私のスクラップ帳から
その6
平成12年となりました。新たにスクラップを開始いたします。スクラップ帳1、2、3、4、5と同じく、印はたばこのプラス面に触れたものです。(平成12年1月1日記)
受動喫煙と肺癌の関係
受動喫煙と肺癌の関係
多数の報告に基づいてメタアナリシスを行った報告から、1990年代の初めには受動喫煙による肺癌リスクの上昇は1.4前後であるとみられていた。その後、最近に至るまでさらに多くの報告があり、現時点では受動喫煙による肺癌リスクの上昇はさらに小さく、1.3前後とみられている。(平成12年12月)−日本医事新報から
深浦のたばこ自販機撤去に抗議文
青森県の深浦町が条例作りを進めている屋外たばこ自動販売機撤去問題について、全国たばこ販売協同組合連合会が「偏見に満ちた暴挙を阻止しなければ」などと、同町へ反対意見書を提出するよう協力を求める文書を、全国の下部組織に送付していた。文書は深浦町役場の住所、ファクス番号を明記した上、「営業上の死活問題であることを強調してください」と内容例も記してある。町は「組織的な行動では」と話している。内部文書は同連合会の上迫邦彦会長名で作成されており、宛名は全国22の地方「連合会長」になっている。この文書について、同連合会は「機関紙や会議などを通じて、深浦町の取り組みや、それに対して地元の販売店が抗議行動を起こしていることは通知している。しかし、抗議文書を送ってほしいなどといった指示はしていない」としている。意見書を送付した北海道のある組合は「条例ができれば全国初で、深浦だけの問題でなくなる。指示があったかどうかは言えない」と口をにごしている。平沢敬義町長は「送られてくる反対文書の内容がほとんど同じなので、どこかが指示しているとは思っていた。全国連合会は抗議行動だけでなく、自ら社会的な責任を負っていることをもっと感じ取ってほしい」と注文している。(平成12年12月)−東奥日報から
天皇誕生日の「恩賜たばこ」廃止、禁煙運動に配慮
天皇陛下が67歳の誕生日を迎えられる23日に、宮内庁職員らに配られるお祝いの品から、菊の紋付きの「恩賜のたばこ」が消えることになった。禁煙運動の高まりなどに配慮した形となった。同庁によると、陛下の誕生日には例年、「恩賜のた
ばこ」20本と酒1本(180ミリリットル)、おつまみが配られていた。今年から、たばことおつまみの代わりに、菊の紋を焼き付けたお菓子に変更された。恩賜のたばこは、天皇陛下の記念品として、1934年(昭和9)から、兵士や勲章受章者、皇居を清掃する勤労奉仕団などに配られていた。(平成12年12月)−読売新聞から
米国加州の喫煙抑制プログラムが成果、9年間で3万強の心疾患死を予防
米カリフォルニア州の喫煙抑制プログラムは、9年間で3万人強の心疾患死を予防する成果を上げたようだ。同州では1989年から、たばこの増税とメディアを使った禁煙広告などによる、積極的な喫煙抑制プログラムを行っている。(平成12年12月)−MedWaveから
日本はたばこ自販機禁止を、WHO事務局長と会見
世界保健機関(WHO)のブルントラント事務局長が12月20日、2002年の制定を目指す「たばこ規制枠組み条約」交渉について共同通信とのインタビューに応じ、日本政府は「たばこ自動販売機と広告の全面禁止」に応じるべきだと言明した。日本は他国に比べて自販機での販売比率が高く、日本たばこ産業(JT)は自販機の禁止案に強く反発している。今後の条約交渉に大きな影響力を持つ事務局長が自販機と広告の禁止方針を明確に打ち出したことにより、日本政府は今後の交渉過程で厳しい立場に立たされることになろう。(平成12年12月)−共同通信から
ダメ!未成年者のたばこ、松山大キャンパスから自販機消える
臨時国会(11月末)が開かれて未成年者喫煙禁止法の改正がありました。未成年者にたばこを販売した業者の罰則が強化されました。それを受けて、松山大学でもこのほど、学内に設置していたたばこ自販機4機を全部撤去しました。全国の大学に先駆けての試みで、関係者がその効果を期待しています。
松山大学の学生の約半数は未成年者です。学内喫煙率は男子38.2%、女子8.7%です。以前から禁煙エリアの拡大など、禁煙推進活動を行い、その喫煙者数は減少しています。
同大学のたばこの自販機撤去に踏み切ったのは、松山大学生活共同組合です。学生の健康を守る、たばこのゴミを減らして学内をきれいにするーなどの理由です。年間千5百万円という売上げを犠牲にしての決断です。(平成12年12月)−愛媛新聞から
喫煙者は大腸癌による死亡リスクが3〜4割増
喫煙者は、大腸癌による死亡リスクが非喫煙者の3〜4割増になるようだ。米国癌学会のAnn
Chao氏らが、約78万人を対象に、1982〜1996年にかけて前向きコホート試験を行い明らかにした。それによると、喫煙者が大腸癌で死亡するリスクは、非喫煙者に比べて、男性は1.32倍、女性は1.41倍だった。また、このリスクは喫煙期間が長いほど大きかったという。(平成12年12月)−MedWaveから
喫煙警告表示の強化規則を承認、苦痛をもたらす死の原因
EUの議会である欧州議会は、たばこの箱に喫煙による肺疾患の図や「苦痛をもたらす死の原因となり得る」などの警告文の印刷を義務付ける警告表示強化規則を承認した。強化規則は2003年末から発効予定で、たばこ箱の前面の30%、裏面の40%を警告表示に利用するよう規定、その内容についても喫煙で黒ずんだ肺や歯の図などショッキングなものを印刷することが可能になる。既にカナダで実施されている警告表示を参考にしたもので、「喫煙は毎年欧州で50万人を殺している」「精液に損傷を与え、生殖能力を低下させる恐れがある」などの警告文が印刷されるとみられる。(平成12年12月)−時事通信から
公共の場は屋外でも禁煙、米郊外で厳しい規制
首都ワシントンに隣接するフレンドシップハイツ地区で、道路、公園などの公共の場では屋外であっても喫煙を一切禁じる厳しい規制が導入される。同地区が属するメリーランド州モンゴメリー郡が12日、この規制を承認した。吸い殻の「ポイ捨て」なども禁止される。喫煙場所が極めて限定されている米国でも、最も厳しい規制となる。(平成12年12月)−共同通信から
低いたばこ税率こそ「庶民いじめ」
「大衆を敵に回す発泡酒、たばこ増税」を読んだ。確かに、発泡酒のビール並課税は庶民いじめである。たが、たばこの増税は「庶民いじめの大衆課税」だろうか。たばこは今日、学校の禁煙教育の目標を「現在および生涯にわたって喫煙しない態度の育成」に置くほどの有害商品と認識されている。世界保健機構は喫煙人口抑制の観点から、たばこの増税を各国に勧告し、多くの国がこれに応じた。だが、日本のたばこ価格は先進国の中では最も低い。たばこの10%以上は未成年が購入していると見られているが、現在の260円程度の価格を一気に420円に値上げすると、理論的には未成年の喫煙が解消するという試算もある。未成年喫煙を助長させ、肺がんと医療費の増大を許す、買いやすいたばここそ、本当の”庶民いじめ”ではないか。(平成12年12月)−毎日新聞から
エアドゥの喫煙席導入方針撤回を求める申し入れ
日本禁煙推進医師歯科医師連盟(会長:五島雄一郎)は、エアドゥの喫煙席導入方針撤回を求める下記のような申し入れを行った。私ども日本禁煙推進医師歯科医師連盟(略称:禁煙医師連盟 会員1268名)は、医師,歯科医師の立場から人々をたばこの害から守る禁活動を続けている団体です。さて、われわれは貴社が世界の航空業界の流れに反して、旅客便に喫煙席を導入する方針を表明されたことに強く抗議するものであります。その理由は、第一に、機内での喫煙許可により、すべての乗客と乗員が最悪の環境汚染に見舞われるからです。飛行中、機内の酸素分圧は低下するし、それに加えてタバコ煙にさらされると、呼吸器や循環器に疾患を持つ人が、喘息発作、狭心症発作、脳血管発作を非常に起こしやすくなることは医学常識であります。(中略)最後に、喫煙のできるフライトは大多数の旅客が敬遠し、喫煙率の低い医師層の大多数は貴社のフライトを利用せず、呼吸器疾患、循環器疾患を持つ人には、貴社の便を避けるよう強くアドバイスせざるを得ません。われわれは、貴社が今回の世界の常識に反した喫煙席導入の方針をすみやかに撤回されんことを強く望みます。このままでは、収益のためには乗客の安全を軽視する会社として人々の記憶に残るでしょう。(平成12年12月)
「禁煙の恋人」ニコチンガム、薬局で市販の大衆薬に
医師の処方なしには買えない禁煙ニコチンガムが、来年中にも薬局で市販されることになりそうだ。厚生省の中央薬事審議会部会が12月4日、製薬企業から出ていた申請を受け付け、大衆薬としての承認審査に入ることを決めた。市販の際には1個120円の現行価格を引き下げることも検討されている。厚生省によると、禁煙ニコチンガムは67カ国で承認を受けており、アメリカ、カナダ、欧州各国など42カ国で大衆薬になっている。
(平成12年12月)−CNNニュースから
北海道新聞読者の声
12月1日からエア・ドゥの機内でタバコが吸えるようになった。会社は煙が禁煙席に来ないようにするから勘弁してほしいと言う。でも、タバコを吸わない乗客に健康被害がおよばないようにする分煙対策はコストがかかりすぎて不可能なので世界中の主なフライトが完全禁煙となった歴史を忘れてはいけない。わずか1時間の受動喫煙でも、肺のレントゲン撮影を数回うけたとおなじ死亡リスクをこうむる。
機内のタバコの煙のために命にかかわる心臓発作や気管支喘息の発作を起こす危険は大きい。妊婦さんや赤ちゃんへの影響はさらに大きい。エア・ドゥ本社に喫煙席導入中止を申し入れた時、応対した重役は、受動喫煙が体に悪い事は承知しているが、倒産の瀬戸際という事情を理解してほしいと言った。しかしエア・ドゥがしっかり受動喫煙の害を理解していたなら、増収のための喫煙席導入という道民の誇りを汚す非常識な経営方針は出さなかっただろう。喫煙席導入という「禁じ手」でなく、まっとうな企業努力で苦境を打開すべきだ。(平成12年12月)
時代に逆行と抗議殺到、エア・ドゥが「喫煙席」を導入
格安運賃を売り物に、新千歳―羽田線を運航する北海道国際航空(エア・ドゥ、本社・札幌市)は、12月1日から全席禁煙をやめ、1便あたり約70席を「喫煙席」にする。航空業参入の規制緩和を受けて2年前に就航した同社は、大手3社との価格競争で苦戦続き。生き残りをかけて「日本の空は禁煙」という流れに逆らい、集客をはかる。
エア・ドゥの平均搭乗率は就航当初の8割台から低下傾向が続き、今年9月以降は50%台に落ち込んでおり、収支を改善するため、運賃を来年2月から引き上げる一方、喫煙席の導入に踏み切った。
