の4つの生活習慣について医療費への影響を調べた。その結果、23ヵ月の医療費は、非喫煙者49.2万円、喫煙者52.2万円(喫煙本数1−14本:51.3万円、15−29本:52.6万円、30本以上:55.2万円)であった。喫煙せず、適正体重レベルにあり、毎日1時間以上歩行している者の医療費は、23ヵ月の累積で44.3万円と最も少額であったのに対し、該当するリスクの数とともに医療費は増加し、すべてに該当する者(肥満で運動不足の喫煙者)の医療費は、35%程度高かった。(平成10年6月)−社会保険旬報から

喫煙者は難聴になりやすい

 喫煙者はたばこを吸わない人に比べ、老化に伴う難聴の危険性が 70%も多い、との調査結果が報告された。(平成10年6月)−愛媛新聞から

喫煙やうつぶせ寝が危険、乳幼児突然死で実態調査

 乳幼児突然死症候群(SIDS)の実態把握のため、初の大規模 な全国調査をしていた厚生省の対策検討会は、両親の喫煙や人工乳、うつぶせ寝による育児がSIDSで死亡する危険を高めるとした報告書をまとめ、発表した。発症リスクを分析すると、うつぶせ寝は仰向けに比べて3倍、人工乳は母乳保育に比べて4.8倍高いことがわかった。喫煙環境についても、父親や母親が喫煙すると発症の危険度が高まり、父母ともに喫煙する家庭は、喫煙者のいない家庭より4.7倍発症リスクが高かった。(平成10年6月)                          


世界禁煙デー

世界禁煙デー

 5月31日は世界保健機関(WHO)の「世界禁煙デー」である。日本ではこの日から6月6日までが「禁煙週間」になる。
 世界禁煙デーのスローガンは「無煙世代をそだてよう」というもので、次の世代を担う子供たちが「たばこのない生活習慣」を身につけられるような社会環境を整備しよう、というのが狙い。タバコ問題首都圏協議会(渡辺文学代表)が発表した「98ワースト・スモーカー・コンテスト」で、橋本竜太郎首相が3連続してワースト1に選ばれた。「トップリーダーとして“少しは恥を知れ”と言いたくなります」とコメントは手厳しい。(平成10年5月)−共同通信から

米癌政策委員会がたばこの値上げを勧告

 米国政府の諮問機関である癌政策委員会は、たばこ製造会社との和解の条件として、「喫煙者に禁煙を促し、新規喫煙者の発生を抑制するために、1箱あたり2ドル(約260円)以上の値上げを実施すべきである、と発表した。(平成10年5月)

ニコチン嗜癖には遺伝的変異が関与

 ある種の人々はドパミンD2受容体(DRD2)遺伝子が変異を起こしているために、ニコチン嗜癖の遺伝的素因を有している。理論的には中枢作用性ニコチン拮抗薬を投与すると禁煙が継続できると考えられる、という。(平成10年5月)-Med.Tribuneから

インターネットで58%が禁煙に成功

 インターネットで「禁煙マラソン」を実施している高橋裕子氏が、プエルトリコで開かれる世界健康教育学会でその成果を発表する。(平成10年5月)−Med.Tribuneから

ハリウッド映画の中の喫煙シーン最近急増

 窮地に追い込まれつつある米国で、ハリウッド映画の中の喫煙シーンがなぜか最近急増し、銀幕を通じたひそかな“宣伝”との疑いが浮上している。 最近の映画の主役の57%がたばこをくゆらせており、一般社会の人口の14%が喫煙している現実と比較して、かなり高い喫煙率という。(平成10年5月)

厚生省職員の禁煙マラソン

 5月31日の「世界禁煙デー」で始まる禁煙週間に合わせ、厚生省は喫煙者の職員から参加者を募って1カ月間の「禁煙マラソン」を行う。参加者は今一つで45人、6月30日までの禁煙に成功すれば、修了証と世界保健機関(WHO)のロゴが入ったTシャツを贈る。(平成10年5月) 

