準拠する 平成30年卒業 木村 綜一郎 本会報をお読みになる全国各地の皆様へGWも終わり、松山は依然気候の落ち着かない日々が続いております。この会報をお読みになる頃にはきっと蒸し暑さも感じられる程になっているのではないでしょうか。たまには鰻など食べて英気を養いたいものですね(今夏の土用丑の日は7月20日(金),8月1日(水)です)。 遅ればせながら、自己紹介致します。松山に生まれ早18年、良い意味で落ち着きのある街で育つ事が出来ました。音楽活動は小学校からブラスバンド部で3年間トロンボーンを、中学から6年間は吹奏楽部でパーカッションを担当致しました。東高では2年次より生徒会男子副会長の推薦を受け、部活と並行し行事設営や予算活動等に尽力致しました。14人の同級生と顧問を始め、部活動には御迷惑をお掛けしました。現在は自宅で浪人し、志望へ向け勉学に励んでおります。金銭面の事情もありますが、鼎談の結果、自分に合った学習環境を考慮して宅浪を選択致しました。卒業しこの年になり、漸く自身を取り巻く環境の温かさに気づいている次第です。OB,OGの皆様方には遠く及びませんが、本校での学びを糧に蛍雪の功を積む限りであります。未熟者ではありますが、改めこれからの活動も宜しくお願い致します。 修学旅行を心待ちにする現役2年生の声もさながら、執筆中のGWに各種メディアを眺め見ていると(野党が“18連休”等と揶揄されている事はさておき)、「来年のGWは10連休」という情報が目に付きました。天皇陛下の生前退位に伴い、私の生まれた年号「平成」は、31年4月30日を以て新年号へと移行されます。春には予算案審議,統一地方選,人事異動、加えて7月の参院選と、多忙な時期を考慮して決定された節目の日。連休に喜ぶお茶の間の声と共に一喜一憂せず、怠惰な生活とならない様日々過ごす事が大切だと思います。 この一年は浪人中の為、県内外に進学した同級と異なり多分な環境の変化は有りませんが、それ故に気を付けている事が幾つか有ります。家族を除く人との会話量、運動量、体力、体重の減少です。(笑)どんな状況でも一番大切なのは“健康”ですね。折角なのでここで献血の協力も呼び掛けておきます。輸血に使用する血液は使用期限があり、常に必要なものです。お時間あれば、どうかお近くの献血ルームへ。 さて、皆さんは「準拠集団(reference group)」という言葉を御存知でしょうか?「準拠」とは“在るものを拠り所とし従うこと”。社会心理学の内容として大学で学んだ方も多い事と存じますが、簡潔に申しますと“属するかどうかに関わらず、自身の思想に影響を及ぼす集団”の事です。狭義では家族親戚,サークルや職場から、広義ではバイト先,政党,宗教や、SNS等のコミュニティも当てはまります(但しこれを「人との繋がり」と見るかは人それぞれの価値観に依る)。 一般に、人は影響を受ける集団の数が多いほど、活動は活発になる傾向にあります。通学している内は準拠する人や場所が多く、仮に一つの集団で孤立しても、他の集団でストレスを発散する事が容易です。新たな趣味を作ると、その界隈に没頭したり別視点からの思想に影響されます。一方で、進学や就職、退職における新生活では集団の多くがリセットされます。孤独死防止に老後の趣味作りが大切などと言われますが、どの年齢でも能動的に集団に参加しなければ、孤立や孤独というのは案外近くに潜んでいるものです。原因云々に関係なく、世に言う若者のご近所付き合い離れは、共同生活の根付いていた日本人の首を絞めるだけだと私は思います。付き合い方は大切。 自分に投影した際、生活における準拠集団の在り方はどうでしょうか?すぐに改善できる事もあります。億劫な夏の暑さはエネルギー源に変え、良いサイクルを作っていきましょう! 思わせ振りな前振りではございますが、考えると“音萌の会”の存在は立派な一つの準拠集団であります。人によっては集団として集まる事が困難でも、学生時代の記憶や現役生の活躍に想いを馳せる事ができる環境は、かけがえの無いものです。一度でも吹奏楽に情熱を注いだ人は、この暑い夏の季節に想い出を呼び覚ませられる。という共通の衝動に駆られる事は言うまでもありません。 この会がこれからも末長く愛されるものとなるよう、今年は浪人の身ですが、長い目で微力ながら協力したい次第です。 本年は一年を通しては平成最後の年になります。昨年はえひめ国体、来年は新年号、再来年は東京オリンピックと盛り沢山な日々が続きますが、皆様どうかお身体にはお気を付け下さい。 御多忙の中、本会報を作成頂いた大元様には感謝申しあげます。会報を拝読する立場から執筆する立場となり緊張を覚える中、拙文の結びと致します。含蓄に富む文が書けるよう、これからも一層の研鑽を積んで参ります。 長文お読み頂き有難うございました。 |