この頃の現役 パートIII(IV?)−ある日のゴトウ君との会話− S47年卒 井手 浩一 ※イ あ、もしもし、ゴトウ君?今度の週末の予定を教えてくれる?※ゴ あ、えーと、土曜日は午前中で、日曜日は三年生が模試なので…。 ※イ ということは、日曜日は一二年生だけで練習? ※イ あ、はい。その日は、ぼくたちは朝から模試なので。 ※イ ところで模試は何時から何時まで? ※ゴ 朝9時から夜7時までです。 ※イ ……夜7時? ※ゴ 一日だけの模試なら、そんなもんですね。 ※イ (ショックから立ち直って)すごいなあ…今の高校生は。尊敬するなあ。 ※ゴ いや、それほどでも。 ※イ ところで、今度の模試は出来そう? ※ゴ あ…いや…エヘヘ。 先日E養寺のご住職と、現役の演奏を聞きながら、模試について話をしました。 「昔は模試といっても、県模試と旺文社模試くらいしかなかったよなあ」 「いや、確か、進研模試はありましたよ」 彼と私とは多少年代hが違いますが、模試も補習も適当にさぼれた、下校時間もあってなかったような(学校にいるのが最も安上がりだった)牧歌的な高校時代を謳歌した者としては、現役高校生の忙しさには、ただビックリするばかりです。そう言えば、先週の休日、夕方の合奏が終わった後で、シオミ君が「今から塾の試験なんです」と、変に嬉しそうな顔で言ってました(彼のトークにも、すっかり慣れました)。ついこの間トランペット3人娘が「マツケンサンバ」を楽器を持ったままで踊っていたと思うのに、彼女たちも堂々たる受験生です。学校の模試だけでも大変な量なのに、それに塾や予備校が加わる訳だから、本当に自由な時間がない。授業が終わってからの方がむしろ大変だから、高校生が夜遅くなるのに平気な理由が良く分かります。去年のやっぱり今頃、部長のホソカワさんに連絡を取ると、その日のうちに返事がある確率は約30%でしたが、あれは、きっと疲れてたんですね。「…また着信履歴を無視して…」とか悪口を言ってすみませんでした。 タカウチさんやタテノさんたちによると、東京でいわゆる進学校出身の同級生に東高の話、特に運動会の話をすると、ひどく羨ましがられるそうです。都会の高校生は、もっともっと余裕のない生活を送っている。更に、高校時代にバルトークを吹いたと話すと、例外なく凄い!と言われるそうです。今年はそこにマーラーが加わりますが、その険しい山も、もう少しで乗り越えられるところまで来ています。最近は三年生の表情に余裕がないので、なかなか冗談も言えない雰囲気ですが、滅多に出来ないことにチャレンジしているのだから、最後までプライドを持って頑張り通して欲しいと思っています。
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