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小話3選                           H6年卒 宮内久美子

≪第1話 えーっ!知らんかったわい。≫

 銀天街で買い物を済ませ、原付で帰宅途中、車体が急にがたがたと揺れ出した。私のバイクはよくパンクするので、「あぁ。またパンクしたんやな。家まで後ちょっとやし、とりあえず帰ろう。」と思い、運転をそのまま続けた。それが丁度、家まであと200メートルの重信橋の上だった。その揺れから約1分後、家に到着したのだが、その途中、近所の人たちがえらいたくさん外に出ていた。何かあったんかなと思いながらも、家の庭の前でバイクのエンジンを止めたかどうかぐらいに、母が家から飛び出してきた。「地震だー。」それが丁度3月24日の午後3時30分の出来事である。母は血相を変え、大きい地震だったというのだが、その母に対し、私は「どうせ震度3ぐらいやったんじゃない?とりあえず、NHKつけてみたら。」という返答をした。3時35分ぐらいに地震速報が入ったが、そのときに出た文字は、「震度5強」。思わず口にしたことは、「えーっ!知らんかったわい。てっきりバイクがパンクしたんかと思っとった。」
 今だ周りを見渡せば、何件もの家の屋根に青いシートがかぶさっているほどの状態を引き起こした現象を私は気付いていなかったのである。幸か不幸か?

≪第2話 3種の神器≫

 この春、人事異動で重信から今治の学校へ転勤となった。新しく赴任した学校は、のどかな山の上にあり、歩いて20分ぐらいのところに海があるところに位置している。
 と、ここまではいいのだが、今治に赴任するにあたり、この歳にして初めて一人暮らしをすることになった。「生活に必要な3種の神器を整えなければ…。」と、電気屋に足を運んだ。
 現在、大学生の3種の神器といえば、「パソコン」「携帯」などだろうが、ここでいう3種の神器とは、昭和30年代後半に言われていたものであることを付け加えておく。
 さて、電気屋に行ったが、例のものたちがないのである。松山市内何軒もの店に足を運んだが、どこに行ってもお決まりの文句を言われた。「リサイクル法の関係で、在庫がありません。お届けは、5月の中旬ぐらいになります。」
 4月から約1ヵ月、私は時代をさかのぼった生活を送った。生ものはその日の内に食べきる。などなど。5月に入り、ようやく現代人の生活に復帰した。改めて、文明の利器に感謝。

≪第三話 けーぞーのCafee≫

 高校現役時代、先輩たちから、生物の語呂合わせでいいのがあるよと、「ケーゾーのカフェ」を教えられた。
 毎日3畳ほどの音楽準備室からコーヒーのいい匂いが漂ってきていた。卒業するまでには1度ぐらいは口にすることができるだろうと思っていたのだが、その思いはかなわぬまま社会人となった。
 しかし、卒業して6年後にそんな「けーぞーのCafee」と出会うこととなった。奇しくも、矢野先生と私はこの3月まで部下と上司関係として働いており、私のちょっとした一言がそんな思いをかなえさせることとなった。
 4年前の春に共に矢野先生と同じ学校に赴任し、そしてこの春共に学校を去った。春風は、コーヒーを私に届け、去っていったのかもしれない。


ツッコまずにはいられない
 第2話で三種の神器と書いてんだから3つ書けよ。「パソコン」「携帯」…ハテ?「コネ」?
第3話に書いてある「ちょっとした一言」ってなにー?気になるー。

 





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