<3部曲目解説>
▼組曲「惑星」より第4曲「木星 喜びをもたらす者」組曲「惑星」はイギリスの作曲家グスターブ・ホルストによる1917年の作品で、今日では彼の代表作となっています。中でも木星は特に有名で、単独で演奏されることもしばしばあります。副題に「喜びをもたらす者」とありますが、この曲はペンタトニックを用いることにより、メシアンのトゥランガリーラ交響曲に見られるような異国的、楽園的なムードを醸し出すことにも成功しています。また曲想が短い周期でめまぐるしく変化しますが、これも東洋における曼荼羅や寺院のレリーフなどに表現された世界観と通じるものがあります。 それではホルストの描いた一大宇宙を存分にお楽しみください。 ▼歌劇「イーゴリ公」より「だったん人の踊り」 作曲家のアレクサンダー・ボロディンはロシア五人組の一人として知られていますが、彼はもともと薬学博士として生計を立てており、いわば「日曜音楽家」でした。そのため彼の作品は決して多いとは言えず、「だったん人の踊り」の含まれる歌劇「イーゴリ公」も未完のままに終わり、リムスキー・コルサコフの補筆により完成されました。 現在ではオペラとして上演される機会は決して多いとは言えませんが、(大規模な舞台装置を用いることも原因の一つにある)第2幕で演奏される「だったん人の踊り」は妖艶な乙女達の踊り、強烈なリズム感、原始的・民族的な感情など、ボロディンの才能を最大限に発揮した作品として広く演奏されています。 さて、ここでいきなりなつかしの確認クイズ!(前は第27回に登場) Q:ロシア五人組と言えば バラキレフ(M.A. Balakirev、1837-1910)、 キュイ(C.A. Cui、1835-1918)、 ボロディン(A.P. Borodin、1833-87)、 リムスキー=コルサコフ(N.A. Rimsky-Korsakov、1844-1908)、 ムソルグスキー(M.P. Mussorgsky、1839-81) ですが、音萌でよく演奏するムソルグスキーの代表曲はなんでしょう。 1.「変態界のエース」 2.「センター街の塀」 3.「展覧会の絵」 4.「県大会のA」 こたえ:3番 |