ところが、導入の発表翌日の11月21日から抗議が殺到し、寄せられた約100件の電子メールの8割が「健康に悪い」「時代の流れに逆行する」など、喫煙席に反対、禁煙推進団体からも撤回の申し入れがあった。一方、喫煙派からは「移動時間が苦にならなくなる」との声もあった。(平成12年12月)−朝日新聞から
生活習慣改善を 横浜で「がん予防」シンポ 検診頼りに批判
生活習慣改善を 横浜で「がん予防」シンポ 検診頼りに批判
大島明・大阪府立成人病センター調査部長は「日本は60年第から、がん検診に頼りすぎている」と批判した。「特に肺がんでは、検診による死亡率減少の効果があまりみられない。むしろ、人手や予算を職場や地域の健康診断などでの禁煙指導に投入し、喫煙率を下げた方が効果がある」と問題提起した。
喫煙と肺がんでは、たばこの煙に含まれる発がん物資「ニトロソアミン」は「CYP2A6」と呼ばれる酵素を活性化するが、この酵素をつくる遺伝子の一部が欠けていると、ニトロソアミンが活性化されないまま代謝されることが発見、報告された。約2割の人がこの欠損型の遺伝子を持ち、この場合は喫煙者でも肺がんになる率が低いことがわかった。逆に、通常の遺伝子を持つ人は、喫煙で肺がんになりやすい「ハイリスクグループ」に属すことになる。(平成12年11月)−愛媛新聞から
たばこ自販機撤去 頑張れ深浦町長
青森県深浦町で、未成年者の喫煙防止のため、屋外のたばこ自販機撤去を定める条例の制定計画をめぐり、町と業界が激しく対立しているという。町長さんの熱意と努力を応援するとともに、運動が全国に発展拡大するよう祈りたい。(平成12年11月)−毎日新聞から
高齢喫煙者は禁煙成功率が高い
高齢喫煙者は禁煙の恩恵を受けないと考える医療従事者もいる。しかし、カリフォルニア大学サンディエゴ校のDavid
M. Burns博士らは、この見解は誤りであり、禁煙したい高齢喫煙者に対してサポートを広げる必要があるようだとしている。
従来、高齢喫煙者は若年喫煙者に比べて禁煙を試みる率が低かった。しかし、禁煙しようとする高齢喫煙者はサポートを求める割合が高く、禁煙成功率も高い傾向にある。
喫煙の害は高齢者のほうが受けやすい。喫煙は、年齢の上昇に伴い死亡リスクや喫煙関連疾患リスクを増大させる損傷の蓄積を引き起こす。喫煙に関連した原因で毎年死亡する40万人の約70%が60歳以上である。
喫煙は思春期に“発症”し、おもに高齢期に障害を引き起こしたり死亡をもたらす“疾患”として位置付けられる。喫煙者の致死的
3 大疾患は肺癌、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、冠動脈疾患(CAD)である。高齢者が禁煙した場合、回復することが示唆されている。しかし,若年者が禁煙した場合ほど、十分かつ速やかに回復しない。高齢者の禁煙の恩恵は年齢とともに小さくなると考えられるが、どの年齢でも禁煙のもたらす恩恵には疑問の余地がない。60歳を超えても、禁煙が喫煙関連疾患の発生率に大きく影響すると考えられる。禁煙は、依然として高齢者の喫煙関連疾患リスクを抑制させる最も効果的な方法である。(平成12年11月)−MedTribから
喫煙はアルツハイマー病を予防せず
以前に実施された疫学的研究では、喫煙には痴呆を予防する効果が見込めるという結論が得られていた。しかし、ラドクリフ病院(オックスフォード)臨床試験・疫学研究室のRichard
Doll氏は、「英国で実施された大規模なコホート研究の結果、そのような喫煙のメリットは確認できなかった」と報告した。3
万5,000人以上の男性医師を対象に調査を実施し、1951〜98年の喫煙歴のデータを集めて検討した。その結果、痴呆一般についても、アルツハイマー病に限って見ても、喫煙者でリスクが減少するといった事実は認められなかった。それどころか、喫煙者ではリスクはむしろ増加する傾向があった。ただし、重度の痴呆症に対する影響は大きくはなさそうだ。(平成12年11月)−MedTribから
サウジ病院がたばこ訴訟へ 外国企業などに50億ドル請求
サウジアラビアの国立キング・ファイサル病院は、外国のたばこ製造会社と国内の販売会社を相手に、肺がんなど喫煙に起因するとみられる疾病の治療費約50億ドル(約5千3百億円)の損害賠償請求訴訟を起こすことを決めた。病院幹部は、病院は毎年がんや心臓疾患など喫煙のために多額の治療費を費やしており、法的な賠償請求権があると主張、国内のほかの病院にも訴訟への参加を呼び掛けている。提訴の時期や対象の会社名などは明らかでないが、病院側は既に弁護士を選任、「たばこ会社は、製造過程で習慣性のある物質をたばこに混入している事実などを隠ぺいしている」などと企業責任を問う構えだ。中東各国は一般に喫煙率が高く、ロイター通信によると、サウジなど湾岸6カ国は1998年に5億ドル分のたばこを輸入した。(平成12年11月)−共同通信から
密輸と知りつつ卸販売、EUが米たばこ大手提訴
欧州連合(EU)の欧州委員会は、米たばこ大手のフィリップ・モリスとRJレイノルズ・タバコがEU域内へのたばこ密輸に関与しているとして、両社を相手に損害賠償と密輸行為禁止の仮処分を求める民事訴訟を米ニューヨーク連邦地裁に起こしたと発表した。両社は密輸用と知りながらEU域外の業者に大量にたばこを卸し、これがEUに密輸されて税収に大きな被害をもたらしているという。(平成12年11月)−共同通信から
80億ドル支払いで和解か、米たばこ2社
たばこの健康被害を理由にニューヨークで起こされた集団訴訟の被告となっている米たばこ会社2社が、計80億ドル(約8千6百億円)を支払うことで和解する見通しとなったと報じられた。和解するのはロリラード・タバコとリゲット・グループで、ロリラードは今後30年間に75億ドルを、リゲットは同5億ドルをそれぞれ支払う内容という。(平成12年11月)−共同通信から
日本肺癌学会が「禁煙宣言」
日本肺癌学会は11月2日の第40回日本肺癌学会で、「禁煙宣言」を行った。”
喫煙に関する勧告”として、「喫煙が肺癌リスクを大きくし、また肺癌患者の生存を不良にする十分な証拠が蓄積されたことを踏まえて、日本肺癌学会は、医療従事者はもとより広く国民全体にタバコのない社会づくりを強く勧告する。」と述べている。
また、” 学会としての活動ならびに事業計画”として、10項目からなる具体的な計画をあげている。(平成12年11月)
老人医療費に新しい財源
先日、ある講演会で「たばこ税・酒税」の話を聞いた。この二つの税金が約2兆円ほどあるといわれる。酒やたばこと健康を考えれば、この税金は医療保険の補助金に回すべき性格のものと思われる。とくに、たばこの場合は「百害あって一利なし」といわれている。平成13年度予算の概算要求のなかに「メディカル・フロンティア戦略」がある。がん征圧、心筋梗塞の死亡率低減、脳卒中対策の推進など、いずれも酒・たばこの飲みすぎは、これらの疾病に罹る率が高い。その警告の意味を込めて、「たばこ税・酒税」を医療費補助に回すことに賛成である。「たばこ」1本1円の税でも3千3百憶円となる。高齢者医療制度の抜本改革案に、消費税とたばこ税・酒税の税率引き上げによる財源調達を盛り込めば、新しい感覚の老人医療制度ができ上がると信ずる。(平成12年11月)−週刊社会保障から
喫煙者率33%で過去最低、健康への関心増大とJT
喫煙者率33%で過去最低、健康への関心増大とJT
日本たばこ産業(JT)が毎年行っている喫煙者率調査で、成人に占める喫煙者率が32.9%(前年33.6%)と、5年連続で過去最低を更新したことが分かった。男性喫煙者も昨年比0.5%下がり53.5%と9年連続で過去最低を記録、女性喫煙者も昨年14.5%から13.7%に減った。年代別では三十代と二十代の男性が前年を上回り、三十代の男性の喫煙率(63.4%、前年比1.4ポイント増)が最も高く、二十代の男性(60.9%、同0.5ポイント増)がこれに続いた。女性では、二十代(21.9%、同1.7ポイント減)が最も高かった。JTは「高齢化社会となり、かつての喫煙人口がたばこをやめる傾向にあることや、健康への関心の高まりが大きく影響している」と分析している。(平成12年10月)−共同通信、読売新聞から
たばこ自販機禁止を支持、米代表団長
たばこ規制枠組み条約政府間交渉の米代表団長を務めるノボトニー厚生副次官補(国際問題担当)は10月19日の記者会見で「米国はたばこ自動販売機の禁止を(条約に盛り込むことを)支持する」との方針を明らかにした。自販機の禁止をめぐっては、既にカナダや一部欧州諸国も賛成を表明、一方で、自販機での販売率が高い日本たばこ産業(JT)は「産業全体に大きな打撃を与える」として猛反対しており、禁止に向けた国際的圧力が強まる中で日本政府の対応が注目される。(平成12年10月)−共同通信から
日本、規制内容の緩和を要望 たばこ対策枠組み条約
世界保健機関(WHO)が2003年の採択を目指す「たばこ対策枠組み条約」について、政府は、各国の自主性を重んじる緩やかな内容にするよう求める方針を固めた。条約の必要性は支持するものの、大蔵省やたばこ産業の規制強化への抵抗が根強いことから、規制を「骨抜き」にする主張となりそうだ。16日からジュネーブで開かれる第1回政府間交渉会議で表明する。
条約への対応を話し合う関係省庁会議では、たばこ税率を上げて規制することについて、大蔵省などに「税率を条約で規制することは国の主権を侵す」との慎重論が強い。たばこ関連産業は警告表示、広告、自販機など新たな規制に反対している。
厚生省は規制強化を狙っているが、政府としては、国内のたばこ対策に手をつけずに済むよう、あまり厳しい規制を課さず、多くの国に受け入れられる条約の策定を求めることにした。すでに取り組んでいる未成年者の喫煙防止や分煙の推進、密輸防止などを重視する考えだ。
(平成12年10月)−CNNから
有害だが吸う権利はある、たばこ会社がWHOで主張
「たばこは有害だ。でも吸う権利は守られるべきだ」‐‐。スイスのジュネーブで開かれた世界保健機構(WHO)の公聴会で12日、世界最大規模のたばこ会社がこう主張し、論議をかもしている。たばこの健康被害に取り組んでいる団体などは「政府の規制を逃れようと必死になっている」と非難の姿勢を強めている。
公聴会は、たばこに関する国際的な規制をテーマに開かれた。フィリップ・モリス社重役のデイビッド・デイビス氏は「喫煙は中毒性があり、病気の原因になることは認める」とし、たばこの健康への影響に関する研究データをWHOと共有すると表明、しかし「たばこを吸う、吸わないの決断をする自由は認められるべきだ」と主張した。