加州の新禁煙法60%が支持

 今年1月から施行された米カリフォルニア州の新禁煙法を支持する人が60%に上ることが、ロサンゼルス・タイムズの世論調査で明らかになった。法律はバーなどで働く従業員を間接喫煙から守ることが狙いで、バー、カジノでも経営者以外に従業員が1人でもいれば、全面的な禁煙としている。(平成10年5月)−共同通信から

庁内分煙、新築機に

 愛媛県西宇和郡三崎町では、新庁舎で業務を開始するのを機に、所定の場所以外での喫煙を全面禁止することになった。健康面への配慮と、非喫煙者からの苦情に応えて実施に踏み切った。(平成10年5月)−愛媛新聞から

喫煙に乳がん抑止効果、遺伝子変異持つ女性

 喫煙が、乳がんになりやすい遺伝子変異を持った女性の発がんを防ぐことが分った。今回の発見は乳がんの予防・治療法解明につながると期待されている。ただし、米国や欧州では乳がんの死者より、たばこが原因とみられる肺がんで死亡する女性の方が多い。今回の結果で喫煙を始めないよう、研究グループは警告している。(平成10年5月)−共同通信から

タバコの中毒量と症状

 紙巻タバコ1本に16ー24mgのニコチンが含まれている。ニコチンの急性致死量は成人40ー60mg(2ー3本分に相当)、幼児10ー20mg(1/2ー1本)であるが、タバコからのニコチンの溶出には時間がかかり、溶出したニコチンの吸収は胃液のような酸性液の中ではゆっくりで、15分で3%しか吸収されない。
 また、吸収されとニコチンの催吐作用により吐き出してしまうので、重篤な症状を呈することは稀である。しかし、タバコを浸漬し、ニコチンを溶出させた液を摂取すると、速やかに吸収され重篤なニコチン中毒症状を示す。(平成10年5月)−日本小児科学会誌から

官公庁の17%が禁煙、会議中は64%

 官公庁の17.1%が、事務室か建物全体を禁煙にしていることが、人事院の喫煙対策実施状況調査で分かった。前回調査(96年)より13.3ポイント上昇し、対策が進んだものの、全体の8.9%は全く喫煙対策をとっておらず、喫煙マナーはまだ徹底していない。
 今後の取り組みとして、11.7%が事務室か建物全体の禁煙を予定し、実施済みと合わせると28.8%になる。
 厚生省によると、国民の喫煙率は95年が28.2%(男性52.7%、女性10.6%である。(平成10年5月)−共同通信から

第5回「21世紀のたばこ対策検討会」(平成10年5月22日開催予定)

 標記検討会はこれまで、4回にわたり意見交換が行われた。「防煙」を積極的に打ち出すべきだとする意見と、「分煙」に留めるべきだという意見が対立、議論は平行線を辿っている。
 第4回会合(5月8日)では、東大医学部教授の矢崎義雄委員が「厚生省にとってこれからの課題は予防医学、一次予防として防煙に取組むべきだ」と訴えたのに対し、劇作家の山崎正和委員は「健康を国策的に持ち出すのはナチス、省庁は予防医学に手を出すべきではない」と反発した。(平成10年5月)−日本医事新報から

国内NO SMOKING−日航、全日空など5社も

 日本航空、全日空、日本エアシステム(JAS)、日本トランスオーシャン航空(JTA)、日本エアコミューター(JAC)の5社は、国内線の全便を全席禁煙にすると発表した。開始時期は、JAS,JACが7月17日、日航、JTAが9月1日、全日空が10月1日からである。(平成10年5月)

厚生省が禁煙対策怠りがんに−患者、国とJT相手取り提訴へ

 「長期間の喫煙でがんになったのは、厚生省が禁煙対策を怠ったため」として、患者7人が、国と日本たばこ産業(JT)を相手取り、損害賠償やたばこの自販機での販売禁止などを求める訴訟を起こした。(平成10年5月)

