四国の鉱物・鉱山の文献集です。

管理人の参考文献!はっきりいって「ネタ本、トラの巻」です。

現在、久しく絶版の稀覯本もありますが

「別子銅山記念図書館」や「西条市立図書館」などで閲覧可能です。

硬軟とり混ぜ、独断と偏見に基づく順不同の羅列ですが、ご了承ください!

 

              

 

 

四国の鉱物・鉱山全般

【日本鑛物誌 本邦鑛物標本】 和田維四郎著

             東京大学出版会 平成13年

 わが国の近代鉱物学書は、本書を以て嚆矢となす。その復刻版であるが、なんといっても圧巻は、付録のCD-ROMである。鑛物誌の和田標本が、美しいカラー写真で.再現されている。特に市之川輝安鉱の質と量には、度肝を抜かれる。

【大日本鑛山史】

             日本産業調査會  昭和15年

 鉱山隆盛期であった大正から昭和初期にかけて、本書や農商務省鉱山局編纂の「本邦重要鉱山要覧」などがしばしば出版された。四国鉱山の沿革について特に詳しい。「優量鉱山」沿革などは、小生の知るところ、本書が唯一のものである。

【日本鉱産誌】(A  BT-a  BT-b  BT-c

          東京地学協会編 昭和29〜34年

 戦後、発行された日本鉱産物の集大成。全12巻からなる大冊であるが、特に A(総論)、BT-a(金・銀その他)、BT-b(銅・鉛・亜鉛)、 BT-c(鉄・鉄合金および軽金属)は稀少。香川県坂出の金山鉱床では、大変お世話になった。

【日本の鉱床総覧 上下】

          日本鉱業協会編 昭和40〜43年

 「日本鉱産誌」が鉱物の集大成なら、本書は戦後日本の成長を支えた鉱山の集大成といえる。愛媛県土居町五良津の「鹿路鉱山」の記載は貴重。日本の鉱山は、その後、閉山に次ぐ閉山で衰退の一途を辿る。その鎮魂歌的存在である。

【桜井鉱物標本】

       桜井欽一博士還暦記念事業会 昭和48年

 個人の鉱物コレクションとしては、かって至高を誇った「桜井標本」の目録。佐々連鉱山の「カーロール鉱」のカラー写真は貴重。愛媛県野村鉱山の「高根鉱」や高知県瓜生野の「菱苦土鉱」なども珍しい。今は国立科学博物館に所蔵。

【日本の鉱物】  益富地学会館編

               成美堂出版  平成6年

 東の桜井コレクションと並ぶ、西の雄!益富壽之助先生の標本の解説。四国地方の鉱物も詳しく紹介されている。この本を片手に産地に出かけ、石を割り続けた思い出をお持ちの方も多いだろう。「鋼玉」や「菫泥石」は垂涎の的である。

【四国鉱山誌】

            四国通商産業局編  昭和32年

 四国の鉱山譜としての最高峰。820ページの大著で、かって四国に存在したほとんどの鉱山を網羅し、その沿革、地質、操業状況まで詳述している。付録の「管内鉱山分布図」は、一目瞭然たるもの。その全てが、いまや遠い幻である。

【日本地方鉱床誌 四国地方】 宮久三千年 編

               朝倉書店  昭和48年

 四国の鉱山産出の各種鉱物について、その金属ごとに詳しく解説している。別子のシュワーツ鉱、優量の輝安銅、佐々連のカーロール鉱など、稀産鉱物についても詳しい。とにかく鉱物愛好家の座右の書。今も、ときどき古書店で見かける。

【鉱物採集の旅 四国・瀬戸内編】 宮久三千年、皆川鉄雄

               築地書館  昭和50年

 鉱物オヤジが、かって鉱物少年と呼ばれていた頃、この本はバイブル的存在であった。採集地の場所が、その鉱物とともに詳しく説明されている。マナーのかけらもないマニアの多い昨今では考えられない、良き時代の良き案内書である。

【愛媛の自然(地学その1 岩石・鉱物)】

             愛媛県立博物館  平成4年

 愛媛県は、自然科学の啓蒙に熱心な県である。「愛媛の自然」は、学生やアマチュアのために斯学の専門家がやさしく解説した小冊子で、昭和34年以来、発刊され続けている。その鉱物関係を抜粋し纏めた資料集で非常に充実している。

【愛媛県 地学のガイド】 永井浩三編

                コロナ社  昭和62年

 愛媛の地学に興味が湧いた時に、まっ先に手にした一冊。現在も増刷され続けているのが嬉しい。赤石鉱山のクロム鉄鉱の写真に魅せられて、関川に通った昔が思い出される。保土野の「ルビー」に関する記事もセンセーショナルである。

【徳島県地学図鑑】 岩崎正夫著

               徳島新聞社  平成2年

 徳島県関係の主要な鉱山、その岩石鉱物が、すべてカラーで平易に説明されている。高越鉱山の斑銅鉱写真なども、うっとりするほど美しい。先生は「ラピス大歩危」の館長さん。四国のたぐい稀なるオタク博物館としてご奮闘を乞願う!

【愛媛県の地質鉱物】

           愛媛県教育委員会  平成15年

 愛媛県の化石や鉱物の産地、鉱山などの現況を調査した報告書。多くは皆川先生が担当している。鉱山は閉山から30年。放置された鉱石や排水など、負の遺産の処理が大きな課題である。マニアの乱掘で消滅した産地も論じられている。

【愛媛石の会 会誌】

             愛媛石の会  昭和56年〜

 「愛媛石の会」の同人誌。昭和56年以降、9号を数える。大学と市井の研究者が楽しく交流しあえる同好会として会員であることを誇りに思う。最近では、会員が発見したダンブリ石を皆川先生が論文にされた。三波川帯では初という。

【愛媛の鉱物】  皆川鉄雄  平成12年

 われらが師、皆川先生の鉱物誌。愛媛の鉱物の全てがカラー写真と共に解説されている。あとがきに曰く「宮久先生の夢の一つであった愛媛県鉱物誌そして四国鉱物誌をなんとか完成させたいと願っています。」「不肖の弟子とは私のための言葉であるような気がします。」とも。とんでもない!

【四国産鉱物種】 皆川鉄雄  平成15年

 いいえ、先生。この2冊に収められた全434種の鉱物誌は、宮久先生の夢であり、私たちの憧れそのものです。「ミナガワライト」の新発見を、今か今かと待ち望んでいます。どうかご研究をさらに邁進され、前人未踏の大金字塔を打ち立ててください。天国の宮久先生も見守っておられます!

 

                      [1] [2]