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解説が妙に長いのも音萌の特徴ですな。

<2部曲目解説>

マーチ「春風」
この曲はとてもシンプルな形式による行進曲ですが、大まかにとらえるとブラスセクションにより華々しく始まる主部と、トリオの二つの部分で構成されています。主部で扱われるテーマは、このマーチの中核をなすもので、とても活気にあふれたものです。一方トリオのテーマはそれとは対照的に鳥が大空を飛び回るような、とても幅広く豊なものです。全体にタイトルが表す通り、明るく元気で爽やかな雰囲気にあふれたマーチです。

バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より夜明け、全員の踊り
この曲は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルがロシアバレエ団の委嘱により作曲したバレエ音楽です。羊飼いダフニスは少女クロエに恋をし、やがて二人は将来を約束する間柄となります。ところがダフニスの一瞬のすきに、クロエは海賊達に誘拐されてしまいます。ダフニスは大いに嘆きましたが、彼はクロエの無事をパンの神に一心に祈り続けました。そしてクロエが誘拐されて数日後の明け方、希望を失い草原をさまようダフニスの前になんとクロエが姿を現したのです。クロエはパンの神の加護により奇跡的に海賊から逃れることができたのです。二人はパンの神に感謝し、そして永遠の愛を誓いました。そして最後は彼らを祝福する仲間達に囲まれて、熱狂のうちに巻くを閉じます。
 今日演奏するのは、その中の「夜明け」と「全員の踊り」で、特に「全員の踊り」は、ラヴェルが作曲に1年以上を費やしたこともあり、彼の作品の中でも色彩豊かで、躍動感にあふれる音楽となっています。

ハリウッド万歳
映画「聖林(ハリウッド)ホテル」(1938年)のためにリチャード・ホワイティングが作った
音楽。この映画は物語そのものよりも、ベニー・グッドマンを初めとする大物ミュージシャンが出演したことのほうで知られています。日本では、テレビ番組「世界まる見え!テレビ特捜部」(NTV系)のオープニングテーマとしてお馴染みですし、ユニヴァーサルスタジオ・ジャパン(USJ)に行くと、園内の至る所でこのアメリカのショー・ビジネスそのもののようなゴージャスな音楽を耳にすることが出来ます。

アメリカン・グラフィティ XV
  虹の彼方に〜ミセス・ロビンソン〜ローズ〜いそしぎ〜ダイヤが一番
 ほぼ毎年出版される、ポップス吹奏楽の楽譜シリーズ「ニューサウンズ・イン・ブラス」の中の看板企画、アメリカン・グラフィティの最新版「第15集」です。
今回はアメリカ映画協会(AFI)が昨年発表した1500名の委員による「AFIアメリカ映画主題歌ベスト100」を参考に選曲されています。
採用された曲の元の映画のタイトルとベスト100の順位は次のとおり。
  虹の彼方に(「オズの魔法使い」(1939年))・・・第1位
  ミセス・ロビンソン(「卒業」(1967年))・・・第6位
  ローズ(「ローズ」(1979年))・・・第83位
  いそしぎ(「いそしぎ」(1965年))・・・第77位
  ダイヤが一番(「紳士は金髪がお好き」(1953年))・・・第12位

ミュージカル「ミス・サイゴン」より
 「ミス・サイゴン」は1989年にロンドンで初演されたミュージカルで、作曲者のクロード・ミッシェル・ショーンバーグはすでに「レ・ミゼラブル」で成功をおさめていたため、この「ミス・サイゴン」も大いに話題を集めた作品となりました。
 物語は、ヴェトナム戦争を背景とし、東洋人のヒロインがアメリカ兵士と恋に落ち、悲劇的な結末を迎えるというもので、その音楽も東洋的なエキゾティシズムや、哀愁を帯びたメロディをたたえており、このミュージカルの評価をさらに高める要因となっています。
 なお今回演奏する宍倉晃の編曲は、2002年の全日本コンクールの自由曲として埼玉栄高等学校の委嘱により書き下ろされたものです。コンクールの自由曲にミュージカル作品を取り上げるという試みは非常に斬新
で、日本の吹奏楽界に新たな風を送り込んだ作品でもあります。




   
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