再論 たばこと文化

 劇作家の山崎正和氏が、たばこは正当な文化であり、依存性は文化の本質的な要素であり、麻薬の中毒性とたばこの依存性は医学的にも異質のものである、と主張している。(平成10年5月)-毎日新聞から

たばこ会社−8650億円賠償

 ミネソタ州が主要なたばこ製造会社を相手取り、たばこによる健康被害者に支出した医療費の損害賠償訴訟で、ミネソタ州とたばこ製造会社との間で和解が成立した。(平成10年5月)

禁煙すると脳の感受性低下

 禁煙が難しいのは、ニコチン摂取をやめると、さまざまな快楽に対する脳の感受性が低下し、以前と同じ快感を得るのに、より大きな刺激が必要になるためとする動物実験の結果が発表された。(平成10年5月)


十代の喫煙率が急増

十代の喫煙率が急増

 米医務総監は、米国民の喫煙に関する調査で、成人の喫煙率は減少傾向にある半面、1991年から97年までに十代の喫煙率は約30%も上昇し、そのうち黒人の高校生に関しては80%の急増を記録した、との報告書を発表した。
 クリントン大統領は報告書を受けて「十代の子供たちがたばこ業界の標的となっている」と述べ、子供が買えないようにたばこ価格を大幅に上げる「たばこ規制法案」を早急に採択するよう米議会に求める声明を発表した。(平成10年4月) 

米医療保険組合が集団で米たばこ業界を提訴

 米国最大の医療保険組合(BC&BS)が、米国の大手たばこメーカーが喫煙者だけでなく、非喫煙者も含めた健康保険負担を増大させたとして、同メーカーを相手取り、3カ所の連邦地裁に損害賠償を求める訴えを起こした。
 訴えによると、たばこメーカーは中毒性があり有害な製品を生産し続け、国民を中毒にしようと図ったほか、子供をも対象にした積極的な販売活動を展開したため医療保険負担が大幅に増大した。(平成10年4月) 

キャンパスでも"煙"慮してネ!?-府立医大、龍大、京大- 自販機撤去広がる

 京都の各大学キャンパスから、たばこの自動販売機を撤去する動きが広がっている。すでに、京都府立医科大や龍谷大は自販機の撤去を始め、今春からは京都大でも、一部のたばこ自販機が姿を消す。各大学とも食堂などの施設に禁煙や分煙スペースを設けるなど禁煙化が進んでおり、学生も教職員も愛煙家はますます肩身が狭くなりそうだ。 (平成10年4月)

 

受動喫煙がアテローム性動脈硬化を加速

 喫煙および受動喫煙は累積的かつ不可逆的に血管を損傷し、心筋梗塞や脳卒中を招く恐れがあると、初めて報告された。CVDを予防するためには、受動喫煙の回避に禁煙推進と同等の力を注ぐべきであり、これは糖尿病や高血圧などのCVDリスクファクター保有者およびCVD患者では特に重要である。 今回の研究は、喫煙の危険に関する優れた新知見を提供しており、特に、受動喫煙の危険を子供を持つ両親に知らせることは重要である。 1日にたばこ1箱を吸う喫煙者のそばにいる非喫煙者は、自分で半箱を吸うのとほぼ同等の煙に曝露されている。(平成10年4月)

孤立無援の米たばこ業界、政府・議会と全面対決

 米国のたばこ業界が今や「殺人者」と名指しされ、目の敵にされている。クリントン政権、議会は大幅値上げを柱とするたばこ規制法案を作成し、子どもをたばこに近づけないようにする政策をさらに進める構えだ。これに対し、業界は憲法違反を唱え、全面対決の姿勢だが、孤立無援である。(平成10年4月)

東京に住む20代女性の喫煙率は33.3%

 東京都が97年7月に実施した「健康に関する世論調査」によると、20代女性の喫煙率は、前回調査(’94年)の13.7%を大幅に上回る33.3%となった。(平成10年4月)