「犯罪者にされるのはごめん」‐‐。ブリティッシュ・アメリカン社のクリストファー・プロクター研究規制部長も、何百万人もが健康への影響について知っているにも関わらず喫煙を選択していると主張、「喫煙者の1人として、自分の選択が尊重されることを望む。合法的なことをしているのに、社会ののけ者や犯罪者にされるのはごめんだ」と述べた。
これらの発言に対し、アメリカに本部を置く反たばこキャンペーンの団体は「政府の規制強化を逃れようとするフィリップ・モリス社の狡かつな働きかけだ」と反発。アメリカ肺協会は、公聴会にたばこメーカーが参加したこと自体を「ニワトリ小屋の見張りにキツネを置くようなもの」と批判した。
「発展途上国では子どもの喫煙が増加」‐‐。
WHOによると、子どもの喫煙は発展途上国で増加している。12カ国を対象にした最近の調査では、13歳から15歳の子どもの5人に1人がたばこを吸っている。この現象などにより、今後30年間では、喫煙が原因の死者は全世界で1000万人に上ると予測している。
多くの発展途上国は、たばこ会社が納める多額の税金と雇用の創出を頼りにしているため、国独自での規制は困難だとみられている。
(平成12年10月)−CNNから
癌学会が今年から禁煙に 医者の不養生返上
日本癌(がん)学会が、今月初めに開かれた学会から禁煙になった。喫煙と肺がんなどの関連が強く示唆され、禁煙の重要性がいわれる中で、がん研究の総本山である同学会が率先して「手本」を示そうという意気込みだ。喫煙はがんの大きな要因の一つだ。喫煙者がこうとうがんで死亡するリスクは非喫煙者の約30倍、肺がんの場合でも約4.5倍に達するなどという研究データもあり、研究者らは「がん患者の減少には禁煙が不可欠」と強く訴えてきた。
会場のパシフィコ横浜は、大規模会議場で、ふだんはロビーや会議室内で喫煙できるが、期間中は研究発表が行われる会議室はもちろん、ロビーからも灰皿が撤去された。
(平成12年10月)−CNNから
EUたばこ広告禁止は違法、欧州司法裁
欧州司法裁判所は10月5日、欧州連合(EU)によるたばこ広告規制の決定には十分な法律的根拠がないとして、同決定を無効とする判断を示した。EUは喫煙が健康に及ぼす影響を考慮し、1998年に自動車レースのフォーミュラ1も含めたすべてのたばこ広告を2006年までに段階的に禁止することを決めたが、当時のEUの保健政策では各国の独自政策を規制できないとして、ドイツ政府と各国の広告業界が提訴していた。(平成12年10月)−共同通信から
がん死の危険半減、毎日1時間歩こう
がん死の危険半減、毎日1時間歩こう
1日に1時間程度歩く人は、ほとんど運動しない人よりも、がんで死亡する危険性が半分以下という調査結果が出た。喫煙との関係をみると、一群に属し、1日20本以上たばこを吸う人は、四群でたばこを吸わない人に比べ、危険性が約5.1倍あった。有酸素能力は、日常の運動習慣を反映するとされ、一群は「ほとんど運動しない」に相当、二群は「1日20分程度の歩行」、三群は「1日1時間の歩行」、四群は「1日1時間の歩行と週末の運動」に当たるという。(平成12年9月)−読売新聞から
がん対策-征圧すべきはたばこだ
9月は、がん征圧月間である。そのがんが減り始めた。といっても、米国での話だ。
日本はといえば、飛び抜けて多かった胃がんこそ減ってきたものの、肺がんや大腸がんがじわじわと増え続けており、全体のがん死亡率に減る兆しは見えない。がんは「文明病」という見方があった。だが、米国は増加を食い止めた。日本でもできないわけはない。それには、がん対策の転換が必要である。何より力を入れるべきは、たばこ対策だ。たばこを減らせば、がんは減る。禁煙と食生活の改善で半減するとの見積もりもある。
厚生省が3月に定めた「健康日本21」計画は、米国のヘルシーピープルをまねたものだ。ところがたばこについては、「成人喫煙率を半減させる」という当初案の数値目標が、たばこ業界からの反対を受けて消えてしまった。「仏作って魂入れず」とは、このことだ。
がんは、自分の正常細胞が何らかの拍子で変化して生まれる。年齢とともに出やすくなる。征服して押さえ込もうと目指すような相手ではないようにも思う。大切なのは予防であり、かかった時に納得のいく治療を受けられることだ。今は治る人も多い。再発の不安を抱えながら暮らす人たちへの支援も、社会全体として考えていくときである。(平成12年9月)−朝日新聞から
過度の規制は「主権侵害」、JTなどがたばこ条約批判
世界保健機関(WHO)は9月19日、たばこ規制枠組み条約の国際公聴会に向けて400以上の組織が提出した意見書を公表、日本たばこ産業(JT)や米フィリップ・モリスなど大手各社は国際的なたばこ課税制度など過度の規制は各国の「主権侵害」に当たるなどとして、条約案を批判した。WHO当局者によると、約の本交渉に臨む米国や日本政府もたばこ会社の意向を
受けて「拘束力の弱い」(外交筋)条約内容を求めている。(平成12年9月)−共同通信から
国際肺癌学会「禁煙」東京宣言
肺癌は世界で癌死の最も高いものである。男女共にその発癌発病率の急増は警鐘を鳴らす状況にある。肺癌の9割は喫煙及び受動喫煙によるものであり、そのため予防可能なものといえる。喫煙はその他の多くの癌、循環器系疾患及び慢性肺疾患の主な原因ともなる。子供の喫煙によるニコチン中毒は世界的な流行病であり、速やかな対応を必要とする。
禁煙は肺癌発生の抑止と、高騰する医療費の抑制を計る最良の方法であり、ひいては世界人類の公衆衛生の向上と豊かな生活を成就することができる。
これらの目的を達成するために国際肺癌学会(IASLC)は下記の事項を宣言する。
記
1. 政府に対し、
1)子供の喫煙によるニコチン中毒を防止するための新しい方法の開発
2)分煙などによる非喫煙者の保護のための公共施設・交通機関内での禁煙
3)政府広報・公共広告を通して、喫煙の害・禁煙の啓蒙
4)禁煙を目的としたタバコ税の増額
5)喫煙者に関わる医療費の一部自己負担制の新設
6)初等中等教育での禁煙教育を行うための法令整備、行政指導、予算措置
を要望する。
2. 医学会や医療機関に対し、禁煙運動と禁煙教育への協力支援を依頼する。
3. 医療関係者に対し、禁煙のためのカウンセリング技術の習得を要請する。
4. 産業界・メディアに対し、タバコの広告宣伝及びセールス活動を廃止するように要請する。
5. 国際肺癌学会は、肺癌に関する資料を公共のために提供する。
この宣言は2000年9月14日に発効する。(平成12年9月)−禁煙推進医師歯科医師連盟MLから
紫煙の誘惑 断てぬ日本
「たばこ規制」の動きが世界的に強まる中で、日本の立ち遅れが指摘されている。職場や公共施設などの禁煙・分煙対策は欧米と日本でどう違うのか。「たばこ問題情報センター」の渡辺文学代表に問題の現状と課題を聞いた。
○公共交通の車内、駅や一般の職場などで禁煙場所が急速に増えているように見えるが。
「例えば米国と比べても日本は大幅に遅れており、世界レベルにはほど遠い。旅客機や列車内、公共の場所の一部では進んだが、中央官庁では分煙していない庁舎がほとんどである。地方自治体の分煙庁舎は増えてはいるがまだ少数だ。民間企業の禁煙・分煙実施はやっと3割を超えた」
○喫煙は寿命を縮めるという説には、科学的根拠があるのか。
「もちろんだ。昨年の『たばこと健康に関する世界保健機関(WHO)神戸国際会議』の宣言でも『1日当たり1万千人、年間4百万人がたばこに関連した疾病が原因で死亡している』と指摘し、1977年英王立医師会が『たばこ1本で5分30秒寿命が縮まる』とのデータを発表するなど、たばこと寿命の因果関係は疑う余地がない」
○日本は欧米に比べ「たばこに甘い」と言われるが、具体的にどう甘いのか。
「今年8月、米国のシカゴで開かれた『第11回たばこか健康か世界会議』に参加した際、日本のたばこの箱に書いてある『健康を損なう恐れがある。吸いすぎに注意しましょう』との表示が、外国の学者や非政府組織(NGO)代表らの失笑を買った。『吸いすぎとは何本以上?』『なぜ、健康を害するでなくて、損なう恐れとしか書かないのか?』、警告とはとても言えない。たばこを売る側の単なる気休めだ、と」
○外国では規制にどう取り組んでいるのか。
「米国では紙巻きたばこのパッケージに『喫煙は肺がん、心臓病・・の原因』など、4種の警告文の一つの表示を義務付けており、カナダは来年から写真入りで歯周病の原因や周囲の子供への害毒になると指摘した16種類の警告文を印刷する。南ア、北欧諸国、タイなどでも厳しい警告表示義務がある。日本の規制の甘さは街にあふれるたばこ自販機や看板、車内広告を見ても明らかである。たばこの害追放の社会意識も希薄だ。
○禁煙・分煙意識を高めるにはどうしたらいいか。
「政府に、国民の健康を守るためにたばこを規制しようとするポリシーがないのが一番問題だ。私の調査では、今の19閣僚中、喫煙者は3、4人なのに9閣僚が『たばこ族議員』で、たばこの生産者や小売業者の利益を代弁している。国民的立場に立つよう、国会議員への働きかけを強化したい。それに大蔵省がたばこ事業の監督官庁であるために、たばこを財源としてだけ見ているのも害悪の根源だ。所管を厚生省にして健康重視に転換すべきだ。そうすれば医学団体の取り組みも活発化するのでは」
○喫煙者の「吸う権利」について。
「自室や書斎に押し掛けてまで『たばこNO!』とは言わない。だが吸わない人に被害を与える行為を黙認するわけにはいかない。一番大事なのは教育・啓もう活動と本人の納得だ。日本では、そういう努力がまだまだ不十分だ」(平成12年9月)−東京新聞から
東京で世界肺がん会議 禁煙宣言を採択へ
世界肺がん会議が9月11日から15日までの会期で東京で開かれる。がん専門医や研究者ら約2千5百人が参加し、最新の治療や診断、予防などについて討論する。会議を主催する国際肺がん学会は14日の総会で、喫煙が肺がんの最大原因として、世界に禁煙政策を訴える東京宣言も採択する。
肺がんは治癒率も悪く、がん死因で最も多い。米国や欧州の一部で喫煙率が低下して男性の死亡が減り始めたが、日本も含め世界的には増え続けており、その克服が課題になっている。(平成12年9月)−共同通信から
伊が喫煙者天国脱皮? 公共施設やバーで禁煙令
イタリア政府は閣議で、不特定多数が出入りする公共施設やレストラン、バーなど屋内での禁煙を義務付け、違反者に厳しい罰金を科す禁煙令を決定した。
イタリアは多くのラテン諸国と同様、”喫煙者天国”。喫煙は個人の自由との考え方が根強く、役所や空港の「禁煙」の掲示の前で堂々とたばこをふかす光景が珍しくない。レストランやバーでの喫煙も法令では規制していなかった。
しかし禁煙令が官報の告示で発効すれば、換気設備のある特定の区画以外でタバコに火を付けた本人は最高30万リラ(約1万5千円)、対策や喫煙者への注意を怠った施設の所有者、管理責任者らは最高300万リラ(約15万円)の罰金となる。告示がいつになるかは不明である。(平成12年9月)−南日本新聞から
