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会長あいさつ

S47年卒 井手浩一



 「音萌ってまだ続いてるの?」と良く聞かれます。「まあ、なんとか」と答えると
「良く続くね」と半分あきれ気味に言われます。本当に、どうしてでしょうか。
歴代の音楽の先生に恵まれたとか、会員に変人が多いとか、ごく稀にお金持ちが出現するとか色々考えられますが、基本的には好きなことしかしてないせいだろうと思います。
この会は、ルールはゆるいです。会費さえ払って貰えれば義務なんてものは
存在しないし、実際にはそれすらも厳密なものじゃありません(お陰で運営は毎年綱渡りです)。
 お休みの日に学校へ行くと、第二教棟で高校生たちが練習をしています。私は真っ直ぐにクラリネットの部屋へ行くことが多いのですが、途中の廊下でサックスの子に会ったり、フルートの子に会ったり、よほど気になることがあれば「その吹き方ではどうだろう?」と言いますが、大抵はちょっとだけ聞いて立ち去ります。フルートなんて専門外だから奏法も分かりませんしね。でも、その子が一年生の頃からずっと聞いていると
「あ、うまくなったな」と思える時がやってきます。その時に黙ってニコッとすると、向こうも笑ってくれます。
 卒業してからも楽器を続ける子もいるし、大学のサークルが忙しくてそれどころじゃないという子もいる、はたまた突然ストリート・ミュージシャンに転向するとか、本当に
色々です。でも、どんな形であれ演奏会に、運営に参加してくれるのであれば、
ウェルカムです。一度参加して次は十年後というのもオッケーです。実際に二十年ぶりにチェロ!で出演したなんていう例もあります。
 今年は高校生たちにとっては実りの年になりそうです。
一年前にすごく悔しい思いをして、それからも色んな出来事があって、でも様々な悩みや苦しみを抱えながらも、大好きな浜辺先生と一緒に音楽を続けて来た、その結晶を聞いてやって頂ければと思います。最近は現役がとても上手になったので、下手すると音萌の方が賛助出演になるな・・・なんて思いながら、それもこれも全部ひっくるめて我々の演奏会です。この原稿を書いている時点(ほぼ一週間前)ではまだ何人参加するのやら見当も付かないのですが、高校時代の試験勉強と同じく、直前の追い込みがお家芸?なので、ともかく今年も頑張ってみます。それで、また来年もやりたいね、と笑いあっていつもの生活に戻りたいと思います。




 


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