禁煙指導の医療費控除

 平成10年1月1日から、ニコチン依存症(たばこ依存)に対する禁煙指導等にかかる費用が、医療費控除の対象になった。禁煙指導に用いられる薬剤費(循環器、呼吸器、消化器疾患などの基礎疾患を有する場合のみ)も対象になる。基礎疾患を証明する領収書に添えて、平成11年の確定申告のときに、申請すれば控除される。(平成10年4月)

たばこ、飲酒は歯の大敵

 喫煙者や大量飲酒者は、歯ぐきがはれ、重症になると歯を失う歯周病になりやすいことが、大阪大歯学部の調査で分かった。特にたばこは歯周病の危険が倍になるという。たばこは歯ぐきの血行を悪くし、酔うときちんと歯を磨かなくなるのが原因らしい。(平成10年4月)

たばこ規制交渉から離脱=ナビスコ

 米国の大手たばこメーカーであるナビスコは、喫煙がもたらす健康被害の賠償金や青少年を対象にしたたばこ広告・販売の規制などをめぐる連邦議会や40州の州政府とたばこ業界の包括的な交渉から離脱する意向を表明した。(平成10年4月)

たばこ会社に文書提出命令

 米最高裁は喫煙による健康被害をめぐる損害賠償訴訟で、大手たばこ会社に対し、タバコ原料の調合法や長期的な販売戦略を記した内部文書3万9千通、約20万ページの提出を命じる決定を下した。会社側は決定を受けて、文書の提出に同意した。
 文書には、青少年向け販売促進を狙った広告推進や、習慣性を強めるためのニコチン成分調合などの企業秘密が含まれている、とされている。(平成10年4月)

Healthy People 2000(米国)

 1990年に策定されたHealthy People 2000は、1995年の中間点で、策定項目の8%が目標値に達しており、40%が達成に近づいていた。たばこ関連の分野でも、同様な成果が挙げられているが、その中で唯一、改善されるどころかより悪くなっていたのは、妊娠中の禁煙率であった。因みに、目標値のマイナス40%であった。(平成10年4月)

米たばこメーカーに65兆円の拠出を求める

 米上院の商務委員会は4月1日、たばこメーカーに25年間で総額5060億ドル(約65兆7800億円)を拠出させ、喫煙健康被害訴訟への賠償金や青少年の禁煙教育に充てることなどを柱にした法案を可決した。10代の喫煙者を今後10年間で60%減らす目標を定め、達成できない場合はメーカーに罰金を科すなど、極めて厳しい内容になっている。早ければ夏にも成立する見込みである。(平成10年4月)


「健康日本21」戦略で2010年の目標設定

「健康日本21」戦略で2010年の目標設定

 平成10年度の厚生省予算の大きな目玉は「健康日本21」戦略である。高齢、少死社会を健康で活力あるものとし、医療費を抑制していくには、疾病の早期発見・早期治療ではなく、一次予防に力を注ぐことが重要であるというのが基本的な考え方である。
 そのため、具体的な目標を定め、それを達成する計画を平成11年(1999年)までに策定する。その一環として、厚生省は平成10年度に「たばこ白書」作成と「喫煙と健康問題に関する実態調査」の費用を予算計上している。(平成10年3月)

スイス航空、98年6月から日本発着全便で全面禁煙実施--ニコチン入りガムで対応

 スイス航空は、日本を含むアジア地域発着の全便で、98年6月1日から全席禁煙にすると発表した。機内にニコチン入りガムを装備し、喫煙者の要望に応える計画である。(平成10年3月)

米で喫煙の経済損失試算//年間1300億ドル

 サマーズ米財務副長官は、喫煙によって失われる米国の経済コストが医療費を含めて1年間に1300億ドル(約16兆9000億円)にも達するとの試算を公表した。クリントン大統領は、たばこ会社に罰金を科すことなどを柱とした包括的なたばこ規制強化の立法を米議会に求めており、財務省の試算には議会審議を経済効果の側面から促す狙いが込められている。(平成10年3月)   