それでも喫煙者は禁煙しない、虚血性心疾患入院例の事後調査
フランスでは、虚血性心疾患で入院した喫煙者の6割以上が、その後も禁煙していないという調査結果が出た。調査の対象は、1998年1月に虚血性心疾患で入院し、救命された77施設の1394例で、約70%が男性、喫煙者は全体のおよそ40%にあたる553例である。このうち、退院6カ月後に禁煙していたのは、40%にも満たない218例だけだった。
興味深いのは、狭心症よりも急性心筋梗塞による入院の人、冠動脈疾患の家族歴がない人よりある人の方が、禁煙していない傾向が強かった点だ。よりリスクの高い人の方が、禁煙できていないということになる。(平成12年9月)−MedWaveから
間接喫煙の影響に否定的=国際公聴会の意見書でJT
10月にジュネーブで開催される「たばこ規制枠組み条約」の国際公聴会に向け、日本たばこ産業(JT)が世界保健機関(WHO)に意見書を提出、間接喫煙の影響について否定的な見解を示していたことが分かった。意見書提出は、公聴会参加の前提条件で、JTのほかフィリップ・モリスや中国の国営企業など、世界の大手各社は同日までに意見書を提出、参加の意向を明確にした。(平成12年9月)−共同通信から
たばこ規制条約 策定へ、『加害者』ニッポン、問われる国際責任
たばこ規制条約 策定へ、『加害者』ニッポン、問われる国際責任
「世界中からたばこを減らすことで、何百万人もの命が救われる。地雷禁止条約と同様、たばこ規制条約も殺人を止めさせるのが目的です」。この6日、シカゴで開かれた世界禁煙会議開会式でブルントラントWHO事務局長(元ノールウェー首相)が、力強くこぶしを振り上げると、132か国の政府担当者、研究者、民間活動家らから大きな拍手が起った。たばこ規制は地球的な課題として、各国が足並みをそろえる必要がある。WHOが「勧告」よりも法的な拘束力のある「国際条約」へと戦術を強化した背景にはこうした事情がある。討議のテーマは、たばこ税や販売価格、広告規制、警告表示、青少年の喫煙防止、成分量の規制、依存症の治療など多岐にわたる。日本政府は昨年の総会で、条約策定に賛同した。広告や警告表示規制が定められると、国内法にかかわる部分も出てくるが、世界から取り残されない取り組みを求めたい。(平成12年8月)−読売新聞から
乗務員のせいで
たばこの煙を嫌がり、座席を替えてくれと頼んでいたぜんそくの男性が機内で死んだのは、乗務員が要望を無視したせいだとして米連邦地裁はこのほど、ギリシャのオリンピック航空に、70万ドル(約7400万円)の支払いを命じた。(平成12年8月)−愛媛新聞から
喫煙規制 名ばかり、自販機・広告・誘惑いっぱい、おいしい税収
喫煙の低年齢化が進んでいる。世界でも先駆的な未成年者喫煙禁止法ができて今年で百周年、建前は20歳未満の喫煙を禁止しているが、実際はたばこの自動販売機が増え続けているなど逆に喫煙を促すともいえる形になっている。背景には、将来の医療費を抑えたい厚生省よりも、たばこの税収をあてにする大蔵省の意向が強く働く事情もあるようだ。(平成12年8月)−朝日新聞から
禁煙中学生日記、日に5−10本、
ニコチンパッチ貼って2週間、 継続に周囲の援助必要
公立中学校の2年生のA君、1年ほど前から友達のまねをして吸い始め、量は1日5本から10本、担任の先生に連れられ、奈良県大和高田市立病院の高橋裕子医師の禁煙外来でニコチンパッチの処方を受けた。A君は2週間後、高橋医師に、「禁煙を続けています」と電話してきた。高橋医師によると、中高生の禁煙は大人より簡単で薬も少なくてすむ半面、有人の誘惑もあって続けるのが難しい。1年後に禁煙が続いている割合は大人6割、中高生1割だ。(平成12年8月)−朝日新聞から
たばこか健康か世界会議、欧米 禁煙が健康政策に、日本、「個人の意思」任せ
日本ほど、たばこに甘い国はない。シカゴで開かれた「第11回たばこか健康か世界会議」に世界132か国から4千5百人が参加した。禁煙活動家だけでなく、国や自治体、世界保健機構(WHO)など、健康政策の柱として本格的に禁煙に取り組む公的組織の参加が増えた。
「たばこは個人の嗜好品」という日本の常識は国際社会の潮流から大きく外れている。会議にはシャレーラ米厚生長官も連日出席、米国やWHOの熱意が目立った反面、日本の影は薄い。参加したのは約30人の活動家や医師、研究者で、国の担当者の姿はなく、展示会場にも日本の企業・団体の出展はなかった。(平成12年8月)−朝日新聞から
喫煙者は酸化に対する抵抗性が低い
「喫煙者では非喫煙者に比べて、酸化に対する体内の天然防護剤であるparaoxonaseの量が有意に低下している」ことがわかった。この研究では,para-oxonaseの量が低下すると、重度の冠動脈疾患のリスクが増大するだけでなく、抗酸化能も低下すると結論付けられている。
Paraoxonaseの量が低下すると、酸化作用が増大し、血中のコレステロール濃度が上昇することがある。その結果、心臓発作や狭心症の引き金となる閉塞またはプラーク形成が生ずることがある。(平成12年8月)−MedTribから
喫煙者は違法薬剤常用のリスクが高い
麻薬常用を中止するのは困難であるが、喫煙者ではさらに困難と思われるという。
薬物依存者では喫煙と違法薬剤の使用との間に関連性が認められ、喫煙本数の多い人ほど違法薬剤を使用している可能性が高かった。同研究は,ニコチンとアヘン製剤およびコカインは同様の脳内経路を共有して薬剤に対する欲求を強化していることを示している。(平成12年8月)−MedTribから
肺がんX線検診は無意味?、喫煙者を20年追跡調査
肺がん発見のための胸部エックス線検診を定期的に受けた喫煙者を20年以上追跡調査した結果、定期検診は肺がん死を予防する観点からは無意味と分かった、とメイヨー病院の研究グループが国立がん研究所雑誌に発表した。検診で疑わしい症状が見つかった後の組織検査や手術などが、かえって受診者に危険や不安感を与えていると指摘していいる。(平成12年8月)−共同通信から
米、喫煙者半減目指す、医務総監が戦略発表
米医務総監が、米国の喫煙者数を今後10年間で半減することを目指す戦略を発表した。米国の喫煙者は18歳以上の人口の約23%を占めている。医務総監は、喫煙は「防ぎうる死亡や病気の第1原因」と述べ、対策強化を強調した。戦略は、たばこの値段が10%上がると消費量は3−5%減るとして、現在1箱400円程度なのを増税で値上げする必要があると指摘、ほかにもさまざまな手法を組み合わせて喫煙減らしを目指している。(平成12年8月)−共同通信から
<たばこ>健康維持には世界的増税が最良、WHOと世銀
世界保健機関(WHO)と世界銀行は、健康維持のため、たばこの消費を抑制するには、たばこに対する世界的な増税が最良の手段と結論づける報告書をまとめた。報告書の実現を各国に求める方針で、日本もたばこ増税を財政上だけでなく、健康面からも求められそうだ。
「伝播の抑制−たばこの普及を抑えるための政府や経済学のあり方」と題する報告書は、現在は世界で10人に1人が喫煙の影響で死んでいるが、途上国でのたばこの急速な普及で2030年までに6人に1人、年間1000万人が死亡、死因の中で最大の要因になると警告、世界の喫煙人口は現在の約11億人から、2025年には16億人を超えると予想している。
たばこの消費抑制に増税が効果的なのは、低所得者や子供、青年がたばこをやめる効果が大きいため、価格を10%値上げすると、低中所得国で約8%、高所得国で約4%、消費が減少すると試算し、世界全体でたばこ価格が10%上がると、4000万人がたばこをやめると予測した。
増税しても、たばこ産業への依存度が高いサハラ以南のアフリカを除けば、雇用に大きな影響は出ないと指摘し、このほか、たばこ広告の全面禁止、職場や公共的な場所での禁煙の徹底など非価格的な措置で、2300万人がたばこをやめると予測している。(平成12年8月)−毎日新聞から
医師も戸惑う健康情報、覆された「たばこはアルツハイマー病を予防」
昨年、今年と相次いで発表されたコホート研究によれば、たばこにアルツハイマー病の予防効果はないという。
今までに、アルツハイマー病と喫煙との関連について少なくとも30の疫学調査がなされているという。確かにそれらの研究の大部分では、アルツハイマー病患者には喫煙者が少ないという結果が出ている。それではどうして最近の研究はそれまでの結果を覆してしまったのだろうか。まず、今までの研究の大部分はケースコントロール・スタディであったことに原因がある。これは、アルツハイマー病の患者群と対照群との間で喫煙率に差がないかを調べる方法であるが、いろいろなバイアスが入りやすく、それが結果に影響する。
ある時期正しいと考えられていた医学理論も、時にその後の研究で覆されることがある。常に新しい情報を取り入れていないと大きな間違いを犯すのだと、今回反省した次第である。(平成12年8月)−日経メディカルから
国連妨害工作でWHOがたばこ会社糾弾、JTにも言及
今年秋に本格化する「たばこ規制枠組み条約」の交渉を控え、世界保健機関(WHO)は、米国の大手たばこ製造会社が科学者への資金提供などを通じてWHOをはじめとする国連機関のたばこ規制政策に対し、戦略的かつ組織的な妨害工作を行っていたと糾弾する報告書を発表した。日本たばこ産業(JT)についてもふれ、1987年に日本で開かれたWHOの会合の際に、JTが40人の科学者に資金提供し、たばこの害について「中立的な」報告書を提出させて、「会議の流れを左右させようとした」と記した。(平成12年8月)−朝日新聞から
医療保険料における負担の公平
医療保険料における負担の公平
本来、保険というものの「公平」性からいえば、リスクの高い者が保険料を多く負担するのが原則である。この原則に基づき、火災保険や自動車保険は設定されている。現在、健康に関する最大の課題は「生活習慣病」対策である。最近発売された「生命保険」で、喫煙者の方が非喫煙者より生命保険料が高く設定されている。生活習慣病の危険因子であるタバコを吸っている人は「生命保険」と同じく、「医療保険」おいても高い保険料を負担するのが「公平」ということになる。しかし、事務手続きが煩雑になるので、タバコ料金に「医療保険料」相当分を上乗せすればよい。タバコ料金を値上げして、「医療保険料」に充当することは「負担の公平」なのである。(平成12年7月)−週刊社会保障から
予防医学は有効か、その費用と効果を考える