タバコにPCB分解遺伝子 JR総研グループが成功

 鉄道総合技術研究所(JR総研)と東京農工大の片山義博助教授のグループは、人体に有害で処理が難しいPCBを分解するバクテリアの遺伝子をタバコに組み込むことに成功した。JR総研はこれまでバクテリアの培養液の中で高濃度のPCBをほぼ100%分解する実験に成功していた。この方法ではPCBに汚染された土壌の処理はできないため植物による無害化に着目し研究を重ねていた。(平成10年3月) 

超党派でたばこ規制法作成 米大統領、全面支持を表明

 超党派の議員団は,たばこの増税や米食品医薬品局(FDA)の監督権限強化など包括的なたばこ規制を定めた法案を作成した。
 クリントン大統領は,「この法案により、たばこを原因とする多くの無意味な死を減らすことができる」と述べて全面的支持を表明、中間選挙でたばこ問題を主要争点の一つに取り上げる方針を打ち出した。法案は、たばこ1箱につき1ドル50セント増税するほか、向こう10年間で青少年の喫煙率を3分の1に落とすようたばこ会社に義務付けている。 (平成10年3月)

たばこ対策活動指針

 (財)日本食生活協会は、「健康づくりのためのたばこ対策活動指針」を策定した。同会は、たばこ対策の必要性と「活動指針」の普及のためのポスターと年間を通して掲示できるようカレンダーを作成し、全国の食生活改善推進員が、人の集まる場所に直接出向き、趣旨を説明した上で掲示する活動を行っている。(平成10年3月)

東京都がたばこ広告自粛

 東京都は都営地下鉄や都バスなどで今後、たばこの広告を自粛していく方針を固めた。都交通局は自粛の理由として(1)健康への害が明白(2)青少年へ悪影響がある―などを挙げている。都営地下鉄の広告は、主に車両の中づり広告や、駅の壁などに設置された電照広告の2種類である。(平成10年3月)


若者の喫煙率低下にPR作戦

若者の喫煙低下にPR作戦--ゴア米副大統領も出演

 ゴア米副大統領は18歳以下の喫煙率を引き下げるため、750万ドルをかけて全米50州を対象にキャンペーンに着手すると発表した。
 副大統領は、小売り業者が18歳以下の若者にたばこを販売しないよう求め、「ヘロインの方が(たばこに含まれている)ニコチンよりも、依存性が低い」、「毎日、3千人の若者がたばこを吸い始め、うち1千人はたばこ関連の病気で死亡する」と述べた。 
 また、たばこ規制を早期に法制化する必要性があると指摘し、10年間にわたり、段階的に1箱当たり1ドル50セント増税することや、たばこ産業に10代の喫煙率低下策を義務付けた法案を成立させるよう、議会に求めた。(平成10年2月)   

                 

愛媛県県庁内は6月から原則禁煙

 愛媛県は、本庁と地方局庁舎に新たに設ける喫煙コーナー以外での原則禁煙を6月から実施する。世界禁煙デーの5月31日から始まる禁煙週間に合わせ、6月1日から実施予定。来庁者にも協力を求める。(平成10年2月)

厚生省の「21世紀のたばこ対策検討会

 厚生省は、保健医療局長の私的検討会として、「21世紀のたばこ対策検討会」を設置し、第1回目の検討会を、平成10年2月24日に開催すると発表した。
 検討会は、最近、若年者(特に女性)喫煙率の上昇、たばこ消費量の拡大、たばこ関連疾患による死亡者数の増大、これに伴う医療費等が問題となってきており、さらに、喫煙習慣とニコチンの依存性との関連や、たばこ煙の発がん性等の危険性、低タール化に伴う健康影響について、国際知見や対策に変化もみられることから、わが国においても、これらの新しい動向を考慮して今後の管理方策を検討するなど、適切な対応を図る必要があるとして設置された。会議は公開される。(平成10年2月)