宮城県の大崎保健所管内にある1市13町すべての市町村で、40歳以上の国保加入者全員5万5千人に対して、平成6年に生活習慣などのアンケートを実施した。喫煙習慣と医療費との関係については、約2年間に要した医療費を比べてみると、過去に吸っていた人も含め喫煙習慣がある人は、タバコを吸わない人に比べて6%も医療費が高くなっていた。しかもこれは、一日あたりの喫煙本数が多いほど高くなった。また、喫煙、肥満、運動不足を組み合せ、医療費を比較したところ、三つともリスクを持たない人に比べて、タバコだけ該当する人の医療費は7%増、肥満のみ該当する人は2%増、三つともリクスを持っている人では、医療費が35%も高くなっていた。(平成12年7月)−大崎国保加入者コホート研究から
胎内たばこ曝露で喫煙開始が早まる
ピッツバーグ大学と同大学医療センターは、「若年者の喫煙開始リスクファクターとしての胎内たばこ曝露の影響については、ほとんど見過ごされてきた。われわれの知見は、胎内たばこ曝露が小児の早期喫煙開始に重要な影響を与えることを示唆する」と報告した。(平成12年7月)−MedTribから
連邦地裁への移管を申請、16兆賠償でたばこ企業反撃
たばこの健康被害をめぐる代表訴訟で米フロリダの州高裁陪審団から総額1450億ドル(約15兆8000億円)の懲罰的賠償の支払いを命じる評決を受けた米国の大手たばこ会社5社は、裁判をマイアミの連邦地裁に移管するよう同地裁に申請した。連邦裁判所は州裁判所に比べ、賠償額の認定などで代表訴訟の被告企業に甘い判断を下す傾向があるとされ、被告企業側は裁判の“土俵”を変えることにより、反撃を狙ったとみられる。(平成12年7月)−共同通信から
JTが参加に前向き姿勢、たばこ条約の国際公聴会
たばこによる健康被害の削減を目指す「たばこ規制枠組み条約」をめぐり、ジュネーブで10月に開かれる初の国際公聴会に日本たばこ産業(JT)が参加に前向き姿勢を伝えてきたことが分かった。たばこの生産や消費に厳しい規制を求めている非政府組織(NGO)は、たばこ会社の公聴会参加が「条約を骨抜きにするための宣伝の場」にすぎないと批判しており、JTが実際に参加した場合はNGOとの間で激しいやりとりが展開されることになりそうである。(平成12年7月)−共同通信から
潰瘍性大腸炎とニコチンパッチ
「ーー特に面白いのはニコチンパッチです。潰瘍性大腸炎だけは禁煙すると悪化する人がいるといわれていますが、そのような方はニコチンパッチを貼ると改善することがあります。ーー」、「ーー潰瘍性大腸炎に関してはニコチンパッチは
間違いなくよい。特に禁煙をして悪くなった方や禁煙をして発症した方にはよいのではないかというようにいわれています。ーー」(平成12年7月)−日本医事新報から
米たばこ大手が関与の疑い、大規模密輸で捜査中と米誌
米誌ニューズウィーク最新号は、米ノースカロライナ州の連邦大陪審が大がかりなたばこ密輸に大手たばこ会社数社が関与している疑いがあるとして捜査中だと報じた。また世界銀行と世界保健機関(WHO)が近く、たばこ取引を管理する国際協力をたばこ業界が妨害してきた実態を示した調査報告書を公表するとしている。(平成12年7月)−共同通信から
医師の喫煙率は男性で27.1%、女性で6.8%、日医と公衆衛生院の共同調査
日本では現在、男性医師の27.1%、女性医師の6.8%が喫煙していることがわかった。日本医師会と国立公衆衛生院が実施した「医師の喫煙行動と喫煙に関する意識調査」の結果によるもの。医師の喫煙率は一般国民(男性52.8%、女性13.4%、1998年度のデータ)の約半分程度である。
調査は、日本医師会員の中からランダムに抽出した男性医師3000人、女性医師1500人を対象として、2000年の2月から6月に実施した。有効回答数は3771。
年齢別に喫煙率をみると、男性では40歳代(31.0%)、30歳代(30.7%)、女性では70歳代以上(8.2%)、40歳代(7.8%)で喫煙率が高い傾向にあった。
興味深いのは、診療科別にみた喫煙率で、男女ともに、呼吸器科(男性18.9%、女性2.0%)と循環器科(男性20.0%、女性3.1%)で喫煙率が低かった。一方、喫煙率が高い傾向にあったのは、男性では泌尿器科、耳鼻咽喉科(それぞれ38.7%、33.3%)、女性では外科、消化器科(同13.0%、9.1%)だった。
医師の意識については、「医師という立場上、たばこを吸うべきではないと思うか」との質問に対し、喫煙者でも41.4%(ニコチン依存度が中等度の医師)が「はい」と回答した。非喫煙者では83.3%の人が、「医師はたばこを吸うべきではない」と回答している。(平成12年7月)−日経メディカルから
日本のたばこ産業への影響は必至、米の巨額賠償評決
米大手たばこ会社5社に巨額の損害賠償の支払いが命じられた代表訴訟について、日本たばこ産業(JT)は「外国のことであり、コメントできない」としているが、世界的な嫌煙運動が広がりをみせる中、今後、国内のたばこ事業にも影響を与えるのは確実だ。国内でも同種の訴訟が起きている。さらに今年3月には、カナダのオンタリオ州政府が世界の主なたばこ会社とともにJTも被告に含めて損害賠償を求める訴訟を起こしている。
たばこ会社の存続にかかわる巨額の損害賠償額について、JT関係者は「陪審制度など国情の違いであり、日本に波及することは考えにくい」としている。
大手たばこ会社の国際的な寡占化が進む中、JTは生き残りをかけて米大手のRJRナビスコの海外事業を巨額で買収することに踏み切っているが、こうした世界的な嫌煙運動の広がりで今後の事業展開も未知数である。(平成12年7月)−朝日新聞から
米たばこ5社に15兆円の支払い命令、フロリダで評決
米フロリダ州の喫煙による健康被害をめぐる集団訴訟で、マイアミにある州裁判所の陪審団は、フィリップ・モリス、RJレイノルズ・タバコなど米たばこ大手5社に対し、総額1450億ドル(約15兆6600億円)に上る米史上最大の懲罰的賠償金の支払いを命じる評決を下した。これに対し、5社のうちで最高の賠償額となる約740億ドル(約8兆円)の支払い命令を受けたフィリップ・モリスは直ちに控訴する方針を表明した。他社も追随する見通しである。(平成12年7月)−時事通信から
賠償請求額21兆円!米の喫煙被害代表訴訟
喫煙のため肺がんなどになったとして、米フロリダ州の住民がフィリップ・モリスなど米大手たばこ会社5社に損害賠償支払いを求めている代表訴訟で、原告側弁護士は、マイアミの州高裁陪審に、1230億−1960億ドル(約13兆−21兆円)の範囲で懲罰的賠償を決定するよう求めた。同高裁は4月、たばこ各社に対し、がんにかかった2人に計690万ドル(約7億4000万円)を支払うように命じている。陪審はこの額を目安に、推定50万人といわれる同州の各種のたばこ健康被害者への賠償額を算定するとみられる。(平成12年7月)ー共同通信から
健康・長寿のための早期断煙を
健康・長寿のための早期断煙を
私(93歳)が徴兵で入営した昭和5年当時は初年兵で2割程度、2年兵でその倍ほどの喫煙率で、初めは18歳ころからという者が多かった。28歳から旧満州でたばこに手を出したのが始まりで、50歳から咳がひどくなり、たんも異常を呈し、医者から「肺がんの疑いあり」と言われた。そして驚いて断煙した次第だ。その後、健康を回復し、現在も壮年者以上に食欲もある。年金暮らしの老人の長命は、国に負担だから、せめて健康に注意せねばと思う。一人前に成人した皆さんも自分や家族の健康と長命のためになるべく早く断煙するようすすめます。(平成12年6月)−愛媛新聞から
健康の敵は、たばこよりもパソコン、住友生命調査
住友生命が働く女性にアンケートしたところ、「職場で体に悪影響があるもの」のトップに「パソコン画面の見すぎ」があがった。1996年の前回調査で1、2位だった「職場の冷暖房」「職場の乾燥」を抜いた。一方、禁煙、分煙の広がりで「たばこの煙」は大幅に減り、職場の悪役としての存在感が薄まっている。(平成12年6月)−毎日新聞から
発売は「安全たばこ」だけ、NY州が全米初の法律
ニューヨーク州議会と州知事は、州内で販売されるたばこを「火事になりにくいたばこ」のみに制限する州法制定で合意した。発効は2003年7月と企業側に3年間の猶予期間を与えている。このような法律ができるのは米国で初めてで、販売が許されるのは、吸わないまま一定の時間放置すると自然に火が消えやすくするなど改良を加えたたばこである。(平成12年6月)−共同通信から
”喫煙疾病”の治療は喫煙者負担で
たばこは「百害あって一利なし」とは周知の事実で、喫煙による医療費は年間8000億円以上で、しかも健康保険でまかなわれている。好きで吸って病気になっている人を、たばこを吸わない多くの人も拠出している健康保険で治療するのは納得いかない。なぜ、たばこを吸わない多くの国民は抗議しないのか? そこで提案「健康保険の保険料と自己負担金を喫煙者は大幅に増やすし。そして「喫煙による疾病の治療は、この基金でまかなう」。最低限こうでもしなけれぱ麻薬に準ずるたぱこの害から国民を守れない。業界を縮小し転換させるのは国の責務である。(平成12年6月)−毎日新聞から
エイズ、喫煙の影響大、アフリカは平均寿命が低下
−健康寿命関連記事−
世界保健機関(WHO)が発表した世界の平均寿命調査は、先進国と途上国の「命の長さ」が2倍以上も違うという深刻な実態を浮き彫りにした。WHOが特に懸念を抱いているのは、アフリカを中心に拡大の一途をたどるエイズと、喫煙による健康被害だ。今回の調査では、通常の生活を送れない「障害期間」を新たに算出し、先進国の障害期間が6−7年程度なのに対し、アフリカ諸国は9ー10年で、寿命の4分の1が障害期間とされた国もある。WHOはまた、日本だけでなく米国やフランスといった先進国でも喫煙率が高いことに警鐘を鳴らした。(平成12年6月9−共同通信から
「がんに対する考え方・つきあい方」、
生活習慣改善で予防を、喫煙開始時期が早いほど危険
がんの発生をもとから断とうと、遺伝子の研究が進んでいるが、実用化はまだ遠い。現在のところ、がんを防ぐために私たちにできることは、生活習慣の見直しである。中でも問題なのは、喫煙だ。19歳以下で吸い始めた人は、吸わない人に比べ、がんによる死亡率が約6倍と高い。吸い始める時期が早ければ早いほど、その危険性は高くなる。(平成12年6月)−愛媛新聞から
私はたばこをやめて15年になる。この春ヨーロッパを旅行したが、たばこの箱にある警告文書に驚き、7種類買ってドイツ語や英語の文言を訳してみた。「喫煙はがんを生じさせる」「喫煙は胎児の健康を損ねる」「喫煙は健康を損ねる」「喫煙は肺がん、心疾患、肺気腫、妊娠合併症を引き起こす」など、思わず喫煙をためらわせる内容である。その他の国によっては、「喫煙は命を奪う」、「依存性がある」、「老化を早める」、「早死にする」などといったものもあるというので、またびっくり。値段も450円〜750円と高い。また自動販売機は旅した4ヵ国ではスイスのホテル以外では見られなかった。 先進工業国の中では喫煙率が最も高いとされる、わが国の強い対策を望みたい。とりわけ未成年者の喫煙の増加は憂慮される。(平成12年6月)−読売新聞から