呼吸器専門医と喫煙

 日本気管支学会会員の喫煙率(平成7年)は22%、日本胸部疾患学会会員の喫煙率(平成8年)は22.7%(男性24.8%)であった。(平成10年2月)

受動的喫煙がHDLコレステロール値を低下

 家庭で受動的喫煙に曝露されていると,HDLコレステロール値の低い小児のHDLコレステロールはさらに低下する可能性がある。(平成10年2月)

国内初の非喫煙者向け保険

 たばこを吸う人に比べ、吸わない人の保険料が最大3割安くなる 新タイプの生命保険商品が国内で初めて売り出される。第百生命保険とアリコジャパに対し大蔵省が12日認可、第百は3月2日から、アリコも3月中に発売する。(平成10年2月)

大学生の平均喫煙率

 1992年、東京のある私立大学の学生(3ー4年生、5688人)を対象に調査したところ、男子55.2%、女子12.0%であった。一方、1997年の東京大学本郷キャンパスの3-4年生男子の学部別喫煙率は、5.2%(文学部)から26.3%(文学部)までの開きあった。
 医学部は11.1%であった。1995年度入学の京都大学学生の1回生時の喫煙率は男子3.9%、女子0.6%、2回生時のそれは、男子10.1%、女子0.7%であった。医学部学生は、1、2回生ともに8.7%であった。(平成10年2月)

禁煙のすすめ

 −最近は道を歩きながらタバコを吸う人が増えたような気がする。後ろを歩いている人にとっては、大変に迷惑であるが、吸っている本人は全く無頓着である。−
 道路に落ちているタバコを数えてみた。道端に捨ててあるのも入れて、なんと、はぼ50メートルで200本を超えたので数えるのを止めた。(平成10年2月)


禁煙は不安を軽減

禁煙は不安を軽減

 禁煙は、不安を軽減するとともに、抑うつレベルが上昇するという以前の知見と矛盾する結果が報告された。これに対し、ニコチンを自己刺激剤としている喫煙者は、禁煙後も不安となりにくいかもしれないが、その他の喫煙者は抑うつ状態に陥ると同時に不安症状を呈するとのコメントもみられた。(平成10年1月)

危険な高年者の一念発起

  毎日40本、50年間タバコを吸い続けていた人が、タバコの害の講演を聞いた次の日から、1本も吸わない禁煙生活を始めるというのも、何が起るか分からない危険が潜んでいる可能性が否定できない。 タバコの害にとっぷりひたらせた体から、いきなり梯子をはずしたりせず、静かにおろしてやる手助けが必要ではないか。(平成10年1月)

薬物乱用防止とタバコ対策

 タバコは覚醒剤やシンナーなど薬物使用の入口であり、薬物乱用を防ぐ教育は喫煙防止教育を抜きにして語ることはできない。(平成10年1月)

喫煙と心筋梗塞が脳卒中後の痴呆に関与

 喫煙やその他の予防可能な脳卒中リスクファクターに注意すれば、脳卒中後の痴呆発症リスクを低減できる。(平成10年1月)

他人の喫煙で動脈硬化--米国で1万1千人調査--

 間接喫煙の影響で動脈硬化が進むことを示す調査データが発表された。
 45歳以上65歳未満の男女約1万1千人を対象に、本人喫煙、間接喫煙と動脈硬化の関係が約3年間にわたり追跡調査された。
 画像診断で動脈を調べた結果、1日1箱以上のたばこを30年以上吸っている人は、喫煙経験が全くない人と比べて動脈硬化が進む度合いが平均50%高かった。間接喫煙に週20時間程度曝された人は、周囲で禁煙が徹底している人と比べると、動脈硬化進行の度合いは平均20%高かった。(平成10年1月)

入国を拒否

 マニラの国際空港で、禁煙となっている空港ターミナル内で、職員の注意を無視してたばこを吸った日本人男性旅行者が入国を拒否された。(平成10年1月)


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