禁煙・・これからは「卒煙」、市民団体が「新語」大賞決定
5月31日の世界禁煙デーに合わせて、京都市の市民グループが禁煙にまつわる「新語」を募集し、大賞は「卒煙」に決定した。(平成12年6月)−愛媛新聞から
健康障害招く喫煙減らそう
きょう5月31日は世界禁煙デーです。本年のスローガンは、「Tobacco
kills -Don't be duped(タバコは殺人者だ、騙されてはならない)」で、世界各地で一斉に禁煙イベントが開かれます。喫煙が喫煙者本人のみならず、その周囲の人々の健康を害する習癖であることは、今や世界的な常識になっています。日本は、世界の主要国の中で喫煙対策の大変遅れている国です。本年4月、「健康日本21」が実施され、今後10年間で、「喫煙率半減」をスローガンに、喫煙率の減少に努め、未成年の喫煙をなくすことが目標となりました。この機会に、喫煙と健康障害について今一度考え、「成人男女は共に吸わない、子どもたちには吸わせない」をモットーに、たばこ煙のないクリーンな環境づくりに努めようではありませんか。(平成12年5月)−愛媛新聞から
加齢黄斑変性と白内障手術、禁煙し栄養の補給を、焦らず治療を続けよう
加齢(老人性)黄斑変性は、近年高齢化とともに世界的に増加を示す高度な視力障害を伴う眼底疾患である。残念ながら、すべての加齢黄斑変性に効果的な治療法は確立していない。悪化要因・危険因子の除去はだれでもできることである。高血圧症のコントロール、日光暴露からの逃避や禁煙の励行、さらにビタミンA、C、E、カロチンの補給などが大切である。(平成12年5月)−愛媛新聞から
全病院で禁煙・分煙実施へ、大阪府、2005年までに
大阪府は、府内の病院など約8千の全医療機関で2005年までに禁煙・分煙の完全実施を目指す「たばこ対策ガイドライン」をまとめた。都道府県では初の取り組みで、全医療機関で全面禁煙を実施するか、喫煙・禁煙区域を仕切ったり空気清浄器を使うなどして煙が完全に流れ出ない「徹底した分煙」を行うよう求めている。府の調査によると、全面禁煙を実施している府内の病院は約4%どまりで、分煙化をしている病院でも、煙が禁煙区域に流れ込んでしまう「形だけの分煙」がほとんどという。(平成12年5月)−共同通信から
たばこ広告は規制できないのか
市営地下鉄の車両が”たばこ”だらけだった。日本たばこ産業(JT)と外国ばたこの広告が、1両に10枚ほどある。この広告を目にした青少年に、たばこは健全な商品なのだとのイメージが刷り込まれていく。公共広告機構に問い合わせた。「たばこに起因する病気や他人への煙公害の防止を訴える広告を扱うことは今後もないだろう」との返事であった。理由は、たばこが日本の法律上、違法ではなく、従って特定の商品を攻撃することはできないからだという。(平成12年5月)−毎日新聞から
「禁煙外来」近所はここです、ホームページで紹介
5月31日は、世界保健機関(WHO)が定めた世界禁煙デーである。本気でたばこをやめたいけれど、医師の指導を受ける「禁煙外来」のある医療機関の場所が分からない。そんな人たちのために、全国各地の禁煙外来を検索できるホームページが登場した。大阪府医師会などでつくる財団法人「大阪がん予防検診センター」が、同センターのホームページの中に「全国禁煙クリニックリスト」を新設した。(平成12年5月)−朝日新聞から
禁煙、内部告発した米国の元研究者が禁煙を呼び掛け
5月31日の「世界禁煙デー」を前に、米国のたばこ会社「フィリップモリス」の元研究者で、害を内部告発したビクター・デノーブル博士が来日し、記者会見で禁煙を呼び掛けた。博士は「たばこ会社は『ニコチンに依存性はない』と主張し、たばこの味を宣伝するが、ネズミの実験でも依存性は証明されている」と訴えた。(平成12年5月)−毎日新聞から
「意思が弱いから禁煙できない」はウソ
禁煙を志す人のため病院に禁煙外来という診療科が増えている。その草分けの一人、奈良県大和高田市立病院内科医長、高橋裕子さんは一歩進んでインターネットを使った「禁煙マラソン」という療法で成果をあげている。 高橋さんは近著「タバコをやめられないあなたへ」(東京新聞出版局)で「ニコチン中毒は病気の一種」と断じながらも「『意思が弱いから禁煙できない』はウソ」と書いている。自分に合った方法を見つけて実行さえすればかなり容易に、高い確率で禁煙できるとのことである。(平成12年5月)−毎日新聞から
喫煙者は外傷リスクが高い
米陸軍の新兵を対象に調査した結果、喫煙者は非喫煙者に比べて、骨折、捻挫などの身体外傷リスクが高い、,とする知見が発表された。調査は新しく入隊した女性915人と男性1,087人を対象に、8
週間の基礎訓練プログラム期間にわたり実施された。
外傷率は、女性では喫煙者が56%だったのに対、非喫煙者は46%だった。男性では喫煙者の外傷率が顕著に高く40%、非喫煙者は29%であった。(平成12年5月)−MedTribから
たばこ条約交渉が本格化、WHO、10月に公聴会
喫煙による死者の削減を目指す「たばこ規制枠組み条約」成立のため、世界保健機関(WHO)は、各国政府、たばこ会社、非政府組織(NGO)など「すべての当事者」を対象とする初の公聴会を、ジュネーブで10月12、13の両日に開催すると発表した。
NGOはたばこ会社の参加に反対しているが、「情報を国際的に公開する意義」を優先して会社側にも参加を求める。WHOは19日、ジュネーブで開催中の総会で交渉推進を確認する決議を採択する。(平成12年5月)−共信から
錠剤飲んでたばこサヨナラ、新タイプの禁煙薬、試験開始
「飲む禁煙薬」の安全性や副作用を調べる臨床試験が日本で始まった。英グラクソ・ウエルカム社の「ブプロピオンSR」で、錠剤を1日に1、2錠飲むだけで、たばこを吸いたいという欲求を抑え、禁煙時のイライラや集中力の低下などの症状を軽くするという。順調に進めば、国内でも数年内に発売されることになりそうだ。(平成12年5月)−朝日新聞から
JR東京総合病院の禁煙外来では、ニコチンパッチの使用により6割以上の人が禁煙に成功した。ニコチンパッチは、1999年5月に発売した国内初の貼付型禁煙補助薬で、JR東京総合病院で処方した358人(男性217人、女性141人)のうち、禁煙指導開始から2カ月間の禁煙達成者は219人(61.2%)で、男性が137人(63.1%)女性が82人(58.2%)だった。(平成12年5月)−MedWaveから
間接喫煙に発がんの危険、米厚生省が新たに指定
米厚生省は、間接喫煙の煙やディーゼル微粒子などを新たに発がん物質などに指定した「発がん物質報告第9版」を発表し、人間に対する発がん物質と、発がん性が合理的に推定される物質をリストアップした。これは2年に一度改定され、9版では間接喫煙、直接喫煙の煙を新たに発がん物質に指定した。たばこの煙に含まれる化学物質は従来、発がん物質に指定されていたが、今回から煙そのものを対象にした。間接喫煙について報告は「職場や家庭内の間接喫煙で、肺がんになる危険が増えることを明確に示す研究がある」としている。(平成12年5月)−共同通信から
米国のがん減少続く、禁煙が効果と研究者
米国のがん発生率と死亡率が1990年代に入ってから減り続けていることが、米国立がん研究所などの報告書で分かった。禁煙する男性が増えた効果が出た、と研究者らは分析している。報告書によると、人口100万人当たりのがん患者発生数は90年以降、最新の全国データがある97年までの間に、年平均0.8%の割合で減少し、死者も91年から減り始め、95年以降は年1.7%ずつ減った。(平成12年5月)−共同通信から
健診で死亡率4割低い、男性の非喫煙者
健康診断を受けた人が病死する確率は、受けていない人よりも、男性の非喫煙者で4割低くなるとの実証結果を千代田生命保険が公表した。喫煙者の死亡率については、女性は健康診断を受けた方が約20%低かったが、男性は受診してもしなくても、ほとんど変わらなかった。(平成12年5月)−共同通信から
特集 タバコ・ディジーズ その放置の大罪
最も強力で、かつ予防可能な生活習慣病の危険因子が喫煙である。要するに喫煙は、疾患のあなどれない援軍なのだ。この分かりやすい事実の一方で、わが国には3000万人以上の愛煙家(タバコ病患者)がいる。
彼らに早期から現れる諸症状を発見し、癌や虚血性心疾患といった予後不良の疾患に至らせないことが何より肝心だ。そのポイントは、肺、足、口腔の診断にある。またニコチンパッチの登場で、禁煙指導の成功率も極めて高くなった。早期診断から禁煙指導へという一連の取り組みが、第一線の臨床医に求められている。(平成12年5月)−日経メディカルから
雑記帳:嫌煙運動団体がたばこ議員ら対象に「落選運動」
禁煙・嫌煙運動に取り組む「たばこ問題情報センター」が、総選挙に向け、たばこ族議員などを標的にした「落選運動」を呼びかけている。現職の与党議員60人のリストをインターネットで公開、橋本竜太郎元首相は「3年連続ワーストスモーカー」、中川昭一前農水相は「閣議の灰皿撤去に意義を唱えた」など注釈付きである。
(平成12年5月)−毎日新聞から
喫煙者は残業30分、ロンドンの区役所が新作戦
喫煙者は残業30分、ロンドンの区役所が新作戦 ロンドンの下町の区役所が、たばこを吸う職員に対し、「仕事の手を休めて喫煙に要した時間分、きっちり働いて」と、1日30分の超過勤務を科す新方式の禁煙運動を今年10月からスタートさせる。(平成12年4月)ー読売新聞から
喫煙と肺癌、腺癌でも関連性深い、消化管癌などの原因にも
欧米では、男子の肺癌は直接喫煙と関連性が高く、女子の肺癌は配偶者の喫煙(間接喫煙)と関連性が高いと報告されている。しかし、わが国では、喫煙と肺癌との関係について、扁平上皮癌との関連性は高いが、腺癌との関連性は低いと考えられてきた。埼玉県立がんセンター呼吸器科では、喫煙と腺癌の関係を解析し、腺癌も喫煙が原因と考えられると考察、さらに、喫煙粒子の体内動態と癌の研究により、直接もしくは間接喫煙が上気道癌、肺癌、消化管癌などの原因であるとの成績を得ている。(平成12年4月)−MedTribから
喫煙者の半数以上に肺気腫、CTで病変発見が容易に
香川医科大学放射線科で、約1400人の肺をCTで調べたところ、男性喫煙者の半数以上に、呼吸困難や呼吸不全につながる肺気腫病変が出ていることがわかった。また、年代別にみると、加齢とともに肺気腫の割合が増加する傾向がみられた。肺気腫は、今のところ根本的な治療法はなく、早期に発見して禁煙するしか重症化を防ぐ手立てはない。(平成12年4月)−毎日新聞から
米喫煙訴訟、がん患者3人に計13億円の賠償認める
米フロリダ州の喫煙者が大手たばこメーカー5社を訴えた集団訴訟で、州裁判所の陪審団は、「たばこのせいでがんになった」と訴えた3人に計1270万ドル(約13億3000万円)の損害賠償を認める評決をした。喫煙者本人が起こした全米初の本格的な集団訴訟で、たばこによる健康被害に対する賠償としては過去最高額となった。(平成12年4月)−朝日新聞から
広告制限、増税を要求、WHO国際条約原案判明
「反たばこ」を目標に2003年の成立を目指す「たばこ対策国際条約」の原案が判明した。世界保健機関(WHO)が各国に提示したもので、たばこで健康を害した人々への救済措置や、たばこ税増税、広告の制限などを各国に要求し、たばこ撲滅を進める内容である。この原案をもとにした交渉が今年5月から始まる。同原案は17項目からなり、低年齢者の喫煙防止のために、たばこ税の増税とそれに伴う料金値上げを各国に求めたほか、食堂や交通機関、公共ビルでの分煙や完全禁煙、たばこの広告や街頭頒布、たばこ業者のイべント参加の制限、たばこ依存症への対策や禁煙政策についての各国の情報交換、たばこの箱に成分や有害物質であることを明記する-などを各国に提示している。(平成12年4月)−毎日新聞から
「健康日本21」計画、内容決まる、全国的に運動推進へ
今後10年間の国民の健康づくり運動となる厚生省の「健康日本21」計画の内容が決まった。食生活や運動量、飲酒量などの目安を具体的な数字で目標として示している。懸案だった「たばこ」問題については、たばこ業界や自民党農林族の主張通り「成人喫煙率の半減」が目標から削除された。ただ、たばこ対策の項目の中で、スローガンとして半減目標を掲げる方法も有効であるなどと言及された。(平成12年3月)−朝日新聞から
たばこのニコチン摂取、「軽」くても変わらず、京都の医師ら学会で発表へ
健康志向から人気が高い「低ニコチン」のたばこでも、健康への影響は必ずしも「軽い」わけではない。約300人の喫煙者を調査したところ、吸うたばこのニコチン含有量が違っても、体内に取り込まれるニコチンの量に大きな差はなかった。この結果について、「ニコチンが少ないと、喫煙本数が増えたり、1本あたりの吸う回数が多くなり、結果的にニコチンを多く取り込んでしまうのではないか」と、分析している。(平成12年3月)ー毎日新聞から
喫煙者はパニック発作を起こしやすい、発作発生率は2〜4倍
喫煙者はパニック発作の発生率が、一度も喫煙したことのない人や禁煙した人に比べて、2〜4倍に達する、ことが明らかになった。一般集団のうちの3〜5%がパニック発作に苦しみ、女性ではこの発生率が男性の2倍に達するという。この研究結果は、喫煙が身体的な害を与えるだけでなく、精神の健康にも悪影響を及ぼす可能性があることを明らかにしたものである。(平成12年3月)−MedTribから
喫煙の影に遺伝子あり、禁煙しやすさにも関係
喫煙や禁煙しやすさなどに、神経伝達物質セロトニンを細胞に取り込む遺伝子が関係していることを、あおもり協立病院(青森市)の石川はじめ医師と筑波大遺伝医学研究室(有波忠雄助教授)が見つけた。たばこ依存症の背景に、ニコチン代謝酵素の遺伝型がかかわっていることは知られているが、セロトニン関連遺伝子の関与が分かったのは初めである。禁煙できないのは意志の弱さだけによるものではないことを示す発見といえ、喫煙行動の解明や禁煙指導法の手掛かりになる。(平成12年3月)−共同通信から
国立循環器病センターがたばこのやめ方をアップ
国立循環器病センターは3月15日、ホームページの循環器病情報サービスの中で、新たにたばこのやめ方を発信した。「知っておきたい循環器病あれこれ」に追加したもので、「なぜやめられないか」「禁煙すると、こんな利点が」「やめた人、再喫煙になった人」などの目次からなる。医療関係者にとっては、患者教育のツールとして利用できそうだ。(平成12年3月)−MedWaveから
喫煙者は非喫煙者に比べ侵襲性肺炎球菌疾患の発症リスクが4倍
喫煙者は非喫煙者に比べ、侵襲性肺炎球菌疾患を発症するリスクがおよそ4倍になるようだ。米国疾病管理センターの研究者が、侵襲性肺炎球菌疾患の罹患歴のある228人と、対照群301人について行ったケースコントロール研究で明らかになった。(平成12年3月)−MedWaveから
女性は禁煙が難しい、男性より心理的依存強い
女性は男性より喫煙に対する心理的依存が強く、禁煙による情動不安や集中力欠如などの禁断症状からの不安感を強く感じるようだ、このため、、女性の禁煙が男性に比べて困難なのかもしれない、との研究結果が報告された。(平成12年3月)−MedTribから
厚生省の「喫煙率半減」撤回、たばこ対策、政府本腰を、問われる「やる気」、事業法の存在壁に
厚生省は「健康日本21」計画から、「2010年までに成人の喫煙率を半減させる」という目標値の撤回を決めた。昨年8月、「半減」というこれまでにない大胆な目標値を公表したが、その後の自民党農林族やたばこ業界からの反発の声に屈した形だ。厚生省の弱腰を批判する声は省の内外から相次いでいる。たばこ産業の発展を目的とするたばこ事業法が定められている現状では、厚生省だけでたばこ対策を進めることの難しさが改めて浮き彫りになった。(平成12年3月)−朝日新聞から
喫煙「よその子」も注意して
中2の娘が、「ねえ、お母さん、中学生がたばこ吸いよったら知らん子でも注意できる?」と尋ねる。「注意するにきまっとろ!!」と力んでみせた。すると娘は口もとに不敵な笑みを浮かべ、「お母さんは多分できんね」と言いきった。「学校の先生と親だけが血相変えてしかっても、ほかの大人が注意せんかったら何にもならんよ」と娘は言う。私も胸にぐさっときた。どの子にもいけないことはいけないと注意できなければ、わが子に対する教えにも説得力は生まれてこない。(平成12年3月)−愛媛新聞から
たばこ対策の推進を
「健康日本21」の原案修正過程のなかで、一番問題になったのは「たばこ」であった。成人喫煙者率の半減、たばこ消費量の半減というスローガンは消えた。この修正案は、原案に比べて何歩も後退したものであることは明らかである。根本的な問題点は、わが国の過去、現在を通じてのたばこ対策の取り組み方の甘さにある。われわれ医師としては患者さんや地域住民への禁煙教育、医療機関内での分煙の徹底など、すぐにでも取り組める身近な問題からたばこ対策を推進していこう。(平成12年3月)− 日医ニュース「視点」から
たばこ健康被害で賠償請求=カナダ州政府がJTなどに
カナダのオンタリオ州政府は3月2日、たばこの健康被害で年間約1万2000人の州民が死亡し、州政府の健康管理支出を増大させているとして、日本たばこ産業(JT)を含む世界のたばこメーカーに損害賠償などを求める訴えをニューヨーク連邦地裁に起こしたと発表した。(平成12年3月)−共同通信から
「半減目標」復活させて、禁煙団体が12万人署名提出
「半減目標」復活させて、禁煙団体が12万人署名提出
厚生省が、2010年までの健康づくり計画「健康日本21」から、「成人喫煙率とたばこの消費量を半減させる」、との数値目標の削除方針を決めたのに対し、禁煙運動の普及を進めているボランティア団体「社団法人日本禁煙友愛会」(本部長野県)は2月24日、厚生省に12万人分の署名を提出し、目標復活を求めた。いったん半減目標を掲げながら目標撤回で騒ぎを収めたばかりの厚生省にとっては、きつい“叱咤激励”となった。厚生省の地域保健・健康増進栄養課長は「半減目標復活は難しいが、ご意見はたばこ対策に生かしたい」と話している。(平成12年2月)−共同通信から
WHOと日本のたばこ対策
WHOのブルントラント事務総長と日本医師会坪井栄孝会長などが、「WHOと日本のたばこ対策」について座談会を開いた。その中で、事務総長は、小渕総理とも会い、短い時間であったが、日本の喫煙率の高さ、また特に女性や若い年齢層の喫煙者が増えていることについて懸念を述べたことを明らかにした。坪井会長は、たばこに関する日本医師会のスタンスは、これを抑止していく、要するに日本の喫煙率を下げる方向である、小渕総理が事務総長の訪問に対して即座に了解したと言えないところに、今の日本の問題がある、それは私どもの責任でもあるかも知れないと述べた。また、総長はたばこの宣伝の制限とたばこ税のことについて言及したのに対し、坪井会長は、(たばこの)税金を増やせば消費が下がり、それを補ってなお税収が上がるということですね、と理解を示した。(平成12年2月)−日本医師会雑誌から
未成年者の喫煙行動全国調査成績
「1996年度未成年者の喫煙行動に関する全国調査」によると、喫煙経験者率は男女ともに学年が上がるにつれ増加、男子では中学1年生で既に30%、高校2年からは過半数に達し、女子でも中学1年生で17%、高校3年では4割近くに上がった。今回の調査では、未成年者の喫煙者率は、1990年度の調査結果よりも高く、高校生男子は欧米のレベルにほぼ達していた。この結果、わが国では、小学生からの禁煙教育の充実が大切であることがわかる。(平成12年2月)−スポット小児科医から
全面禁煙の病院は4.4%、大阪府調査
大阪府下の病院のうち、全面禁煙実施の病院は4.4%、何らかの分煙対策実施病院は92.7%であることが、府の実施した「府下病院におけるたばこ対策に関する調査」により明らかになった。分煙対策を実施している病院の3割程度では、医師による直接指導やパンフレットなどを用いた禁煙サポートが実施されていた。(平成12年2月)−エイワニュースから
張る禁煙補助薬、患者5万人突破、予想の2倍
国内初登場の張るタイプの禁煙補助薬「ニコチネルTTS」の使用者が、昨年5月の発売から今月中旬までに、当初予想の約2倍の5万人を突破した。医師の処方せんが必要であるが、張るだけで禁煙が楽になる手軽さから、40〜50代の男性を中心に使用者が増えているらしい。(平成12年2月)−毎日新聞から
情けない、たばこ後進国の厚生省
厚生省の健康づくり計画「健康日本21」から、「喫煙率、消費量半減」の目標案が削除されるという。目標値削除には失望した。そもそも厚生省は、国民の命と健康を守るためにあるのではないか。「先進国」では禁煙の取り組みに力を入れ、アメリカでは官民協力して、成人喫煙率を大幅に下げたという。それに対し、厚生省の動きは何だろうか。初めから目標値を取り下げてしまうなど、「たばこ後進国」日本の情けない姿である。少しはアメリカを見習ったらどうか。(平成12年2月)−毎日新聞から
英国医師会が喫煙に関する報告書、医療としての禁煙治療を提言
英国医師会は2月8日、喫煙治療は医療であるとする提言を盛り込んだ報告書、「英国におけるニコチン中毒」を公表した。これによると、英国における死亡の5件に1件は喫煙が原因となっているようだ。報告書では、ニコチン中毒の治療は対費用効果が高く、国の医療制度の中で医療サービスとして認めていくべきだと主張している。ニコチン中毒は病気であると明示したことで、今後、英国での喫煙に対する捉え方が変わっていく可能性も高い。(平成12年2月)−MedWaveから
喫煙率半減目標、異例の多数決で撤回
「2010年までに成人喫煙率半減」の数値目標をめぐって揺れていた厚生省の新しい健康作り計画「健康日本21」の企画検討会(座長=高久史麿・自治医大学長)が17日、同省で開かれ、目標撤回が決まった。たばこ業界や自民党の一部の反発に配慮し、同省が示した妥協案の採用を決めたもので、新計画は、先進国の中でも喫煙率が高いわが国にあって、目玉となるはずだった数値目標を失い、出ばなをくじかれた格好だ。
検討会では、意見集約のため32人の委員全員に意見を求め、全会一致は難しいとして、「多数決」という異例の決定方式を取った。 その結果、半減目標を撤回する案が支持された。
この案は、同省が今月になって示していた3種類の妥協案の一つ。数値目標を示さずに、禁煙・節煙希望者の支援や分煙の徹底などで喫煙率の減少を目指す一方で、喫煙の健康への悪影響を示すデータを提供し、個人の選択にゆだねることを強調している。
この日は、「数値目標は新計画の最大の特徴、半減目標は維持すべきだ」という意見も出たが、「国が強制するイメージを与えるのは得策ではない」などとする意見が大勢を占めた。(平成12年2月)−読売新聞から
たばこ半減目標を修正、「健康日本21」で厚生省
2010年までの長期的な健康づくり計画「健康日本21」の策定を進めている厚生省は、たばこ対策として盛り込んでいた「成人喫煙率とたばこ消費量を半減させる」との数値目標を見直し、三つの修正案を、2月10日に開かれた計画策定検討会に追加提示した。1案を除き半減目標が全面削除され、代わりに禁煙希望者への支援策充実などを盛り込んでいる。この日の検討会では、半減目標をめぐって賛否両論に分かれ、原案支持を求める声も強く、結論は17日に開かれる上部機関の企画検討会に持ち越された。(平成12年2月)−愛媛新聞から
世界銀行のリポート「たばこ流行の抑制」日本語版をアップ
(財)健康・体力づくり事業財団は、国際復興開発銀行(世界銀行)が1999年5月に発行したリポート「Curbing
the Epidemic: Government and the Economics
of Tobacco Control」の日本語版「たばこ流行の抑制:たばこ対策と経済」をホームページに掲載した。
世界におけるたばこの消費傾向、喫煙の健康への影響や、たばこ対策の経済的側面などをまとめている。テキスト形式のほか、Adobe Acrobat
Readerで読むPDF形式のファイルも用意している。
(平成12年2月)−MedWaveから
禁煙守らない客は搭乗拒否も、JALとANA約款改定へ
航空機内の禁煙化が広がる一方で、トイレなどでこっそり一服する不心得者が後をたたない。業を煮やした日本航空と全日本空輸は、機内での喫煙を暴力行為や客室乗務員へのセクハラ行為などと同じ「迷惑行為」と規定し、常習犯は搭乗を拒否するなどの「強硬策」を取れるよう、4月から国際線の運送約款を改定する。運輸省が2月8日、認可を通知した。両社は今後、国内線も改定する方針である。禁煙を運送約款に盛り込むのは、世界でもまれで、スモーカーに対する包囲網は、ますます狭まりそうだ。(平成12年2月)−禁煙・防煙MLから
想像を絶する受動喫煙の被害
たばこを吸う人と結婚した非喫煙者は、受動喫煙のために1〜3%は心筋梗塞で、1〜2%は肺がんで死ぬ。その外多くの病気が受動喫煙で起こるので、控えめにみても受動喫煙者の5%(10万人中5000人)は最終的に受動喫煙で命を奪われる。この受動喫煙は環境規準を5000倍も上回っている。受動喫煙による健康被害の情報を隠し、たばこを売り続けるたばこ産業の姿勢こそ問われるべきであろう。(平成12年2月)−毎日新聞から
米で未成年喫煙減らない場合、たばこ業界に懲罰税
米政府は2月4日、18歳未満の未成年喫煙者が2004年までに半分に減らない場合、1人当たり3000ドルの懲罰税をたばこ業界に課す方針を発表した。ホワイトハウスは「毎年、40万人以上が喫煙に関連した疾病で死亡しており、90%近くが子供時代に喫煙を始めている」と未成年喫煙の弊害を強調、ロックハート報道官は、業界側の姿勢について、「(未成年の喫煙の防止に取り組むとの約束も)必ずしも言葉通りでない」と批判し、懲罰税の導入は、業界に対策を促すための手段、と説明した。また、2001会計年度(2000年10月―2001年9月)予算案には、懲罰税とは別に1箱当たり25セントの増税を盛り込む予定だ。(平成12年2月)ー朝日新聞から
日本はたばこ規制強化を、WHO事務局長と会見
世界保健機関(WHO)のブルントラント事務局長は2月3日、日本のたばこ規制が大きく遅れていると指摘、たばこ広告の禁止をはじめ規制を強化するよう訴えた。事務局長は、「日本人にとって非常に重要な問題なのに、なぜノルウェーや米国よりたばこ規制が何十年も遅れているのか」と苦言を呈し、広告禁止のほか、「禁煙ビル」など喫煙禁止空間の拡大や、たばこ規制関連法の整備などに努め「たばこに甘い社会風潮」を変えるよう強調した。(平成12年2月)−共同通信から
「たばこ」から「ハイテク産業」へ F1スポンサー変動
自動車レースの最高峰、F1(フォーミュラワン)世界選手権で今季、チームのスポンサーに変動が起きている。 これまで、モータースポーツ界の広告収入は、たばこ業界が70%と首位を占め、F1でも「お得意様」だった。だが、BMWウィリアムズが昨季で主要スポンサーのたばこ会社・ロスマンズとの契約を打ち切り、今季は大手コンピューターメーカーのコンパックに変更するなど、ハイテク産業の進出が目立つ。
これは、欧州連合(EU)がたばこ広告を2006年までに全面禁止する方針を受け、スポーツ界にもたばこ広告を排斥する動きがあることに対応する措置とみられる。(平成12年2月)−朝日新聞から
ニコチン病患者を救おう
禁煙運動は、個人を狙い撃ちするのではなく、強力な分煙活動や新たな依存症患者の発生予防と並行して、公費による患者救済策(ニコチン病治療の健保適用)を講ずるべきだと考える。現にアルコール依存症や生活習慣病が健康保険の対象になっているのだから、ニコチン病患者をその例に加えても異存はあるまい。(平成12年2月)−医事新報から
米国の中学生8人に1人が喫煙、初の全国調査で判明
米国の中学生8人に1人が喫煙、初の全国調査で判明
米国の中学生(11歳から13歳)のうち、8人に1人(12.8%)がたばこを吸っていることが米厚生省傘下の疾病対策センターの初の全国調査で明らかになった。高校生(14−17歳)では3人に1人強(34.8%)が喫煙していることが判明した。(平成12年1月)−共同通信から
2010年までの健康づくり10カ年計画「健康日本21」に、「成人喫煙率と国民1人当たりのたばこの消費量を半減させる」との数値目標案に対して、多数の反対意見が寄せられた。「国民の趣味、嗜好を国家統制するのは問題」、「たばこの耕作農家や小売業に影響が大きい」などが主な内容である。厚生省も「国民みんなが賛同できる計画にしたい」とし、たばこの数値目標見直しの可能性が出てきた。(平成12年1月)−共同通信から
21世紀は予防医学の時代へ
日本医師会の坪井会長とハーバード公衆衛生大学院のブルーム院長が、「21世紀は予防医学の時代へ」と題する新春対談を行った。この中でブルーム院長は、タバコ問題が予防医学の上から最も大切な課題であり、特に「活動の焦点を十代の青少年の喫煙を予防することにおく必要」と述べた。また、坪井会長は、「日医が、たばこの害を何とか防ごうという活動に対して、組織としての関心が低かったという点では反省している。今年からそれをアピールしていこうと考えている。科学的な根拠をしっかりと出して国民を説得していくということも大事であるが、私には政府を説得していかなければいけないという大きな仕事がある。これは大きなプロジェクトになると思う。」と述べた。(平成12年1月)−日医ニュースから
健康被害の写真を義務づけ、たばこ規制でカナダ政府
カナダ政府は1月19日、喫煙による健康被害を明示した写真をたばこの箱に掲載するよう全たばこ会社に命じる「世界で最も厳しい規制」を導入する方針を明らかにした。今後、パッケージの上半分に、喫煙によりむしばまれた心臓や肺、口などの生々しい写真と併せて警告文を載せる一方で、ブランド名は下半分に印刷することになる。(平成12年1月)−共同通信から
ライトでもニコチン倍以上、米団体がたばこ調査
「ライト」などと名がつく軽いたばこでも、実際に吸い込むニコチンとタールの量は広告の表示の2倍以上との研究結果が、米国立がん研究所雑誌に発表された。軽いたばこの愛好者は、一息で吸い込む煙の量が多いのに加え、頻繁に煙を吸うためという。(平成12年1月)−共同通信から
たばこと健康と税について考える
たばこの健康被害については、各方面ですでに医学的に証明されてきています。これはたばこを吸う人は自らの健康を害することによって、国民医療費を押し上げていることになります。したがって、たばこを吸う人はその分、国民医療費に関してより多く負担する必然性が認められると思われます。つまりたばこの税金は、国鉄長期債務や林野行政の失敗の穴埋めするためにではなく、本来的に国民の健康を守るために使われるべきです。(平成12年1月)−武見敬三参議院議員HPから
女性は喫煙にご注意=活発な肺がんの遺伝子
肺がん細胞を増殖させる遺伝子の発現が、男性に比べ女性の場合は特に活発であることが分かったと、米国立がん研究所雑誌に発表された。女性は男性に比べて、たばこが原因の肺がんになる危険が20%から70%高いことが別の研究で分かっていたが、男女差の理由がこの遺伝子の働きで説明できそうだ、という。(平成12年1月)−共同通信から
世界保健機関(WHO)は、平成元年から、毎年5月31日を「世界禁煙デー」と定め、喫煙しないことが一般的な社会習慣となることを目指して活動を行っています。厚生省では、平成4年から、世界禁煙デーに始まる1週間を「禁煙週間」として定め、各種の事業を行っています。
そこで、たばこと健康問題NGO協議会では、平成12年(2000年)の第13回世界禁煙デーに関する標語を募集します。(平成12年1月)−厚生省のたばこと健康に関する情報のページから